常用漢字
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側(かわ) - 訓「かわ」を「がわ」に変更[注 5]
削除(3音訓)
畝(せ)、疲(つからす)、浦(ホ)

備考欄などについて以下の通り変更された。
変更
愛・岐・児・滋・城・神・鳥・富・分・良 - 備考欄に都道府県名を注記。音 - 語例「音信不通」を「母音」に変更。備考欄「音信不通」の注記を削除。堪 - 語例「堪能」を追加。備考欄に〈「堪能」は、「タンノウ」とも。〉と注記。屈 - 語例「理屈」を追加。十 - 備考欄に〈「ジュッ」とも。〉と注記。従 - 語例「従って〔接〕」を削除。昭 - 語例「昭和」を追加。側 - 備考欄に〈「かわ」とも。〉と注記。透 - 語例「透き間」を削除[注 6]。破 - 語例「破棄」を追加。力 - 凡例に注記[注 7]

付表は以下の通り追加、変更された。
追加(6語)
鍛冶(かじ)、固唾(かたず)、尻尾(しっぽ)、老舗(しにせ)、真面目(まじめ)、弥生(やよい)
変更(5語)
居士(こじ) - 「一言居士」を「居士」に変更。五月(さつき) - 「五月晴れ」を「五月」に変更。お母さん(おかあさん) - 「お母さん」を「母さん」に変更。お父さん(おとうさん) - 「お父さん」を「父さん」に変更。海女(あま) - 「海女」を「海女・海士」に変更。
経緯

2005年(平成17年)2月2日に国語分科会が「情報化時代に対応する漢字政策の在り方を検討することが必要」であるとした報告書[4]文化審議会に提出した。これを受けて、同年3月30日中山成彬文部科学大臣は常用漢字表の見直しの検討などを文化審議会に諮問した[5]。同年9月から文化審議会国語分科会の漢字小委員会が常用漢字見直しの審議に入った。

その後、第6回漢字小委員会では、「『常用漢字』と『準常用漢字(読めるだけでいい漢字)』に分けることの是非」という文言[6]を含む資料が配付された。また答申時期については、第15回漢字小委員会で2010年2月の新常用漢字表答申を目指すと述べられている。なお、その後の漢字小委員会で表の煩雑化に疑問の声があり、「準常用漢字」などの区分は最終的に行われなかった。2008年(平成20年)1月9日都道府県名に使われている漢字で常用漢字に現在含まれていない「阪・鹿・奈・岡・熊・梨・阜・埼・茨・栃・媛」の11字を常用漢字に含めることを決めた[注 8]。これは固有名詞については常用漢字表の対象としないのが原則であり、今後も維持するが、特に公共性が高い都道府県名について例外として扱ったものである。またその後、「韓・畿」が追加候補に入ったが、これは都道府県名に準じる漢字としての位置付けである。

2008年(平成20年)5月12日の第21回漢字小委員会で、第1次字種候補素案[7]218字が発表された(220字と明記され、主要新聞社もそのように発表したが、実際には「闇」がデザイン差で重複しており、また既に常用漢字表に入っている「靴」が誤って入っていたため218字が正しい[注 9])。この時点では特定の語に限って常用漢字と同様に認める熟語が「別表」として付記されていたが、「なるべく単純明快な漢字表を作成する」という考え方に基づき、その後の6月16日の第23回漢字小委員会では第2次字種候補案[8]が「別表」を統合した形で発表され、同日の審議でもその旨了承された。なお、第2次字種候補案では「本表に入れる可能性のある候補漢字」は188字とされた。また「斤」が削除候補から外された。

同年7月15日の第24回漢字小委員会では、7月31日の第39回国語分科会に提出する資料について「最終的な扱いについては前田主査に一任する」ことが了承された[注 10]。また、国語分科会で字種候補案が了承されたとしても、今後、行われる音訓の検討過程で字種の出し入れの可能性があることも確認された。実際にその後の9月22日の第25回漢字小委員会では、追加候補に「刹・椎・賭・遡」の4字が追加され、「蒙」が削除された。これにより追加候補は191字となった。2009年(平成21年)10月23日の第37回漢字小委員会および11月10日の第42回国語分科会で了承された修正案では「柿・哺・楷・睦・釜・錮・賂・勾・毀」の9字が追加、「聘・憚・哨・諜」の4字が削除され、追加候補は196字となった。なお、漢字表の名称は現行と同じ「常用漢字表(改定常用漢字表)」とすることが確定した。

文化審議会は2010年6月7日の第51回文化審議会総会で、改定常用漢字表を答申した。
(参考)一度は追加候補漢字に入りながら、その後外された漢字(85字)
叩 ? 噂 濡 笠 嬉 朋 覗 撫 溜 鷹 揃 頷 ? 翔 喋 ? 洩 禄 栗 馴 駕 鴨 淵 駿 蘭 胡 蘇 狼 蝶 ? 惚 蒼 腿 菩 吊 雀 樽 壺 祀 卿 歪 棲 磯 桶 鷲 媚 寵 秤 套 ? 疼 賤 ? 糊 誼 截 綬 庄 毅 揆 躇 躊 憐 狽 萌 撥 謳 蔓 捏 饉 倦 ? 恍 斡 膠 疇 謗 乖 誹 蒙 聘 憚 哨 諜

また、文化庁は「『新常用漢字表(仮称)』に関する試案」を公開、パブリックコメント募集を行い、2009年(平成21年)3月16日から行われたものの結果がニュースなどで報道された。これは第31回漢字小委員会以降で配付された資料に基づくものである。それによると、新たに302字[注 11]の追加希望があったという。

最も追加要望が多かったのは「鷹」の22件である。三鷹市[10]鷹栖町白鷹町など名称に「鷹」を含む自治体が意見書を出していた。三鷹市によれば、「鷹」は「都道府県名や動植物名等の固有名詞を中心とした使用例が多い」との理由で追加字種候補から除外されたが、市はこれに反論して四字熟語を含む熟語故事など多数の用例を挙げ「社会生活や日本の伝統文化を表す語が多数存在する」と主張した[10]。またもう一つの根拠として和文書体データのフォント作成の際に、全ての漢字の構成要素が凝縮されているとして「鷹・東・永・国・室・道・機・識・闘・愛・警・酬」の12文字を基準に作成されていることを挙げて「鷹」の追加を強く要望した[10]。この三鷹市の取り組みに対しては全国から多くの反響が寄せられたという[10]

続いて「碍」の20件は、一部の障害者団体が「障害」を「障碍」と表記するよう主張していることが関係している。その他、6件以上意見があったのは「睦・柿・迂・哺・蘇・棲・疹・楷・揃・叩・濡・吊・悶・牽・挽・捏・膿・?・禄」であった。

一方、削除希望の漢字も挙げられ、最も多かったのは「鬱」、次いで「顎」であった。そのほか「聘・憚・憬」などが挙がっており、「埼・阪・阜」など都道府県に用いられる漢字に対しても削除の要望があった。今回のパブリックコメントでは約220件の意見が寄せられ「敬語の指針(報告案)」の際の5倍に上った。文化庁は、このパブリックコメントを加味した上で、再度指針案を練り直すとしていた。

その後、2009年(平成21年)11月25日から12月24日まで再度、修正案を対象にしたパブリックコメントが実施され、272件の意見が寄せられた。


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