帯状疱疹
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低出力レーザー[28][29]


ワクチンによる予防水痘ワクチン・帯状疱疹ワクチン詳細は「水痘ワクチン」を参照

前述の通り、帯状疱疹は潜伏感染している水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされるため、そもそも水痘に罹患しなければ、帯状疱疹は発症しない。水痘ワクチンにより、帯状疱疹を発症する例も存在はするが、非接種の場合と比較して非常に稀な確率である。

免疫抑制剤を使用することになった患者で、帯状疱疹ワクチン接種を受けた者、受けていない者を対照に前向きコホート研究を行った研究がある。結果は、帯状疱疹の発生率は免疫抑制剤使用後において、水痘ワクチン接種により、約42%低下した[30][31]
日本
乳幼児への定期接種化

2014年(平成26年)10月1日より、生後12月から生後36月に至るまでの間(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日)を対象とする水痘ワクチンが定期接種になった[32]。定期接種化後は水痘罹患者が、将来的には帯状疱疹発症者の低下が期待されたが、実際に定期接種化で乳幼児の水痘罹患が激減した[2]。なおワクチンによる免疫効果は、接種の3年から11年で減弱するとされている[8]
高齢者向け任意接種

日本でも2004年(平成16年)4月に接種対象者として「水痘ウイルスに対して免疫能が低下した高齢者」が追加され、2016年(平成28年)3月には効果・効能として「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」と対象拡大されたが、費用は自由診療となる[2]。免疫力が落ちてくる60代以上の高齢者で、帯状疱疹を発症したことがない人には、帯状疱疹後神経痛を回避するためにも、水痘ワクチンの使用が推奨される。
欧米

アメリカ合衆国での研究では、水痘ワクチンを数万人の50歳以上の成人に接種することで、帯状疱疹の発症を対照群の半分に、主観的に痛みを残す人を3分の1に減らすことができたデータ[要出典]もある。2006年に、米国では60歳以上を対象とする帯状疱疹ワクチンとして承認された。このワクチンはいわゆる「水ぼうそうのワクチン(水痘ワクチン)」のことであり、1987年昭和62年)3月に日本で承認された、大阪大学微生物病研究所が製造している水痘ワクチン「ビケン」である。

アメリカ合衆国のみならず、欧州連合など30カ国以上で「帯状疱疹の予防目的」で広く使われている。
サブユニットワクチンの開発と今後

2018年(平成30年)3月23日、ジャパンワクチンおよびグラクソ・スミスクラインは、世界初となる帯状疱疹サブユニットワクチン(不活化ワクチン)の「シングリックス(Shingrix)」を開発し、日本での製造承認を受けた。2020年(令和2年)1月から流通が始まり、50歳以上の成人希望者には2か月間隔で2回接種される[33]。今後、帯状疱疹の予防目的としての水痘生ワクチンの使用は減少し、サブユニットワクチンに移行するものと思われる。メタ解析でZostavaxと比較して、シングリックスの有効性が示されている。[34]
帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹を発症した高齢者は発疹自体が収まっても、後に神経痛が発症する事がある。水痘ワクチン接種で帯状疱疹だけでなく、帯状疱疹後神経痛の予防効果があるため、日本では2014年から乳幼児期に自己負担0円となる「定期接種」の対象となったが、2016年から50歳以上の希望者にも予防の生ワクチン接種が約10000円で受けられるようになった[2][35]
ワクチン未接種時の対応

帯状疱疹後神経痛は冷やすと悪化し、暖めると緩和される傾向がある。水疱(腫れ部分)が破れると、緑膿菌黄色ブドウ球菌などの化膿性疾患の原因となる、細菌の2次感染が起こりやすくなる為、細菌による化膿を防ぐため、水疱は破らないよう注意する。また、入浴に関しては医師の判断が必要とされる。
方言

帯状疱疹は身近な病気であり、日本各地に固有の方言名が存在する。

東北・北関東地方では「つづらご」「はくじゃ」、南関東では「ひっつらご」、中部地方では「つづらご」「おびくさ」、関西地方では「胴まき」「たすき」「おび」、中国四国地方では「胴まき」「けさ」「けさがけ」「けさよう」、九州地方では「胴巻き」「たづ」「へびたん」「たん」等という。
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b c “帯状疱疹の原因|帯状疱疹予防.jp”. 帯状疱疹予防.jp|帯状疱疹の原因から症状・予防について. 2022年5月1日閲覧。
^ a b c d e 渡辺大輔「新規帯状疱疹サブユニットワクチン」『IASR 』39 、国立感染症研究所、2018-08 、 1  40-144頁
^ a b 陽子, 三宅 (2022年5月17日). “若年層にも広がる「帯状疱疹」 コロナ禍で増加に拍車か”. 産経ニュース. 2022年5月18日閲覧。
^ “帯状疱疹の疫学|帯状疱疹は増加している|心斎橋ペインクリニック”. osaka-pain.com (2018年6月26日). 2022年5月18日閲覧。
^ 水痘が減ると帯状疱疹が増加 日経メディカルオンライン 閲覧:2009/10/16 記事:2009/10/13
^ Epidemiology of herpes zoster and its relationship to varicella in Japan: A 10-year survey of 48,388 herpes zoster cases in Miyazaki prefecture. Toyama N, Shiraki K; Society of the Miyazaki Prefecture dermatologists.J Med Virol. 2009 Dec;81(12):2053-8.


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