AIDSの直接的な死因は日和見感染症やがんであり、いずれも多くの場合、進行性の免疫不全の結果として生じる[43][44]。がんのリスクはCD4陽性細胞数が500 /μLを下回ると増加するようである[40]。臨床症状の進行速度は個人差が大きく、患者の感受性や免疫機能[45]、保健施設の利用度、共感染の有無[36][46]、特定のウイルス株への感染といった要素に影響を受けることが示されている[47][48]。
結核の共感染はAIDS患者における病態進行と死の主要な原因の一つで、HIV感染者の3分の1が結核で死に、25パーセントのHIV関連死の原因となっている[49]。またHIV自体も結核のもっとも重要な危険因子の一つである[50]。C型肝炎も一般的な共感染症であり、HIVとC型肝炎ウイルスは互いの増悪因子である[51]。AIDS関連のがんでもっとも一般的なのはカポジ肉腫と非ホジキンリンパ腫である[44]。
抗レトロウイルス療法を行っても、HIV感染者は長期的に神経認知障害[52]、骨粗鬆症[53]、神経病[54]、がん[55][56]、腎臓疾患[57]、および心血管疾患など[58]を経験する可能性がある。場合によっては、リポジストロフィーがHIVとその治療によって引き起こされることがある[58]。 2022年末現在、世界のHIV陽性者数は3,900万人、新規HIV感染者数は年間130万人、エイズによる死亡者数は年間63万人となっている[59][60]。世界各国におけるHIV感染者の割合 15–50% 5–15% 2–5% 1–2% 0.5–1.0% 0.1–0.5% 0.1%以下 不明
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