建甌語
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

建甌語の下には建安話と甌寧話の二つの方言がある[1]
発音

建州八音』(1795年編纂)の記載によれば、建甌語の声母は15個、韻母は34個、声調は7つである。ただし、福建の学者による1984年の調査によれば、今日残っている声調は6つのみである[2]
声母

左側には国際音標記号(IPA)。例字に続き、かっこ内は建寧ローマ字の書法である。

建甌語の声母 唇音歯茎音軟口蓋音声門音
鼻音m 問埋 (m)n 日乃 (n)? 語艾 (ng)
破裂音無声無気音p 邊拜 (b)t 直蹄 (d)k 求介 (g)? 鶯埃 (不標)
無声有気音p? 坡派 (p)t? 他替 (t)k? 氣概 (k)
摩擦音 s 時細 (s)x 非瞎 (h)
破擦音無声無気音 ts 曾在 (c) 
無声有気音 ts? 出差 (ch) 
接近音 l 柳來 (l) 

韻母

左側には国際音標記号(IPA)。例字に続き、かっこ内は建寧ローマ字の書法である。

建甌語の韻母表開韻尾母音韻尾鼻音韻尾
開口呼a 鴉茶 (a)? 歐茅 (e)? 壓臍 (a?)? 而兒 (e?)? 禾梅 (o)? 荷峨 (o?)[ai] 矮犁 (ai)[au] 襖柴 (au)[a?] 含南 (ang)[ai?] 恩田 (aing)[ei?] 音人 (eng)[?y?] 云種 (e?ng)[??] ?? (o?ng)
斉歯呼i 衣時 (i)[ia] 野舍 (ia)[i?] 熱? (ie)[i?] 約茄 (io?)[iau] 腰橋 (iau)[iu] 優油 (iu)[i?] 煙年 (ing)[ia?] 營正 (iang)[iei?] 延[i??] 央陽 (iong / io?ng)
合口呼u 烏? (u)[ua] 窩過 (ua)[u?] 哀麻 (uoi)[uai] 歪發 (uai)[ui?] 安蟠 (uing)[ua?] 汪? (uang)[uai?] 凡販 (uaing)[u??] 文放 (uo?ng)
撮口呼y 威魚 (?)[y?] ?蛇 (?e)[yi?] 彎園 (?ing)

声調

清代中頃の建甌語には7つの声調があったが、今日残るのは6つのみである。百数十年の変化を経て、今日の建甌語では、陽平調が陰去調に合流しており,平声から陰・陽の区分がなくなっている。

以下が6つの声調である。例字の出典は『建州八音』(1795年編纂)。

建甌語の声調《建甌県志》の声調番号123456
声調名平声(陰平)上声陰去陽去陰入陽入
調値[??] (54)[??] (21)[??] (33)[??] (44)[??] (24)[??] (42)
『建州八音』の表記五環三環二環八環四環七環
建寧ローマ字の声調記号? (a)? (?)? (a?)
? (a)(陽平)- (?)? (?)? (a)
例字芝依居指椅舉志意貴字易脆即益菊集實巨

この表では『建甌県志』の声調番号を採用した。『福建省志・方言志』での対応する声調番号は次の通り。1、3、5、6、7、8。

建甌語には明確な連続変調や軽声は存在しない。

上声(声調番号:2)の文字が二つ連続するときに、前の字が陰去調(3)に変わることがある。例えば、「老虎」は「[lau??]+[k'u??]」だが、「[lau??k'u??]」とすることも可能である。ただし、普遍的なルールはなく、原調(本来の声調)での発音も可能である。

名詞語尾の「仔」([tsi???])は必ず軽声で発音されるが、この文字の原調である上声(2)の調値とは明瞭な差異はない[3]
文白異読

その他の?語方言と同様に、建甌語にも文白異読現象は豊富に存在する。

近年は、現地の政府が普通話(標準中国語)政策を強力に進めており、建甌語は普通話と南平官話の影響を強く受けてきた。数多くの字詞の「老派文読」(古い時代の文読)が「新派文読」(新しい時代の文読)に取って代わられている。

建甌語の文白異読は以下のように分類できる。

声母の異読:「雷」の字は文読で/lo??/、白読で/so??/。苗字に使うときは文読。「響雷」では「雷」は白読。

韻母の異読:「西」の字は文読で/si??/、白読で/sai??/。「西瓜」では文読。「東西」では白読。

声調の異読:「稻」の字は文読で/t?au??/、白読で/tsau??/。「水稻」では文読。「截稻」では白読。

声母・声調とも異読:「高」の字は文読では/kau??/、白読では/au??/。苗字に使うときは文読。形容詞を作るときは白読。

韻母・声調とも異読:「臍」の字は文読で/tsi??/、白読で/ts????/。「臍帯」では「臍」は文読。「腹臍」では白読。

声母・韻母・声調の全て異読:「婦」の字は文読で/xu??/、白読で/py??/。「婦女」の「婦」は文読。「新婦」の「婦」は白読。

文字

1795年(清の乾隆60年)、福清の人、林端材が?東語福州話の音韻書『戚林八音』にならって音韻書『建州八音字義便覧』(略称『建州八音』)を編纂し、建寧府で刊行した。これは歴史上、初の建甌語の音韻書である。

1900年、西洋の宣教師が『建州八音』を参照して建甌語表記のための「建寧府土腔羅馬字」(G??ing-N?ing-H? Ga? T?-kiong Lo?-m?-c?)(「建寧府口語ローマ字」)を作成した。しかし、その他の数多くの教会ローマ字と同様に、建寧ローマ字も教会の圏内を出て使用されることはなく、人々から忘れられたままになっている。
参考文献

『建甌方言詞典』(現代漢語方言大詞典分巻),李栄主編,李如龍、潘渭水編纂,江蘇教育出版社,1998年出版。
ISBN 7-5343-3411-X

『建甌県志》(「第三十六篇 方言」節)

脚注^《建甌県志》(“第三十六篇 方言”の節を参照)
^建甌県志・第三十六篇・第一節 声韻調
^ 《建甌方言詞典・引論》,第7頁

外部リンク

漢字古今音資料庫(建甌語文字の音の検索サイト) (中国語)

建甌県志(「第三十六篇 方言」) (中国語)










中国語
シナ語派の分支
過去

上古中国語

中古中国語

古官話

大類群

官話

東北

北京

膠遼

登連

青?


冀魯

中原

東干

甘溝


蘭銀

江淮

西南

呉語

宣州(中国語版)

太湖(中国語版)

上海


台州(中国語版)

甌江

温州


処衢

湘語

長益

婁邵

吉淑

?語

昌靖

宜瀏

吉茶

撫広

鷹弋

大通

耒資

洞綏

懐岳

客家語

寧竜

于桂

銅鼓

粤台

粤中

粤北

東江

汀州

詔安

粤語

広東

香港


粤海

莞宝

羅広

四邑

高陽

呉化

?潯

?州

蜑家

勾漏

欽廉

?語

?東

福州

寧徳


?南

泉?

廈門

台湾


潮州


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:16 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef