2005年、『単騎、千里を走る。』を高倉健を主演に迎えて製作。文化大革命後に中国で初めて公開された外国映画である日本の佐藤純彌監督作品『君よ憤怒の河を渉れ』で中国人から高い人気[16]を得ていた高倉を敬愛する張が熱心にオファーした結果、高倉の出演が実現した。2006年、10年ぶりにコン・リーを主演に迎えて大作時代劇『王妃の紋章』を監督。
2008年北京オリンピックの開会式および閉会式の総監督を行った。スティーヴン・スピルバーグが芸術顧問を辞任するなど国際的に物議を醸した北京五輪で演出を担当したことは「中国のレニ・リーフェンシュタール」との批判も一部で起きた[17]。2009年にはコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』(1984年)を時代劇風にリメイクした『女と銃と荒野の麺屋』を、2010年には文化大革命を題材とした3度目の映画『サンザシの樹の下で』を監督した。
2011年、中国映画史上最高額となる6億元(約78億円)の製作費を投じて南京事件を描いた『金陵十三釵(原題)』を発表。同年の中国年間第1位となる約71億円の興行収入を記録し[18]、中国社会に大きな影響を与えた[19]。同作は第69回ゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされ[20]、第84回アカデミー賞外国語映画賞の中国代表作品にも選出され[21]、受賞の可能性も取り沙汰されるも主演のクリスチャン・ベールが軟禁状態にある陳光誠を訪問しようとして中国当局とトラブルを起こしたことで立ち消えとなった[22]。アメリカの批評家からは酷評されたが[23]、これに対して、ある作品に対して様々な評価があるのは当然とした上で、西洋人は南京大虐殺に対する理解が低すぎると語った[24]。
2013年、張が一人っ子政策に反して7人の子をもうけていたとして当局が調査に乗り出し[25]、張の事務所は妻との間に3人の子供がいることを認め当局の調査に協力することを表明[26]。2014年、江蘇省無錫市の計画生育局により、社会扶養費として748万7854元(約1億3000万円)の支払いを命じられた[27]。同年、文化大革命を題材とする4度目の映画『妻への家路』を監督。2016年、杭州で行われた第11回G20サミットの演出を監督した[28]。同年、ハリウッドスターのマット・デイモンを主演に迎え、万里の長城を舞台とした米中合作のファンタジー史劇アクション映画『グレートウォール』を監督。
2018年、韓国の2018年平昌オリンピックの閉会式で行われた2022年北京オリンピックへの引き継ぎ式の総合演出を担当した[29]。同年、架空の戦国時代を舞台にした影武者が主人公の大作時代劇『SHADOW/影武者』を監督。2020年には文化大革命を題材とする5度目の映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』を、2021年には1930年代の満州国を舞台としたサスペンス映画『崖上のスパイ』を監督した。
2022年北京オリンピックの開会式および閉会式、パラリンピックの開会式および閉会式の総監督を務め、好評を博した[30]。2023年の第36回東京国際映画祭で特別功労賞を受賞[31]。2024年の第17回アジア・フィルム・アワードでは生涯功労賞を受賞した[32]。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
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出典検索?: "張芸謀"
『紅いコーリャン』(1987年)、『紅夢』(1991年)、『上海ルージュ』(1995年)は「紅三部作」として知られ、赤をはじめとする特定の色を強調する色彩構成を用いた。その一方で、『秋菊の物語』(1992年)や『活きる』(1994年)ではリアリズムに基づいた物語を展開した。『あの子を探して』(1999年)、『初恋のきた道』(1999年)、『至福のとき』(2000年)は「幸せ三部作」と位置づけられている。また、『ハイジャック/台湾海峡緊急指令』(1989年)や『キープ・クール』(1997年)のようなジャンル映画も手がけている。2000年代以降は『HERO』(2002年)や『LOVERS』(2004年)といったワイヤーアクションや特殊効果を多用した武侠映画も製作している。
初期の作品では当時の恋人でもあったコン・リーを重用したほか、『初恋のきた道』ではチャン・ツィイーをデビューさせた。一方、『あの子を探して』での演技が絶賛されたウェイ・ミンジには田舎に帰るように促したという。