帯状疱疹後神経痛の治療法具体例として、以下のものが挙げられる。※印は保険適用外である。
薬物療法
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン)
抗うつ薬(三環系抗うつ薬のアミトリプチリンかSNRIのデュロキセチン単独、および神経ブロックの併用[25])。アミトリプチリンは、1961年に日本で薬価収載された抗うつ薬だが、2016年2月、「末梢性神経障害性疼痛」の効能が追加された[26]。
非オピオイド
アセトアミノフェン
非ステロイド系抗炎症薬 ※
プレガバリン、ミロガバリン(2013年2月より、効能は「神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛」)
オピオイド (トラマドール、トラムセット)
麻薬(コデイン、モルヒネ、フェンタニル)
漢方薬(補中益気湯[27]、桂枝加朮附湯など) ※
メキシレチン ※
局所療法
カプサイシン、アスピリン、硝酸イソソルビド、リドカインなどの外用薬 ※
神経ブロック
イオントフォレーシス ※
低出力レーザー[28][29] ※
ワクチンによる予防水痘ワクチン・帯状疱疹ワクチン詳細は「水痘ワクチン」を参照
前述の通り、帯状疱疹は潜伏感染している水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされるため、そもそも水痘に罹患しなければ、帯状疱疹は発症しない。水痘ワクチンにより、帯状疱疹を発症する例も存在はするが、非接種の場合と比較して非常に稀な確率である。
免疫抑制剤を使用することになった患者で、帯状疱疹ワクチン接種を受けた者、受けていない者を対照に前向きコホート研究を行った研究がある。結果は、帯状疱疹の発生率は免疫抑制剤使用後において、水痘ワクチン接種により、約42%低下した[30][31]。 2014年(平成26年)10月1日より、生後12月から生後36月に至るまでの間(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日)を対象とする水痘ワクチンが定期接種になった[32]。定期接種化後は水痘罹患者が、将来的には帯状疱疹発症者の低下が期待されたが、実際に定期接種化で乳幼児の水痘罹患が激減した[2]。なおワクチンによる免疫効果は、接種の3年から11年で減弱するとされている[8]。 日本でも2004年(平成16年)4月に接種対象者として「水痘ウイルスに対して免疫能が低下した高齢者」が追加され、2016年(平成28年)3月には効果・効能として「50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」と対象拡大されたが、費用は自由診療となる[2]。免疫力が落ちてくる60代以上の高齢者で、帯状疱疹を発症したことがない人には、帯状疱疹後神経痛を回避するためにも、水痘ワクチンの使用が推奨される。 アメリカ合衆国での研究では、水痘ワクチンを数万人の50歳以上の成人に接種することで、帯状疱疹の発症を対照群の半分に、主観的に痛みを残す人を3分の1に減らすことができたデータ[要出典]もある。2006年に、米国では60歳以上を対象とする帯状疱疹ワクチンとして承認された。このワクチンはいわゆる「水ぼうそうのワクチン(水痘ワクチン)」のことであり、1987年(昭和62年)3月に日本で承認された、大阪大学微生物病研究所が製造している水痘ワクチン「ビケン」である。 アメリカ合衆国のみならず、欧州連合など30カ国以上で「帯状疱疹の予防目的」で広く使われている。
日本
乳幼児への定期接種化
高齢者向け任意接種
欧米
サブユニットワクチンの開発と今後
Size:48 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef