平盛子
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^ 『玉葉』では、摂関家領を高倉天皇に伝領するよう指示した人物は触れられていない。これについては後白河とする説(河内祥輔、五味文彦)と清盛とする説(田中文英、高橋昌明)に分かれている。この時期の政治状況を見ると、後白河が高倉の退位工作を画策し[10]、高倉も「今度の除書一向に内の御沙汰たるべし。院知ろし食すべからざるの由これを申さると云々」[11]と政治的自立の傾向を見せるなど、院政と親政の二重権力状態が生まれつつあった。治承三年の政変で院政派は根こそぎ弾圧されたが、高倉は関白罷免の宣命詔書を出し、平時忠・藤原隆季源通親といった高倉の側近も平氏に協力的な姿勢を取っている。これは高倉がすでに清盛の意のままになっていたことを示すものであり、高倉への伝領も清盛が筋書きを書いたものと推測される。

出典^ 『兵範記』仁安2年8月6日条、11月26日条
^ a b愚管抄
^ 『平安遺文』3284
^ 『平安遺文』3350
^兵範記』同日条
^玉葉』仁安2年5月1日条、承安3年6月6日、11日条
^ 『玉葉』治承3年6月18日条
^山槐記』同日条
^ 『玉葉』同日条
^ 『玉葉』安元2年10月29日条
^ 『玉葉』治承元年11月15日条

参考文献

芳賀登 『日本女性人名辞典』日本図書センター、1993年。
ISBN 978-4-8205-7128-5

田中文英 「平盛子」『日本史大事典 4』平凡社、1993年 。ISBN 978-4-582-13104-8

田中文英 「治承三年十一月の政変と摂関家」『女子大文学』43、1992年。

朧谷寿 「平盛子」『平安時代史事典』角川書店、1994年。 ISBN 978-4-040-31700-7

飯田悠紀子 「平盛子」『日本古代中世人名辞典』吉川弘文館、2006年。 ISBN 978-4-642-01434-2

河内祥輔 「治承元年事件および治承三年政変について」『日本中世の朝廷・幕府体制』所収 吉川弘文館、2007年。 ISBN 978-4-642-02863-9

五味文彦 『平清盛』吉川弘文館〈人物叢書〉、1998年。

高橋昌明 『平清盛 福原の夢』講談社、2007年。

樋口健太郎 「平安末期における摂関家の「家」と平氏-白川殿盛子による「家」の伝領をめぐって-」『ヒストリア』189、2004年。所収:『中世摂関家の家と権力』所収 校倉書房、2011年。 ISBN 978-4-7517-4280-8

樋口健太郎 「藤原師長の政治史的位置-頼長流の復権と貴族社会-」『古代文化』57-10、2005年。/増補改稿:「藤原師長論」『中世摂関家の家と権力』所収 校倉書房、2011年。 ISBN 978-4-7517-4280-8

樋口健太郎「藤原忠通と基実-院政期摂関家のアンカー-」(初出:元木泰雄 編『保元・平治の乱と平氏の栄華』〔中世の人物 京・鎌倉の時代編第1巻〕(清文堂出版、2014年)/所収:樋口『中世王権の形成と摂関家』(吉川弘文館、2018年) ISBN 978-4-642-02948-3

関連作品
テレビドラマ


新・平家物語』(1972年、NHK大河ドラマ)演:山添久美

平清盛』(2012年、NHK大河ドラマ)演:八木のぞみ(幼少期:近藤里沙

関連項目

近衛家

治承三年の政変

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