岸和田だんじり祭
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寛文期の城下拡張の際にもと沼村領内にできた新屋敷である並松町を除き「五町」とも称される。

南町、本町、堺町、(魚屋町)、北町


浜方 - 城下建設により分断されたもと岸和田村の浜側にあたり、「浜七町」とも称される。中町は海に面しておらず本町とともに町曲輪の内に位置するが浜方庄屋である高井氏の居住地であり浜村の行政中心地である。

中町、大工町、中之濱町、紙屋町、大手町、中北町、大北町


村方 - 城下と浜町を分離した後の岸和田村にあたる。もと岸和田村の氏神社が城内に取り込まれた経緯から、宮入り(城入り)は村方から行う。ただし、南上町は新規参入の為くじ引き。

五軒屋町、宮本町、(野田町)、上町、南上町、(岸城町)

上記の他は、沼村、野村、藤井村、別所村(→沼野村)、春木村の一部といった岸和田近郷の村および城下の並松町となり、現在は天神地区と称している。
氏神社

岸城神社 - 中央地区と浜地区

宮入順は宮一番・宮本町、宮二番・上町、宮三番・五軒屋町は固定、他はくじ引き。


岸和田天神宮 - 天神地区(春木南を除く)

宮入順は天一番・沼町、天二番・筋海町は固定、他はくじ引き。


弥栄神社 - 春木南

番外一番・春木南の宮入が春木地区の宮入に先立って行われる。


祭の特徴

1日目(宵宮)の朝6時、市役所から流れるミュージックサイレンを合図に各町のだんじりが大阪臨海線岸和田港交差点(通称「カンカン場」。岸和田カンカンベイサイドモール前)を目指して一斉に出発する「曳き出し」で幕を開ける。午後1時からは岸和田駅前にてパレードが行われる。

2日目(本宮)の午前7時から弥栄神社、午前9時30分から岸城神社、午前10時から岸和田天神宮で「宮入り」が行われる。なかでも、かつて「城入り」と呼ばれた岸城神社の宮入りでは、岸和田城北大手門跡(岸和田本町交差点)からこなから坂を一気に駆け上がっての豪快な「やりまわし」が行われ、祭のハイライトのひとつとなっている。なお、岸城神社の宮入りを終えただんじりは岸和田城東大手門跡(城見橋交差点)から城を出る。

宵宮は午後7時から10時頃まで本宮は午後7時30分頃か11時頃までの間は「灯入れ曳行」(ひいれえいこう)が行われる。約200個の赤い駒提灯に照らされただんじりが老若男女問わず楽しめるよう歩行曳行され、昼間の「動」に対し、雅やかな「静」を演出する。

比較的道幅が狭い紀州街道には、年番本部前の交差点(通称「小門」「貝源」)、堺口門跡・内町門跡の枡形(通称「S字」)といった「やりまわし」の見せ場がある。テレビ番組でよく取りあげられるだんじりが家屋を破壊する映像は大抵がこれらの箇所で発生する。

パレード、夜間の灯入れ曳行では全町岸和田駅前へ上がるが、基本的に紀州街道と大阪臨海線の間を周回する。この基本となる周回コース内は、宵宮のパレード後と本宮の午後においては事実上立ち入りが不可能になるほどの観客数に達する。そのため、紀州街道から浜手への移動が菊右衛門橋 - 欄干橋間において規制され、岸和田駅からの移動では大幅な迂回が求められる。だんじりはカンカン場の渋滞を避けて南北に分散することが多くなってくるので、紀州街道の南下(歴史的まちなみ保全地区をだんじりが通る)や浜地区の周回(やりまわし有)を見るなら蛸地蔵駅、大阪臨海線の北上(帰町せずここで休憩を取るだんじりが多い)を見るなら和泉大宮駅からの移動が早い。

主婦は直接に祭礼にはかかわらないが、特に本家の場合などは親戚・縁者が大勢押し寄せるため、男性以上に忙しくなる場合がある。料理に関しては、ワタリガニシャコを大量に湯がいたり、関東煮おでん)を大量に作ったりする。
岸和田だんじり会館岸和田だんじり会館

岸和田城西大手門跡(岸城町交差点)の北側、岸和田城二の曲輪と町曲輪を隔てていた堀の埋立箇所に立地し、北側に岸和田市営駐車場が近接する。

紀州街道に沿ったかつての岸和田城下の街並を館内全体で再現しつつ、だんじりと祭に関する資料が豊富に展示してある。また、岸和田市内の他のだんじり祭春木東岸和田・南掃守・八木・山直・山直南・山滝)も取り扱っている。

展示内容

大型マルチスクリーンによる「だんじり祭ハイライト上映」。

江戸から明治にかけてのだんじりの実物を展示。

だんじりの頂上目線で撮影された3D映像。偏光メガネをかけて鑑賞する。

江戸時代からの各種資料・だんじりの彫り物などの展示。


アクセス

岸和田駅より徒歩10分

蛸地蔵駅より徒歩8分


祭を巡る出来事
事故など

大勢で勢いよく山車を走らせる都合上、曲がり角を巧く曲がりきれず、家屋に接触して毎年のように破損事故を起こすことで知られる。また、大変有名な祭であることから大阪府内のみならず、近畿全域、全国各地、海外からも多数の見物客が訪れるため、見物客が接触事故に巻き込まれて怪我をすることも多く、死亡者を出すことも少なくない。実際、岸和田だんじりを含む関西各地のだんじりを通して2023年現在において直近10年間で10人の死者を出しており、単純平均すれば毎年1人は死亡者が出ていることになる[6]。中でも岸和田はだんじりの本場であることから特に過激であり、地元でも賛否がある。
桟敷席の返金問題

2018年の開催分について、だんじりがカーブする名所である『カンカン場』付近に、有料の桟敷席が設置される予定だったが、運営会社の大阪文庫は、台風21号の影響で資材を確保できなかったとして設置を中止した。この桟敷席については、1,000 - 1万円程度で発売された模様だが、大阪文庫は返金に応じず、当初は10月以降に返金するとしていたが、その後同社は閉鎖され、電話も通じなくなっている模様である。岸和田市には苦情の電話が殺到しており、大阪府警察も情報収集を進めている[7]
脚注[脚注の使い方]^ “岸和田だんじり祭、3年ぶり制限なく始まる「今年は一層気合が入っている」18日まで開催”. 日刊スポーツ (2022年9月17日). 2022年9月17日閲覧。
^ 『岸和田市史』第三巻、「だんじり祭関係資料集」
^岸和田祭の起源岸城神社
^ 清原和博、岸和田の神社から絶縁宣言 イメージ払拭狙い?週刊新潮 2017年7月27日号
^ 大阪市東大阪市大阪狭山市南河内郡太子町奈良県大和高田市和歌山県橋本市香川県坂出市などにも下だんじりを購入し、曳行している町がある。


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