放送は「こちらは広報(市町村名)です」や「役場(◯◯課)からお知らせします。」や「こちらは防災(市町村名)です」から始まることが多い。火災の場合はそのときの消防署員や役場職員の判断・自治体にもよるが、「只今、○○地区で□□火災が発生しました。」(最初にサイレン吹鳴や火災発生という文言を入れることもある)が一般的である。さらに、目標物からの方角と距離を放送したり、消防団の出動についての指示(「◯◯分団は直ちに出動してください」など)を行う場合もある。「防災(市町村名)」とアナウンスしたり、役場名から始まる地域もある[注釈 5]。遠方にある屋外スピーカーからの声が重なって聞き取りにくくなるのを防ぐため、語間を大きく空けてゆっくり話すのが特徴であり、機械音声の場合もある。複数のエリアに分割し、放送区域を時間差で切り替える手法もある(時差放送)。一部の市町村では放送内容を、コミュニティFMやケーブルテレビの自主放送(コミュニティ)チャンネルに提供することもある[注釈 6]。
アナログ方式やコミュニティFMでは放送開始前・終了後に、受信機器を操作するための信号が流れるなど、対策が練られている。 移動系防災行政無線は、防災情報の収集や、他の通信手段が途絶した場合に防災担当者間の情報伝達手段を確保する目的で設置されるシステムである。役場などに設置される基地局、山の上等に設置する中継局、移動局(簡単に持ち出しできる携帯型以外に、より大出力の可搬型(半固定型)や自動車搭載の車載型や車から取り外し可能な車携帯型もある)があり、移動局相互間の直接交信も可能である[1][2]。 平時・災害時を通じて、加入電話や携帯電話が使用できない場面で活用できるよう、数多くの市町村で整備されている。災害発生時には防災関係業務に優先して使用されるが、通常時でも役場・出先機関・現場との事務連絡に活用している自治体もある。 周波数帯はアナログ方式では150MHz帯・400MHz帯を使用している。
移動系