川越市
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また西郷真理子も川越の蔵造り保存運動に参画[22]、その経験を滋賀県長浜市黒壁スクエア香川県高松市丸亀町商店街などの大手商業資本に頼らない町おこしに生かした。西郷真理子はそうした市街地再生計画でフランスカンヌの「国際不動産投資見本市(MIPIM)」で「未来的プロジェクト賞」を日本人で初めて受賞した[23]

行政1988年(昭和63年)に「都市景観条例」を制定し、「歴路事業」として舗道の石畳化と電線類地中化を広範に進めた。政令指定都市さいたま市と共に景観法に基づく景観行政団体となっている。

旧市街地約7.8ヘクタールは、1999年(平成11年)に関東地方では2番目に、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定された(埼玉県内唯一の選定)。国の「都市景観大賞」も受賞。国が「古都保存法」施行40周年を記念して選定した「美しい日本の歴史的風土100選」にも埼玉県内から唯一選ばれている。2003年(平成15年)には「優秀観光地づくり賞」(総務大臣賞)を受賞。2008年に国が「歴史まちづくり法」を制定すると、埼玉県内で初めて川越市は長野県松本市などと共に2011年に同法の認定を受けた[24]。その結果、市が実施する「川越市歴史的風致維持向上計画」は国の補助事業となった。

民間では、読売新聞が選出した日本の「平成百景」や「遊歩百選」、毎日新聞の「ヘリテージング100選」に選ばれている。朝日新聞の会員サイト・アスパラクラブが「日本一の商家の町並み・暮らしの灯り」というテーマで実施した「お気に入りの町」人気投票では、岡山県倉敷市滋賀県近江八幡市に次いで全国3位、日本経済新聞の「散歩したい歴史ある町並み」ランキングでも山口県萩市岐阜県高山市に次いで全国3位に選出されている。2007年(平成19年)には、町並み保存が評価され「岩切章太郎賞」を受賞した。

市職員が制作した映像作品「蔵造り-まちづくりの明日を問う」は、「地方の時代映像祭」でグランプリを受賞、その賞金は「川越蔵の会」発足基金ともなった。1980年(昭和55年)に始まった「地方の時代映像祭」は、日本各地の人々の営みを記録したドキュメンタリー映像祭で神奈川県川崎市で誕生。その後は当市が開催を引き継いだ(現在は大阪府吹田市を会場にして開催されている)。

NHK総合テレビの「新日本紀行」は、1978年(昭和53年)に「小江戸残照?蔵造りの街・川越?」を放送。重厚な家並みと伝統の中で暮らす人々を描き、30年後の2008年(平成20年)3月8日には「新日本紀行ふたたび」で再度「小江戸?川越?」を放送。開発の激しい首都圏の中枢都市でありながら、古いものを大切にすることで独自の未来を切り拓こうと、風格ある町並みを守る川越市民の姿を描いた。

旧市街地は2004年(平成16年)に「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選定された。しかし川越一番街などは、大型バスを含め車の往来が激しく、観光客の増加で観光人力車まで通行し、歩行者に危険な状況である。また、車の振動や排気ガスが蔵造りへ深刻なダメージを与えており、かけがえのない文化財の保護の観点からも早急な対策が求められている。ヨーロッパ古都のように旧市街地から車の通行を排除すべきではないか、と当市のタウンミーティングで懸案として協議されている。休日日中の歩行者天国を望む声は市民調査でも圧倒的に多く[25]2009年(平成21年)11月7日から同月23日まで実際に試行もされた。一方では、埼玉県では23年ぶりの設置となる自転車通行帯の整備が旧市街地で進んでいる[26]

町並みの意識は、「大正浪漫夢通り」での保存コンペの実施、新市街地のクレアモールの空間や建築・街路樹の協定など、市域全体の町作りに広がっている。また当市の成功例はシャッター通り化に苦しむ全国の都市から町作りのモデルケースとされ視察も多い。

住宅団地

初雁団地

新宿町団地

川越西山住宅(笠幡)

川越北谷住宅(岸町)

川越岸町やまぶき住宅

川越久下戸住宅

川越月吉町団地

川越月吉町住宅

川越今泉住宅

川越今福住宅

川越山田住宅

川越小中居住宅

川越小堤住宅

川越東坂上住宅 (新宿町)

川越神明町住宅

川越仙波町住宅

川越的場住宅

川越藤原住宅

川越南大塚住宅

川越グリーンパーク(古谷上)

ファミリータウン春日(小堤)

住友川越霞ヶ関分譲地(現・上戸新町)

東急霞ヶ関ニュータウン(現・霞ヶ関東2?5丁目)

かわつる三芳野団地

川鶴団地

いせはら団地

霞ヶ関角栄団地 - 角栄建設(現・
ジョイント・レジデンシャル不動産)造成の団地

URむさし緑園都市 川越・鶴ヶ島地区(かわつるグリーンタウン)

URむさし緑園都市 霞ヶ関地区(川越ニューシティいせはら)

観光

「世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われ、年間700万人(2016年)の観光客が訪れる。NHK大河ドラマが「春日局」、「葵 徳川三代」、「義経」、「風林火山」など、当市に関係する内容になると観光客が増えている。

海外から来日した国賓にも日本の代表的な町並みとして紹介されており、2007年3月28日には上皇明仁夫妻がスウェーデン国王カール16世グスタフ夫妻を案内し、西武新宿線お召し列車行幸した。

国土交通省観光ルネサンス事業に指定され、外国人富裕層の誘致促進の観光振興策を実施している。外国人観光客向けプロモーションビデオのコンペ「小江戸川越ビデオ大賞」も行い、優秀作は海外に配信している。東京近郊で交通至便、江戸情緒を実体験できる町として人気で、外国人観光客は年間4万人超となっている[27]韓国MBCの人気番組「私たち結婚しました」のロケ地となるなど、外国メディアに登場することも増えている。

2008年2月からは、川越商工会議所を中心に小江戸川越検定が行われており、市外からも多くの人が受検している。また(川越絹平)や唐桟(川唐)の大産地であったことから毎月18日を「川越きものの日」として町興しを行っており、着物姿だと各博物館や旧市街の指定商店での買い物が割引になる。

観光案内所川越市観光案内所は、埼玉県初のビジット・ジャパン案内所で、川越駅構内と川越一番街にある。

レンタサイクルフランスパリヴェリブと同様の自転車先進貸出システムである「川越市自転車シェアリング」が実施されている。


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