建中寺
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名古屋市は市内の墓地を千種区に新たに造る平和公園に集約しようと考え、歴代藩主の墓の内、一つだけを平和公園に移し、第2代藩主徳川光友の墓「源正公廟」のみを建中寺に残し、残りの墓は尾張徳川家第19代当主徳川義親の意向もあって、魂抜きをしたうえで3つだけを残して処分し、遺骸は荼毘に付して遺骨とし、重要文化財の初代藩主徳川義直廟「源敬公廟」がある瀬戸市定光寺に造られている徳川家納骨堂に納めることとした。

こうして、平和公園内に整備された建中寺墓地に第7代藩主徳川宗春の墓が移されたが、郷土史家の津田応助の嘆願もあって第9代藩主徳川宗睦の墓も助けられ、小牧町(現・小牧市)の小牧山に移転された。そして、魂抜き後に残された3つの墓石は寺標に改められて現在も当寺に残っている。なお、焼夷弾が当たって損傷していた徳川宗春の墓は2010年平成22年)に修復されている。

1954年(昭和29年)、高原院御霊屋が名古屋東照宮に移築されて本殿とされた。

霊場としては名古屋市観光協会の後援を受け、1955年(昭和30年)頃に大名古屋十二支の恵当寺として丑年の護り本尊である虚空蔵菩薩の霊場となっている。
境内

本堂(名古屋市指定有形文化財) -
天明7年(1787年)再建。木造、間口十五間、奥行十四間の入母屋造。名古屋市都市景観重要建築物指定物件[1][2]。名古屋市内最大の木造寺院建築物である。本尊は阿弥陀如来坐像。

徳川家霊廟(愛知県指定有形文化財) - 天明6年(1786年)から寛政10年(1798年)にかけて初代藩主徳川義直の御霊屋(源敬公御霊屋)として、義直の150年忌に合わせて本堂の北隣に新たに建立される。仏堂形式の権現造はこの建物の他には栃木県日光市輪王寺にある徳川家光の霊廟「大猷院廟」だけである。明治時代になって他の4つの御霊屋が解体・移築されると義直御霊屋は徳川家霊廟とされ、他の御霊屋に祀られていた歴代藩主や正室などの位牌が纏めて祀られるようになった。内外とも華麗で極彩色の装飾が施されているが、現在霊廟は覆屋に覆われており外部から見ることはできない。

本殿 - 渡殿と拝殿を一体とした権現造で造られている。

渡殿

拝殿

唐門

透塀


源正公廟(名古屋市指定有形文化財) - 元禄14年(1701年)建立。尾張藩第2代藩主徳川光友の墓所。

墓石(附:石燈籠1対)

基壇

唐門(附:袖壁)

築地塀


開山堂(名古屋市指定有形文化財) - 天明6年(1786年)再建。寄棟造。

明王殿(不動堂) - 1969年昭和44年)再建。

経蔵(名古屋市指定有形文化財) - 文政11年(1828年)再建。宝形造、裳階付。大蔵経五千八百巻が納められている。

鐘楼(名古屋市指定有形文化財) - 天明7年(1787年)再建。木造、桁行三間、梁間二間の入母屋造、袴腰付。名古屋市都市景観重要建築物指定物件[1]

書院(客殿) - 1964年昭和39年)再建。

庫裏

徳興殿(国の登録有形文化財) - 1896年明治29年)建築。旧名古屋商工会議所

三門(名古屋市指定有形文化財) - 慶安5年(1652年)建立。総檜造りの三間一戸二重門、入母屋造。名古屋市都市景観重要建築物指定物件[1]。上層には釈迦如来坐像を中心として十六羅漢像が安置されている。

御成門(名古屋市指定有形文化財) - 正徳4年(1714年)再建。四脚平唐門。もとは第5代藩主徳川五郎太の廟の門。名古屋市都市景観重要建築物指定物件[1]

建中寺幼稚園

総門(名古屋市指定有形文化財) - 慶安5年(1652年)建立。三間薬医門、両脇に築地塀が付く。名古屋市都市景観重要建築物指定物件[1]。建中寺公園の南側にある。

ハスの花‐令和3年(2021年)彫刻ピエールイジ・マンチーニアート pierluigi Manciniart。


本堂内陣

開山堂
(2021年(令和3年)4月)

明王殿
(2021年(令和3年)4月)

経蔵
(2021年(令和3年)4月)

鐘楼
(2007年(平成19年)8月)

書院
(2021年(令和3年)4月)

三門
(2021年(令和3年)4月)

御成門
(2015年(平成27年)4月)

総門
(2021年(令和3年)4月)

文化財かつての建中寺三門前の様子(『尾張名所図会. 前編 巻2 愛智郡』より「建中寺」)かつての建中寺本堂の様子(『尾張名所図会. 前編 巻2 愛智郡』より「建中寺」)


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