岸田森
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趣味は蝶の収集・採集、スコッチ・ウイスキー収集、油絵、シナリオ、ゴルフ、野球、植草甚一の影響によりジャズ鑑賞[注釈 8]。特技は剣道(3段)。

大の酒好きとして知られるが、飲んでも人格が変わるようなことはなかったとされる[15]。『ファイヤーマン』では、共演者の睦五朗と組んで助監督を巻き込み飲みに行けるスケジュールにさせていたという[15]。睦は、当時ウイスキーをボトル1本半を飲まなければ収まらなかったが、岸田の酒量はそれを上回るものであったと証言している[12]。岸田は朝から酒を飲んでいることが多く、新幹線の一番列車に乗り込む際も岸田はビールを片手に走ってきていたという[12]

嫌いなものは牛肉で、付き合っていた女性にも自分の前では牛肉を食べないように約束させるほどであった[15][12]。岸田が長期ロケに出ていた際に交際相手はステーキを食していたが、偶然岸田が早く帰宅してそのことに気づくと、岸田は怒り狂って家を飛び出しそのまま帰らなかったこともあったという[12]

『ファイヤーマン』で共演した睦によると、同作の放映時期、趣味の蝶の標本採集が高じ、たびたび東南アジア方面へ採集旅行に出ているが、旅行慣れした睦は岸田にいつもせがまれて同伴させられていたという。採集旅行先は台湾が多かったとのことだが、その際の岸田の服装が「迷彩色の上下にゲートル巻」といった軍装まがいのものだったため、毎回の旅行のたびに行方不明となり、決まって警察に不審者として拘束されているのがオチだったという[15]。「とにかく警察に捕まらなかったときがない」と睦も当時を述懐し、岸田を「奇人でした」と評している[12]。蝶の標本コレクションは、そのまま展示館が開けるほどのものだった。蝶に関連して、蛾の「節操のなさ」を挙げ、岸田は「モスラが好き」ともコメントしている。蝶の色彩とも関連付け、「ウルトラマンの顔も、じっと見てると蝶々に思えてくる」とも語っている。蝶の収集は1974年の時点で、自宅に2000頭の蝶を収集していた[4]。蝶を捕る際の服装に関して、「あまり服装に凝ると仲間にからかわれるので、素直な格好で出かけることにしている[4]」とコメントしている。また、蝶が出没するならばと、どんなロケ地でもいとわず、「(蝶採集に時間が費やせるため)すぐに殺される役の方がありがたい」とさえ語っている[4]
交友関係

草野大悟とは文学座以来、生涯の親友であり、盟友。

特捜最前線』で岸田と兄弟役を演じた藤岡弘、は、岸田について俳優として人間を演じることを追求していたといい、優しく思いやりがあり、俳優としてのヒントをさらっと教えてくれるよい先輩であったと述懐している[16]

テレビドラマプロデューサーの宍倉徳子とは、宍倉がスクリプターを務めていた『曼荼羅』(1971年)で暴れた岸田を宍倉がなだめた縁で親しくなり、宍倉がプロデューサーとなった際には宍倉の作品には全部出ると述べ、実際に多くの作品に出演した[17]。『可愛い悪魔』(1982年)では、ガンにより声が出なくなっていたが、しゃべることのできない役に変更してまでも出演している[17]

『ファイヤーマン』では主演の誠直也(佐賀出身)のなまりがきつかったため、少しでもセリフの言い回しが違うと撮影の段階で芝居をとめて無言の指導を行ったという。岸田は「俺はいつお前(誠)に殴られるかと冷々だった」と語っていたが、逆に誠は「当時はつらかったが、あのときの岸田さんの指導があったからこそ、今の自分がある」と感謝の意を表している[18][注釈 9]

睦は岸田の入院中に同じ病院に入院していたこともあり、回復した睦は病院に要望して面会謝絶の岸田を見舞った[12]。その際の岸田は、枯れ木のようにやせ細った姿で、声も出せないほど弱っており、睦は見ていられない姿であったと語っている[12]。しかし、岸田の体力を気遣って帰ろうとする睦を岸田は力強く握りしめて放そうとせず、睦が去る際にも力を振り絞って声を挙げていたという[12]。睦は、師である三好の戯曲『炎の人』を制作し岸田がゴッホを演じることを約束していたが、見舞いの直後に岸田は死去し、約束が果たされることはなかった[12]。睦は、岸田の悲壮な死に様にしばらくの間立ち直ることができなかったという[12]
出演作品
映画

放浪記(1962年、東宝

喰べた人(1962年、大林宣彦と藤野一友の自主制作)

二匹の牝犬(1964年、東映

世界詐欺物語 日本篇(1964年、東宝)- 宝石店の従業員

渡世一代(1965年、日活) - 銀次

水で書かれた物語(1965年、日活) - 松谷高雄

斜陽のおもかげ(1967年、日活) - 谷山圭次

斬る(1968年、東宝) - 荒尾十郎太[注釈 10]

狙撃(1968年、東宝) - 深沢

弾痕(1969年、東宝) - 楊(中共側工作員)

赤毛(1969年、東宝) - 番頭左右吉

座頭市と用心棒(1970年、東宝) - 九頭竜(跡部九内)

白昼の襲撃(1970年、東宝) - 鳴海

玄海遊侠伝 破れかぶれ(1970年、大映) - 桜井義三郎

おんな極悪帖(1970年、大映) - 太守

七月の兵隊(1970年、自主制作)

東宝8.15シリーズ(東宝)

激動の昭和史 軍閥(1970年) - 高倉記者

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年) - 目軍医大尉[19]


銭ゲバ(1970年、東宝) - 新星

狐のくれた赤ん坊(1971年、ダイニチ映配) - 勝谷栄之進

いのちぼうにふろう(1971年、東宝) - 由之介

曼陀羅(1971年、ATG) - 真木

血を吸うシリーズ

呪いの館 血を吸う眼(1971年、東宝) - 影のような男[9]

血を吸う薔薇(1974年、東宝) - 学長[20]


百万人の大合唱(1972年、東宝) - 宮原

子連れ狼(東宝)

子連れ狼 三途の川の乳母車(1972年) - 左来馬

子連れ狼 親の心子の心(1972年) - 孤塚円記


哥(うた)(1972年、ATG) - 森山康

高校生無頼控(1972年、東宝) - 村木鉄人

にっぽん三銃士 おさらば東京の巻(1972年、東宝) - 森川副部長

夕映えに明日は消えた(1973年、東宝) ※未公開

御用牙 かみそり半蔵地獄責め(1973年、東宝) - 本多麟太郎

化石の森(1973年、東宝) - 辻

あさき夢みし(1974年、ATG) - 阿闍梨

青葉繁れる(1974年、東宝) - 教育委員

ゴジラ対メカゴジラ(1974年、東宝) - 南原[19]

修羅雪姫 怨み恋歌(1974年、東宝) - 菊井精四郎

鬼輪番(1974年、東宝) - 玄海

ロスト・ラブ あぶら地獄(1974年、日活) - 鳴海修

樺太1945年夏 氷雪の門(1974年、東洋映画) - 田尻中佐

吶喊(1975年、ATG) - 仙田勇之進

櫛の火(1975年、東宝) - 田部

黒薔薇昇天(1975年、日活) - 十三

はつ恋(1975年、東宝) - 木村

エデンの海(1976年、東宝) - 松下先生

続・人間革命(1976年、東宝) - 黒川

ひとごろし(1976年、松竹) - 加納平兵衛

歌麿 夢と知りせば(1977年、日本ヘラルド映画) - 喜多川歌麿


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