などがある。
また、夏目漱石が、当て字をよく用いていた作家として有名である。
瓦楽多(がらくた)[9]
伽藍堂(がらんどう)[9]
愚図愚図(ぐずぐず)[9]
頓痴気(とんちき)[9]
浪漫(ロマン)[10]
現在の日本語では、漢字に加えひらがなとカタカナの混用によって語の切れ目を表示するようになり、外来語はカタカナ表記されることが通例になっている。
上記の例からもわかるとおり、漢字の仮借による当て字は、必ずしも字義を無視するとは限らず、特定の意味をもつ字を意図的に選ぶことがある。人名に漢字を当てる場合は特にこの傾向が強い。また逆に、特定の字(自立語的な意味では使われない字が多い)を特定の音を表す当て字用の文字として多く使う(例えば「亜」「阿」 - 「ア」、「斯」 - 「シ」「ス」、「加」 - 「カ」など)ことによって、意味の喚起を抑えようとする用例も見られる。また、当て字の使用が字義に移った例もある(例:「欧」は本来「体を曲げてかがむ」という意味であり、「吐く・もどす」「殴る」「うたう」の意味にも用いられたが、現在ではこれらの用例はほとんどなく、当て字としての「ヨーロッパ」の意味で用いられている)。 古くから漢語に大和言葉が義訓・熟字訓として当てられてきたが、大和言葉から和製漢語が生まれることもあった。例えば、「ものさわがし」に「物騒」、「よりあい」に「寄合」、「よりみち」に「寄道」[11]などである。なお、誤解や漢文方言などの定着、漢語及び日本語の単語の意味の変遷なども合わさって、和語と漢字の対応には曖昧さがあった。 明治から始まる言文一致と文明開化による西洋文化の流入によって、欧文音写したカタカナにその意味から漢字を当て字する例も増えた。借用語を和語として扱い、熟字訓を和魂洋才したものとも言える。例えば、大正においては下記の例などが使われている[12]。 また、白話訓読
読みの意味に漢字を当て字した例
接吻(キッス)
厨夫(コック)
背景(バック)
覇王樹(サボテン)
頁(ページ)
骨牌(カルタ)
憂鬱症(ヒステリィ)
情調(ムウド)
憂鬱(メランコリイ)
郷愁(ノスタルヂャア)
衝撃(ショック)
異国趣味(エキゾチック)
麦酒(ビイル)
火酒(ウォッカ)
小酒杯(リキュグラス(リキュールグラス))
外廊(ヴェランダ)
露台(バルコン(バルコニー))
傾斜面(スロウプ)
食卓布(テエブルクロース)
帷(カーテン)
喞筒(ポムプ)
緑玉(エメラルド)
白金(プラチナ)
石鹸(シャボン)
珈琲店(カフェ)
牛乳(ミルク)
短艇(ボート)
円弧灯(アークとう)
洋灯(ランプ)
裁縫機械/裁縫器(ミシン)
西洋手拭(タヲル)
絹帽(シルクハット)
羽毛頚巻(ボア)
洋杖(ステッキ)
二声楽(デュエット)
小歌(リイド)
愁夜曲(ノクチュルノ)
生活(くらし)
衰弱(つかれ)
爆発(はじか)せ
灯火(あかり)
洋書(ほん)
懐中時計(とけい)
墳墓(はか)
肥満女(ふとっちょ)
西洋操人形(あやつりにんぎょう)
物語(レジェンド)
並木道(アベニュ)
北極光(オーロラ)
湯沸(サモワル)
なお近年、創作物におけるキャラクター名や、いわゆるキラキラネームにもしばしば難解な当て字が用いられる。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 漢字以外の文字を使う場合もある。例えば現代中国語は原則として漢字のみで表記するが、最近の借用語の中にはローマ字を語の表記の一部に用いるものがある(例:?拉OK(?音: k?l?'?ke?)=カラオケ)。これも「当て字」と見なすことが可能である。
^ 例えば、香港の茶餐庁ではレモン入りのコーラ「檸樂」(広東語でレンロク)を類似音の数字、漢数字「0六」(レンルク)と伝票に書くことがよく行われる。
出典^ 明鏡国語辞典による
^ 『漢字ペディア』日本漢字能力検定協会。https://www.kanjipedia.jp/。2021年4月2日閲覧。
^ 比留間直和 (2016年5月11日). “ ⇒ことばマガジン: 文字@デジタル: JISには入らなかったけれど”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2021年4月2日閲覧。
^ “Q0090 レトルトカレーで、「口」へんに「加」、「口」へんに「厘」の2文字で「カレー」と読ませているもののがあるのですが、この「口」へんに「厘」という字が漢和辞典に載っていません。どういう字ですか?”. 漢字文化資料館 漢字Q&A〈旧版〉. 大修館書店. 2021年4月2日閲覧。
^ 笹原宏之 (2021年2月16日). “元素漢字こぼれ話”. 高純度化学研究所公式ブログ. 高純度化学研究所. 2021年4月2日閲覧。
^ a b c d e f g h i j 『デジタル大辞泉』小学館。https://dictionary.goo.ne.jp/jn/。2021年4月2日閲覧。
^ “「珈琲」という漢字を最初に考案したすごい人!”. 漢字カフェ. 日本漢字能力検定協会 (2016.-3-10). 2021年4月2日閲覧。
^ 広辞苑、第四版、p.2577、1991年11月15日第4版第1刷、ISBN 4-00-080101-5
^ a b c d 伊藤光子「当て字について」『日本文学誌要』第62巻、法政大学国文学会、2000年、80-89頁、doi:10.15002/00020124。
^ 朴孝庚「近代語「浪漫」の成立と変遷」『立教大学日本文学』第121巻、立教大学日本文学会、2019年、494-484頁、doi:10.14992/00017748。
^ 誤れる文字文章 大町桂月 1915年
^ a b 白秋詩集 北原白秋 1920年初版 1924年第21版
関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。