復活の日
VIRUS
監督深作欣二
脚本高田宏治
深作欣二[11]
グレゴリー・ナップ
原作小松左京
製作角川春樹
出演者草刈正雄
ボー・スヴェンソン
オリヴィア・ハッセー
夏木勲
グレン・フォード
多岐川裕美
ロバート・ヴォーン
千葉真一
チャック・コナーズ
渡瀬恒彦
ジョージ・ケネディ
緒形拳
音楽テオ・マセロ
角川春樹事務所とTBSが共同製作し、東宝が配給した1980年の日本映画。アメリカ大陸縦断ロケや南極ロケを敢行し、総製作費は24億[14]とも25億円とも32億円ともいわれたSF大作映画である[15][16]。本来は1980年の正月映画として封切り予定だったが、製作の遅れから公開に間に合わなくなり、『戦国自衛隊』が正月作品として取って代わり、本作は半年遅れで公開された[17]。 1983年12月、イギリスの原子力潜水艦ネレイド号は東京湾に入り、ドローンで東京の偵察を行う。ドローンから送られてきた映像は、どこも白骨死体が累々広がる死の世界だった。ラトゥール博士は採集した空気サンプルを研究のために持ち帰りたいとマクラウド艦長に訴える。最初は隔離が不可能だと却下した艦長も、放射能遮蔽の安全性を逆手に反論され、渋々認めざるを得なかった。 1982年2月、東ドイツのクラウゼ博士は米国から盗み出した研究中のMM-88の毒性と脅威を知り、ウイルス学の権威に渡してワクチン開発を依頼するためサンプルを仲介者に託す。この仲介者は実は盗まれたウイルスを回収する目的で米陸軍が差し向けた工作員で、逮捕のため突入した兵士と撃ちあいになりクラウゼは死亡。工作員たちはセスナ機に乗り猛吹雪の中低空で逃走中アルプスに墜落。サンプルを収めた容器も粉々になり、ウイルスが雪の中に散乱した。 3月、米ソ冷戦は雪解けに向かいつつあり、タカ派のランキン大佐にとって面白くない。一方、細菌学者のマイヤー博士は自分が作成に携わったMM-88というウイルスが東側に渡ったという懸念に、頭を抱えていた。ランキンの来訪にマイヤーはMM-88を奪還できたかと問うが、ランキンには工作員の消息さえ掴めていなかった。MM-88は極低温下では活動を休止しているが、気温が上がると活発化して爆発的に増殖するモンスターウイルスだった。マイヤーは元々毒性がなかったMM-88にランキンが各大学で作らせた研究成果を合わせて耐性や毒性をつけ、BC兵器として完成させていたことを問い詰める。その事実をマイヤーが告発しようとしていることを知ったランキン大佐は、軍の息のかかった精神病院にマイヤーを隔離する。 4月に入り北半球に春が訪れたが、その直後からカザフスタンでは放牧中の牛が大量死し、イタリアでは嬰児と幼児を中心に感染が広まっていく。かつてのスペインかぜに倣って「イタリア風邪」と通称された疾患は全世界に広まりつつあった。イタリア風邪の猛威の状況は、南極にも知らされていたが「まもなく収束する」という希望的観測に辰野をはじめ昭和基地の南極観測隊の隊員たちは冷ややかだった。隊長の中西は、各国の観測所と連絡を取り合い事態の把握に努めるが、象も罹患したという情報に驚愕する。観測隊員で地震予知学者の吉住は、南極へ出発する前に辰野の妻の友人で恋人の則子から妊娠と別れを切り出されたことを思い出していた。その頃、看護婦として患者の対応に追われていた則子は疲労が祟り、吉住との子を流産してしまう。世界各地で勃発する暴動に、米国大統領リチャードソンは事態を重く見て閣僚たちと対応策を練るが、爆発的な感染にワクチン精製が追いつかず、そのワクチンもイタリア風邪の分析したものではなかった。
映画版ストーリー