形質
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

例を挙げると、利き手(右利き/左利き)、多因子性疾患の有無(糖尿病統合失調症など)[3]、ブタが一回の出産で産む子の数、行動特性(数段階に分けた喫煙の頻度[4]など)がある。

一つの形質が質的でも量的でもある例 イネ品種の米のアミロース含量(ご飯の粘り気)
質的形質であるもち・うるち性は、対立遺伝子である2つの遺伝子、優性のうるち遺伝子と劣性のもち遺伝子に支配される形質である。その差は精米の外観や炊いたご飯の粘りとして観察される。この違いは米に含まれる2種類の澱粉の違いであり、もち米の澱粉はほぼアミロペクチン100%であるのに対し、うるち米の澱粉はもち米にはないアミロースも含んでいる。(もち米参照)しかしながら、うるち品種の間でも、米のアミロース含量は15%から25%程度とばらつきがある。その違いには複数の遺伝子座が関与しており、うるち品種のアミロース含量という形質は量的形質といえる。
形質発現

形質は遺伝するものであるから、その元の情報は遺伝子にある。個体が持つ遺伝子型表現型として現れることを形質発現または単に発現という。形質発現は、遺伝子の影響だけではなく、環境の影響も同時に受ける。形態的形質が環境に影響を受け、表現型が変わることを表現型の可塑性という。草木の高さのように表現型が測定値として示されるような形質では、測定値のばらつきの原因の1つとして環境が作用する。

(注)分子生物学分野では、遺伝子から情報が写し取られ生体機能を持つ分子(タンパク質rRNAtRNA)が合成されること(遺伝子発現)を単に発現と呼ぶ。
脚注^ 広島大学 - 地球資源論研究室 - 風化・土壌関連用語集 - ⇒形質
9.マイケル・タイン/マイケル・ヒックマン(編)『現代生物科学辞典』(1999)講談社 - リンク先の「形質(character)11」の上に「形質(trait)9」の説明
11. 八杉龍一・小関治男・古谷雅樹・日高敏隆『岩波生物学辞典』第4版(1996)岩波書店
12. 日本動物学会・日本植物学会(編)『生物教育用語集』(1998)東京大学出版会
^ 石川明, 鈴木亨, 海老原史樹文、「QTL解析: 基礎理論と行動遺伝学への応用」 『比較生理生化学』 1998年 15巻 1号 p.49-58, doi:10.3330/hikakuseiriseika.15.49, 日本比較生理生化学会
^ 『ゲノム医学のための遺伝統計学』共立出版、2015年
^ 大木秀一、「飲酒習慣・喫煙習慣に関与する遺伝要因・環境要因の統計遺伝学的解析」 『民族衛生』 2001年 67巻 2号 p.77-92, doi:10.3861/jshhe.67.77, 日本民族衛生学会

関連項目

表現型

遺伝子型

表現型の可塑性

メンデルの法則

量的形質座位


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:11 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef