幕閣
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ただしこれら新たな軍隊と旧来の番方は併存した状況が続き、後者の実質的な解体は幕府が終焉を迎える直前の慶応の改革時になった。
財政

家康の時期に、勘定奉行が取り仕切る勘定方が設置されたが財政は安定しておらず、赤字などによりしばしば幕政改革が行われた。

幕末の1866年(慶応2年)には既にイギリスオリエンタル・バンクの支店が横浜に設立されていたと言われ、幕府は長州征伐のため、同年同銀行と600万ドルの借款契約を締結した[3]
大名「近世大名」も参照

大名は以下のように分類された。

親藩:徳川家の一族

譜代大名関ヶ原の戦い以前から徳川家に仕えていた大名家

外様大名:関ヶ原の戦い以降から徳川家に仕え始めた大名家(関ヶ原の戦いで西軍として戦った豊臣系大名も含む)

この分類は、政権内の権力において大きな差となっていた。特に、幕府の要職に全て譜代大名をもって充てた事は、鎌倉幕府、室町幕府からの大きな転換であった。鎌倉・室町幕府においては、時によっては将軍家・執権すらしのぐほどの有力御家人守護大名が要職に就いていた。また、豊臣政権末期の五大老制は、有力大名による集団指導体制であり、外様大名である徳川家康の政権簒奪を防ぐことができなかった。これに対して、江戸幕府では譜代大名が幕府の要職を独占していた。元々は豊臣政権時代に一大名に過ぎなかった家康のさらに臣下であった譜代大名は、さほど有力ではない小大名が中心であり、徳川家以外の他の有力大名は、地方を統治する外様大名として中央政権の要職に就くことが無くなった。つまり、将軍個人の独裁体制ではないものの、徳川家という枠組において独裁体制を敷いていたのである。またこのことにより、あまり政治に関与しなかった将軍であっても、幕閣の完全な傀儡になることはなく、政権の簒奪も未然に防止することが可能となった。

しかしながらこれは、親藩や有力外様大名が幕閣よりも「目上の立場」になる事を意味し(例えば井伊家は譜代大名筆頭であるが、外様大名筆頭の前田家や、御三家御三卿よりは下の席次であった)、幕末期において問題点として噴出する事となった。当時の大老である井伊直弼は強権をもって反対者を弾圧したが、その報復である桜田門外の変に倒れ、以降の江戸幕府は諸大名の統制が困難になり、大政奉還及び江戸開城を迎える事となった。
江戸幕府の役職
大名役

御側御用取次はもともと高級旗本の役職だったが、拝命後ある程度の時を経てから大名に取り立てられる場合が多かった。

大老・大老格(幕府成立当初は大政参与も置かれたが後に大老と統一)

老中老中格

側用人御側御用取次

以上が幕政の首脳。このうち「幕閣」と呼ばれたのは大老・大老格と老中・老中格で、側用人・御側御用取次は時代や個人によってその権限に大きな差があった。

京都所司代

大坂城代

寺社奉行

若年寄

奏者番

旗本役「旗本#江戸幕府の旗本」も参照

諸太夫役と布衣役を『天保年間諸役大概順』に拠って列記、これに支配関係と伺候席を参考として添えた。なお『諸役大概』に記載があるものの、それが役職であるか世襲職であるかが不明瞭なもの (林家が代々勤めた大学頭など)についてはこれを省いた。

側衆 (老中支配)

高家 (老中支配、雁間詰)

駿府城代 (老中支配、雁間詰)

伏見奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

留守居 (老中支配)

大番頭 (老中支配、菊間詰)

書院番頭 (若年寄支配、菊間詰)

小姓組番頭 (若年寄支配、菊間詰)

御三卿家老 (老中支配、芙蓉間詰)

大目付 (老中支配、芙蓉間詰)

町奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

勘定奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

旗奉行 (老中支配、菊間詰)

作事奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

普請奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

小普請奉行 (若年寄支配、中之間詰)   

甲府勤番支配 (老中支配、芙蓉間詰)

長崎奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

浦賀奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

京都町奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

大坂町奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

駿府定番 (老中支配、芙蓉間詰)

禁裏付 (老中支配、芙蓉間詰)

仙洞付 (老中支配、芙蓉間詰)

山田奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

日光奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

奈良奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

堺奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

駿府町奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

佐渡奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

新潟奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

羽田奉行 (老中支配、芙蓉間詰)

西丸留守居 (若年寄支配、中之間詰)


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