日本でも2004年(平成16年)4月に接種対象者として「水痘ウイルスに対して免疫能が低下した高齢者」が追加され、2016年(平成28年)3月には効果・効能として「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」と対象拡大されたが、費用は自由診療となる[2]。免疫力が落ちてくる60代以上の高齢者で、帯状疱疹を発症したことがない人には、帯状疱疹後神経痛を回避するためにも、水痘ワクチンの使用が推奨される。 アメリカ合衆国での研究では、水痘ワクチンを数万人の50歳以上の成人に接種することで、帯状疱疹の発症を対照群の半分に、主観的に痛みを残す人を3分の1に減らすことができたデータ[要出典]もある。2006年に、米国では60歳以上を対象とする帯状疱疹ワクチンとして承認された。このワクチンはいわゆる「水ぼうそうのワクチン(水痘ワクチン)」のことであり、1987年(昭和62年)3月に日本で承認された、大阪大学微生物病研究所が製造している水痘ワクチン「ビケン」である。 アメリカ合衆国のみならず、欧州連合など30カ国以上で「帯状疱疹の予防目的」で広く使われている。 2018年(平成30年)3月23日、ジャパンワクチン 帯状疱疹を発症した高齢者は発疹自体が収まっても、後に神経痛が発症する事がある。水痘ワクチン接種で帯状疱疹だけでなく、帯状疱疹後神経痛の予防効果があるため、日本では2014年から乳幼児期に自己負担0円となる「定期接種」の対象となったが、2016年から50歳以上の希望者にも予防の生ワクチン接種が約10000円で受けられるようになった[2][35]。 帯状疱疹後神経痛は冷やすと悪化し、暖めると緩和される傾向がある。水疱(腫れ部分)が破れると、緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの化膿性疾患の原因となる、細菌の2次感染が起こりやすくなる為、細菌による化膿を防ぐため、水疱は破らないよう注意する。また、入浴に関しては医師の判断が必要とされる。 帯状疱疹は身近な病気であり、日本各地に固有の方言名が存在する。 東北・北関東地方では「つづらご」「はくじゃ」、南関東では「ひっつらご」、中部地方では「つづらご」「おびくさ」、関西地方では「胴まき」「たすき」「おび」、中国四国地方では「胴まき」「けさ」「けさがけ」「けさよう」、九州地方では「胴巻き」「たづ」「へびたん」「たん」等という。
欧米
サブユニットワクチンの開発と今後
帯状疱疹後神経痛
ワクチン未接種時の対応
方言
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b c “帯状疱疹の原因|帯状疱疹予防.jp
^ a b c d e 渡辺大輔「新規帯状疱疹サブユニットワクチン」『IASR 』39 、国立感染症研究所、2018-08 、 1 40-144頁
^ a b 陽子, 三宅 (2022年5月17日). “若年層にも広がる「帯状疱疹」 コロナ禍で増加に拍車か
^ “帯状疱疹の疫学|帯状疱疹は増加している|心斎橋ペインクリニック
^ 水痘が減ると帯状疱疹が増加
^ Epidemiology of herpes zoster and its relationship to varicella in Japan: A 10-year survey of 48,388 herpes zoster cases in Miyazaki prefecture. Toyama N, Shiraki K; Society of the Miyazaki Prefecture dermatologists.J Med Virol. 2009 Dec;81(12):2053-8.
^ Stankus SJ, Dlugopolski M, Packer D(2000) Management of herpes zoster (shingles) and postherpetic neuralgia. Am Fam Physician 61
^ a b 浅田秀夫、帯状疱疹の疫学動向