帰って来たヨッパライ
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それで当時の全てのメジャー・レーベルがフォーク・クルセダーズとシングル盤の発売交渉を行ったが、東芝だけがフォークル側の「年内発売」の条件を受け入れ、彼らが吹き込んだ当初のモノラル録音のテープで発売する権利を得た[9][10]。このことがきっかけで、レコード会社の「原盤制作権」がクローズアップされることにもなった。シングル盤の売上は累計283万枚に達した[7][11]

作詞者の松山猛のもとに最初に入ってきた本作の印税収入は50万円、次も50万円で、トータルでも数百万円程度だったという[12]

早回しテープを使った曲であるため、コンサートでそのまま再現演奏することができないと思われがちであるが、ロックアレンジで演奏されることもあった。このときは端田がメインボーカルを取っている(レコーディング時のボーカルと12弦ギターは、加藤和彦)。2002年のフォーク・クルセダーズ新結成では、フォークルの演奏(アコースティック)にゲストの泉谷しげるが普通の声で歌っている。

なお、加藤が生前最後のニッポン放送でのインタビューにおいて、「早回し録音を北山修宅の居間で行った。北山宅に語学学習用のオープンリールレコーダーがあり、それを用いて早回しボーカルの録音を行ったが、早回し録音であるが故に、音程が合わず一日がかりで録音した」との苦労を語っている。

シングル盤のジャケットには、パロディであったのにもかかわらず、内容が内容だけに、「お寝み前にはお聞きならないようお願いします。」と注意書きが記されていた。

アメリカにおいてもキャピトルレコードから“Tokyo Folk Crusaders”名義でシングル「I Only Live Twice」(B面は「Soran Bushi」。7インチシングル盤規格品番:2144(販売盤)/ P 2144(非売品プロモ盤))が発売されている。

1991年にカップリングを「悲しくてやりきれない」に差し替えた8cmCDシングル盤が東芝EMIよりリリース。ジャケットのイラストは、漫画家タレントである蛭子能収が担当した。現在は廃盤となっている。
補足

作曲家の
團伊玖磨は、いち早くこの曲を評価した。そのこともあり、フォーク・クルセダーズは團伊玖磨の童謡「山羊さんゆうびん」を『紀元弐千年』(フォーク・クルセダーズのアルバム)でも、2002年新結成時のライブでも歌っている。

音楽評論家の篠原章は、自らの著書[13]において、「帰って来たヨッパライ」が大ヒットした1968年以降を「日本のロック時代」と定義している。

園山俊二原作のテレビアニメ『はじめ人間ギャートルズ』でも、主人公の少年・ゴンの父が一度死んでしまう回(第7回Bパート「ジゴクラクーンの巻」)で、父が天国に上っていくシーンでこの曲が流れている。



1968年のテレビ時代劇素浪人 月影兵庫』第2シリーズの第71話のサブタイトルは「おらは死んじまった筈だった」であり、劇中で谷村昌彦が本曲の歌い出しに節をつけて歌っているシーンがある。

1968年に放送がスタートしたテレビアニメ『巨人の星』第7話「虚栄のボール」で小学生時代の星飛雄馬が銭湯から帰る道中でこの曲を歌っていると車に轢かれそうになり、歌詞を引用して激怒するシーンがある。ちなみに飛雄馬が小学生の時代は長嶋茂雄の巨人入団が決定(第1話)、王貞治が高校2年(第3話)の1957年であり、本曲が発売される前の話である。

1988年3月関西テレビ真夜中テレビ』枠で放送された『完全走破!日本縦断2002キロ高速道路の旅』の副音声側でもこの曲が流れている。

発売からほぼ1年後、ヨッパライ・シリーズ第2弾と称し、西部劇を題材にした『さすらいのヨッパライ』というシングルが発売されるが、加藤らフォーク・クルセダーズのメンバーたちは2度同じことをすることに拒否反応を示したといい、その後シリーズ化はされなかった。

竜の子プロダクション製作のアニメ『ハクション大魔王』の企画当初のタイトルは、本曲の歌詞に由来する『天国よいとこ』であった[14]

1990年代には、替え歌がリクルートの『エイビーロード』のCMソングに使われていた。

2010年に発売されたPSPゲームソフトメタルギアソリッド ピースウォーカー』の劇中歌として使用されており、一部のボスキャラクターは倒されるとこの曲の一節を繰り返し唄うことがある。

漫画『鬼灯の冷徹』の単行本第3巻では、八塩折の酒に酔った叫喚地獄の亡者たちがこの曲を歌っている。また、2014年に放送されたアニメ版でも歌われた。

2012年日本音楽著作権協会に登録されている作詞者の表記が『フォーク・パロディ・ギャング』から『松山猛北山修』に変更された。

2015年からフジテレビ系列で放送されている『やっちまったtv』のテーマ曲に、この曲の替え歌を使用している。

収録曲
7インチシングル盤
帰って来たヨッパライ (I Only Live Twice)

作詞:フォーク・パロディ・ギャング(
松山猛北山修)、作曲:加藤和彦、編曲:ザ・フォーク・クルセダーズ


ソーラン節 (Soran Bushi)

北海道民謡、編曲:加藤和彦


8cmCD
帰って来たヨッパライ

作詞:フォーク・パロディ・ギャング(松山猛・北山修)、作曲:加藤和彦、編曲:ザ・フォーク・クルセダーズ


悲しくてやりきれない

作詞:サトウハチロー、作曲:加藤和彦、編曲:ありたあきら


収録アルバム

ザ・フォーク・クルセダーズ名義のアルバム

HARENCHI

紀元貳阡年

フォークル大百科事典

CDベストナウ ザ・フォーク・クルセダーズ

BIG ARTIST BEST COLLECTION/フォーク・クルセイダーズ

シングル・コレクション

TWIN BEST/フォーク・クルセダーズ・アンド・ゼン

メモリアル・フォーク・クルセダーズ

ゴールデン☆ベスト フォーク・クルセダース

NEW BEST 1500

スーパーベスト ザ・フォーク・クルセダーズ

おとなツイン・ベスト ザ・フォーク・クルセダーズ&MORE

当世今様民謡大温習会(はれんちりさいたる)(1968年7月のライヴ音源)

フォークルさよならコンサート(1968年10月のライヴ音源)

ザ・フォーク・クルセダーズ 新結成記念 解散音楽會(2002年11月のライヴ音源)



加藤和彦のアルバム

Catch-22(1977年)



オムニバスアルバム

青春のバイブル'60(1987年5月1日)

フォーク&ロック大百科事典 Vol.1(1987年5月25日)

NOW!!Oldies(1989年1月25日)

オール・カレッジ・フォーク & ポップス 上巻(1989年10月25日)

あの一曲から始まった 音故知新 或る日突然?花嫁(1990年5月23日)

なつかしのバンド天国(1990年7月18日)

カレッジ・ポップス ベスト・コレクションVOL.1(1992年10月22日)

青春のバイブル’60(1994年1月26日)

世紀末・ア・ゴーゴー!!(1995年8月30日)

フォーク・ソング・アンソロジー ?オールナイトニッポン篇?(1998年6月17日)

新・青春のバイブル'60 完全盤(1999年3月17日)

20世紀ベスト フォーク & ニューミュージック・ヒストリー 東芝EMI編 1(1999年11月3日)

フォーク・コンピレーション・ベスト30(2001年8月22日)

the Big History-昭和・平成のポップス歌年鑑-(2001年12月12日)

スーパーエキスプレス 1号(2002年8月21日)

歌うヘッドライト(2002年10月23日)

青春歌年鑑'67 BEST30(2002年11月27日)


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