円や球や凸図形に対して個別に径を定義する代わりに、それらを特別の場合として含む任意の n-次元図形(凸または非凸、あるいは連続的または散在的な点集合)に対するより一般の径の定義を与えることができる。
定義
距離空間の空でない部分集合の径とは、その部分集合に属する点の任意の対の間の距離全体の成す集合の上限を言う。式では、距離空間 (X, d) の部分集合 A ≠ ∅ に対し diam ( A ) := sup { d ( x , y ) ∣ x , y ∈ A } {\displaystyle \operatorname {diam} (A):=\sup\{d(x,y)\mid x,y\in A\}} と書ける。
注意
多くの文献では、部分集合 A が空集合である場合への言及を行わない[3]:p. IX.14
上記の定義とは異なる用語法に従うものが存在することに注意が必要である。
回転体の径とは、軸に垂直な弦のうち最長のもの、およびその長さを言うのが通例である。これはまた module[9] (modulus) とも呼ぶ。
平面幾何学における楕円に対する標準的な用語法では、楕円の中点を通る任意の弦を径と呼ぶ[10]。両端点における楕円の接線が互いに平行となるような径は共軛径
径を表す記号は「⌀」であり、「直径記号(diameter sign)」と呼ぶ。直径記号は、ゼロ0と区別をつけるために、丸印○に斜線を入れたものである。読みは元来は「まる」であるが、ギリシア文字Φ「ファイ」との字形の類似から「ファイ」と読まれることがある。
誤ってパイと読まれることがあるがファイの聞き間違いからきたと思われる[11]。
直径記号 ⌀ は、空集合の記号 ? やギリシャ文字大文字イタリックの Φ あるいは北欧系母音の O (スラッシュ付きオー)とは異なるものであり、混同すべきでない[12]。製図における直径記号「まる」の使用例
製図分野での規定「製図」を参照
JIS Z8317-1:2008 『製図ー寸法及び公差の記入方法ー第1部:一般原則』の規定は、次の通りである[13]。
寸法補助記号のひとつとして、直径を表す記号は、?(ラテン文字のØでもでもない)である。
呼び方は、「まる」または「ふぁい」である。
寸法数値の前に寸法補助記号?を付けるが、弧を張る角度が180°を超える場合には、寸法補助記号?を省略する。
呼び方は、以前のJIS Z 8317 では「まる」とされ、その後の改定で「ふぁい」という呼び方も追加された。直径記号はUnicodeのU+2300として登録されている。 記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
符号位置
⌀U+2300-⌀
⌀DIAMETER SIGN
注^ ⇒Online Etymology Dictionary
^ Toussaint, Godfried T. (1983). ⇒Solving geometric problems with the rotating calipers. Proc. MELECON '83, Athens. ⇒http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.155.5671.
^ a b Bourbaki, N., Topologie generale, Elements de mathematique, III