川北紘一
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[要出典]また、同年11月から12月にかけて大森一樹大阪芸術大学映像学科と共に制作した『装甲巨人ガンボット』がテレビ大阪で放送され[34]、これが遺作となった[7]

2015年(平成27年)2月7日、東宝スタジオ第6ステージにて「川北紘一監督お別れの会」が催された[35]。発起人は東宝社長の島谷能成バンダイ社長の上野和典が務めた[35]
人物

子供のころから、近所の東映の映画館で番落ちの白黒時代劇映画に親しんだ[出典 12]。親戚に映画関係者が多く[20][26]、封切りの東宝映画はチケットを回してもらって観ていたという[22][20]。そんな折に観た総天然色の『地球防衛軍』の華麗な特撮に強い感銘を受け、特撮に興味を持ったと語っている[出典 13]

撮影技師志望だったが、入社後は主に合成を担当したほか、飯塚定雄のもとで怪獣や超兵器の出す光線アニメーションの作画を担当し、『怪獣大戦争』(1965年)のAサイクル光線車やX星円盤、『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966年)のメーサー車の光線などを手掛けた。光学合成時代について川北は、光学撮影は合成を含めたクリエイティブな仕事であることを理解し、その重要性を発見したと述懐している[28]。合成から助監督へ移った理由については、オプチカル作業により目を悪くしたためと述べている[26]

映画の現場に携わっていた人間として、当初はテレビをバカにしていたこともあったが、助監督を務めた『帰ってきたウルトラマン』(1971年)で「テレビでもこんなことができる」と感心し、特殊効果を活かせる作品があることが嬉しかったという[29]

チーフ助監督を務めた『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)では、ロボット怪獣メカゴジラの武器である「フィンガーミサイル」や、頭を回転させて発生させる「ネオ・ディフェンス・バリアー」などの名称アイディアを発案した[出典 14]。同作品では、合成を手掛けた『ウルトラマンA』(1972年)で培った光線表現も応用している[37]。フォース助監督であった浅田英一によれば、川北は合成に神経を使っており、合成担当の宮西武史にダメ出しを行うこともあったほか、宮西も川北は出来上がりに満足できないと自ら手を出そうとしてくるのでプレッシャーであったと述べている[38]

思い出深い作品として、最初にゴジラシリーズの特技監督を務めた『ゴジラvsビオランテ』(1989年)と同シリーズで最後に手掛けた作品となった『ゴジラvsデストロイア』(1995年)を挙げている[11]

ゴジラシリーズを担当してきたが、「平成ガメラシリーズ」なども高く評価している。ただし、カメのキャラクターは好きではないらしい[39]

自身の手掛けた平成期の特撮シリーズについては、ゴジラやモスラばかりでなく過去の東宝特撮のようにバラエティ豊かな作品を作らなければならなかったと述懐している[6]

ゴジラシリーズでは、キャラクター展開にも積極的に携わっており、タイアップCMの撮影を精力的に行っていたほか[40]、出版社や玩具メーカーにも協力的で、自ら商品データを制作してバンダイへ持ち込んだこともあった[41]

古物・骨董の収集が趣味で、スタッフ間でも広く知られていた[42]。『ゴジラvsデストロイア』のロケで香港へ赴いた際には、骨董品店を覗いていた川北が動こうとしなかったため、ロケバスが発車してしまっていたこともあった[42]
作風

独特な手法から、「特撮の鬼」の異名で呼ばれることもある[43]。ゴジラ映画や超星神シリーズなどでは、スタジオ内にスモーク(白煙)を張った上で怪獣を逆光で撮影し、怪獣のシルエットを浮かび上がらせるという手法を多く用いており、ファンの間では「川北後光」と称されている[44]。「金粉」のきらめきを画面効果として好み[39][45]、『ゴジラvsビオランテ』や『ゴジラvsデストロイア』などで、ゴジラや怪獣が消滅するといった描写で多用している[注釈 7]。東宝プロデューサーの富山省吾は、『vsデストロイア』でのゴジラが死ぬシーンは、これら川北のテクニックをすべて投入していたと評している[48]

「怪獣はプロレスごっこのような肉弾戦をしないだろう」という考えから、怪獣同士が取っ組み合うような格闘演出を排除し、目や口、触覚などからの光線技の応酬を多用する[出典 15]ため、「川北特撮=光線の打ち合い」などと揶揄する声もある[51]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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