彼らは生きていた
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私は時間の霧を乗り越えて彼らを現代の世界に引き込み、ヴィンテージのアーカイヴ映画のチャーリー・チャップリン型の人物としてだけでは無く、人間性をもう一度取り戻したかった」と述べた[12]。この映画は第一次大戦でイギリス軍として戦ったジャクソンの父方の祖父のウィリアム・ジャクソン軍曹に捧げられており[13]、ピーターは父と一緒に祖父の戦争の話をして育てられていた[14]。ジャクソンは映画の製作後、「私の父が何を経験したかについての理解が深まった」と語った[12]

ジャクソンは映画製作にあたってギャラを受け取らなかった[8]。完成した映画で使われた映像はほんの一部だったが、ジャクソンのスタッフたちは帝国戦争博物館から受け取った100時間の映像全てを「アーカイヴをより良い形にするため」に復元した[10]

映画はウィングナット・フィルムズがハウス・プロダクションズと共同で製作し、英国国営くじ(英語版)とデジタル・文化・メディア・スポーツ省の支援を受けた[15][16]
音楽

音楽はデヴィッド・ドナルドソン(英語版)、スティーヴ・ローシュ(英語版)、ジャネット・ロディックから成るニュージーランドのトリオのプラン9によって作曲された[17]

クロージング・クレジットでは第一次世界大戦中に流行した曲「Mademoiselle from Armentieres」の拡張版が流された[18]
公開

2018年10月16日にロンドン映画祭の特別プレゼンテーション作品としてプレミア上映され、ケンブリッジ公ウィリアム王子が出席した。また英国の一部の映画館でも上映されたほか、国内の学校にも送られた[15][12]。また本編終了後に映画評論家のマーク・カーモードが司会を務めるジャクソンの質疑応答が含まれるサイマル上映も行われた[15]

休戦協定締結から100周年となる2018年11月11日、BBC Twoで放送された[19]。さらに映画の翌日、ドキュメンタリー番組『What Do Artists Do All Day?』のジャクソンの映画製作をとらえた特別エピソードがBBC Fourで放送された[20]

アメリカ合衆国では2018年12月17日と27日にファトム・イベンツ(英語版)を通して2D及び3D版が特別上映された[21]・ワーナー・ブラザースは2019年1月11日にニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンD.C.での劇場公開を開始した[5]第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞には2018年10月1日の提出期限に間に合わなかったために審査の対象外となった。また2018年の映画とみなされたために翌年のアカデミー賞にも参加できなかった[22][23]

日本では当初『ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』という題でインターネット配信されていたが、2020年1月25日よりアンプラグド配給により『彼らは生きていた』の題で劇場公開が開始された[24]
評価
興行収入

アメリカ合衆国とカナダでは1800万ドル、それ以外の国々では250万ドル、全世界で合わせて2040万ドルを売り上げている[4]

アメリカ合衆国では2018年12月17日ファトム・イベンツのプレゼンテーションの一部として上映され、総額230万ドルを売り上げて同社のドキュメンタリーの新記録を作った。また12月27日にアンコール上映が1122館で行われ、2回の上映で340万ドルを売り上げた。これはファトムのドキュメンタリーとしては最高の1日の売り上げであり、また同社のあらゆるプレゼンテーションとしても最高であった[22]。さらにキング牧師記念日に1335館で260万ドルを売り上げた[25]。2019年2月1日には735館で一般上映され、240万ドルを売り上げて10位となった[26]
批評家の反応

レビュー収集サイトRotten Tomatoesでは148件のレビューに基づいて支持率は99%、平均点は8.72/10となり、「感情的な衝撃が強まる印象的な技術的成果である『彼らは生きていた』は世代の犠牲に素晴らしい映画的トリビュートを捧げる」とまとめられた[27]Metacriticでは26件のレビューに基づいて加重平均値は91/100となった[28]
受賞とノミネート

賞部門候補結果
英国アカデミー賞[29]ドキュメンタリー賞ピーター・ジャクソン、クレア・オルセンノミネート

出典^ “They Shall Not Grow Old: Extended Cut on Anzac Day - Peter Jackson's Colorized WW2 Doc Gets 30 Minutes Longer Version”. Movie-Censorship.com (2019年4月20日). 2019年4月25日閲覧。
^ “Extended version of Peter Jackson's They Shall Not Grow Old released for Anzac Day”. Stuff (2019年4月9日). 2019年4月25日閲覧。
^ “They Shall Not Grow Old (2018) ? Financial Information”. The Numbers. 2019年5月7日閲覧。
^ a b “They Shall Not Grow Old (2018)”. Box Office Mojo. 2019年10月30日閲覧。
^ a b “Film News Roundup: Peter Jackson’s ‘They Shall Not Grow Old’ Sets Record With $3.4 Million”. Variety (2018年12月27日). 2018年12月29日閲覧。
^ “ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(字幕版)を観る”. Prime Video. Amazon.co.jp. 2020年8月10日閲覧。
^ “ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド”. WOWOW. 2020年8月10日閲覧。
^ a b “They Shall Not Grow Old ? Special interview with director Peter Jackson”. 3aw (2018年11月11日). 2018年11月12日閲覧。
^ a b “'You tried to get me in an ORC suit' Prince William jokes with director Peter Jackson”. Express (2018年10月16日). 2018年11月12日閲覧。
^ a b c d “Peter Jackson interview: how I made the visually stunning They Shall Not Grow Old”. Flicks (2018年11月10日). 2018年11月12日閲覧。


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