マレーシアやインドネシアでは、箱に入った弁当はナシコタッ(Nasi kotak)、バナナの葉や紙に包まれた弁当はナシブンクス(インドネシア語版)(Nasi bungkus)と呼称される。ナシブンクスは屋台や鉄道駅などでナシレマッ(Nasi lemak)やアヤムゴレン(Ayam goreng)などが販売される。これらの料理はバナナの葉やビニールコーティングされた紙の上に米飯とおかずを盛り、包んだ状態で提供される[42][43]。
タイで販売されている弁当
インドネシアのアヤムゴレン弁当
南アジアインドの「ダッバー」、3段重ね。
インドでは、チャパティとカレーをダッバー(Dabba)と呼ばれる積み重ね式容器に入れて携帯する習慣が見られる。その起源はイギリス領時代の1890年代で、ムンバイのイギリス企業で働くインド人ビジネスマンに対し、自宅で家族が調理した昼食を勤務先へ届けるために考案された[44]。 フランスには、密閉容器にパンを入れる「ガメル」(Gamelle
ヨーロッパ
また、2016年3月より、パリのリヨン駅でJR東日本及び日本レストランエンタプライズとフランス国鉄の共同企画として、日本の駅弁5種類が販売された[46][47]。当初は2カ月間限定の企画であったが、好評であったため販売期間が延長された[48]。
イタリアでは一部の鉄道駅で、パンやサンドウィッチに、小瓶のワインを合わせた食事セットが販売される鉄道駅がある[49]。また、2012年4月に運行を開始したイタリアの高速列車イタロ(Italo)では、日本の駅弁を参考にしたイタロ・ボックスが有料で提供されている[50]。
ハワイハワイのプレートランチ
ハワイではプレートランチ(Plate lunch)またはミックスプレート(Mixed plate)という料理のスタイルが一般的である[51]。これは1枚の皿の上に米飯とマカロニサラダを盛り、残ったスペースにハワイ料理、アメリカ料理、プエルトリコ料理(英語版)、日本料理、沖縄料理、中華料理、朝鮮料理、フィリピン料理、ポルトガル料理などを起源とする多種多様なおかずを盛りつけた料理のスタイルで、弁当のように発泡スチロール製の容器に入れて販売されることもある[51]。このプレートランチは19世紀後半、サトウキビプランテーションでの昼食時に、日系人をはじめとした各国からの労働者同士が、弁当のおかずを分け合ったのが起源である[52][51]。このほかに、ハワイ・クレオール英語には「弁当」の単語が日本語からの借用語として取り入れられている。意味は「1人前の食事を持ち運ぶために詰めたもの」であり、前述のプレートランチとは区別されている[53]。
派生した表現
宮城県仙台市宮城野区福室字「弁当」二番という地名がある。「弁当二番」までが地名であり、「二番」は地番ではない。その昔、仙台藩の足軽たちが、この地で弁当を広げたことから、その地名(小字)となった。弁当一番から弁当三番まであったが、弁当一番は住居表示の実施により消滅している[54]。
俗に、禁錮刑・懲役刑の執行猶予期間のことを、「弁当」と呼ぶ場合がある(例:2年の弁当つき)。これは、昔、弁当を腰にぶらさげて持ち歩いたことから、猶予期間中は捕まったら即刑務所行きだということを指してこういう。
ファイルメーカー社(現・クラリス)のパソコンソフト「Bento」の名称の由来は「弁当」から来ており、そのアイコンは弁当箱をモチーフにしている。