形質は遺伝するものであるから、その元の情報は遺伝子にある。個体が持つ遺伝子型が表現型として現れることを形質発現または単に発現という。形質発現は、遺伝子の影響だけではなく、環境の影響も同時に受ける。形態的形質が環境に影響を受け、表現型が変わることを表現型の可塑性という。草木の高さのように表現型が測定値として示されるような形質では、測定値のばらつきの原因の1つとして環境が作用する。
(注)分子生物学分野では、遺伝子から情報が写し取られ生体機能を持つ分子(タンパク質・rRNA・tRNA)が合成されること(遺伝子発現)を単に発現と呼ぶ。
脚注^ 広島大学 - 地球資源論研究室 - 風化・土壌関連用語集 - ⇒形質
9.マイケル・タイン/マイケル・ヒックマン(編)『現代生物科学辞典』(1999)講談社 - リンク先の「形質(character)11」の上に「形質(trait)9」の説明
11. 八杉龍一・小関治男・古谷雅樹・日高敏隆『岩波生物学辞典』第4版(1996)岩波書店
12. 日本動物学会・日本植物学会(編)『生物教育用語集』(1998)東京大学出版会
^ 石川明, 鈴木亨, 海老原史樹文、「QTL解析: 基礎理論と行動遺伝学への応用