岩波文庫
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創刊当初は、カバーではなく、活版印刷・糸かがり・天アンカットスピン(栞ひも[注 7])付き・グラシンのカバー掛け等の造本で[2]、本体の背が現在のものより1センチ高く作られていた。1960年代頃から他社の文庫はカバー導入を行ったが、岩波文庫でのカバー導入は遅く、カバー付文庫版の初登場は1982年(昭和57年)10月であった。

1987年(昭和62年)7月の新刊からは全てにカバーをかけ、背表紙の帯色で分野明示となった。1990年(平成2年)から年2回の一括復刊にもカバーをかけている。製本工程において天部(本の上部)を化粧裁ちしていない[注 8]
分類

カバーの背表紙下側(かつては帯)の色によって大きく5つのジャンルに分けられている。1974年(昭和49年)までは、下位分類は刊行順を基礎とするものであったが、1974年(昭和49年)から著者番号によって小さなジャンルに分けられる方式を採用した。しかし、当初は移行期ということで、帯の背には旧来の刊行順の番号を付けていた。全面的に著者番号を導入したのは1976年(昭和51年)からであり、帯にも著者別番号を記載することになった。

また、本体には、1974年(昭和49年)までは通算した星の数が、番号として記載されていた[注 9]が、1974年(昭和49年)の新刊・重版からは著者番号に統一された。これは6ケタの数字で構成されるのが基本となっている[注 10]

小さなジャンルでは著者番号が原則99人分しか確保されていないことになるが、既に満席となった赤帯500番台のフランス文学や青帯100番台の近代日本思想などでは、著者番号の前に「N」を付けることで著者数が拡張されている。

分類表帯の色著者番号ジャンル
青帯(33)1-99日本思想(前近代)
100-199日本思想(明治以降)
201-299東洋思想
301-399仏教
401-499歴史地理
501-599音楽美術
601-699哲学
701-799教育
801-899宗教
901-999自然科学
黄帯(30)日本の古典文学。江戸時代まで。
緑帯(31)日本の近現代文学
白帯(34)1-99法律政治
101-199経済
201-299社会
赤帯(32)外国文学
1-99東洋文学
101-199ギリシアラテン文学
201-299イギリス文学
301-399アメリカ文学
401-499ドイツ文学
501-599フランス文学
601-699ロシア文学
701-799南北ヨーロッパ文学 その他

この他、解説総目録や文学案内などの別冊(35)がある。

なお、赤・青・白間で時期によって収録作品の分類が変わっていることがある[注 11]

佐藤正午直木賞受賞作『月の満ち欠け』は「岩波文庫に収めるには新しすぎる」という理由により「岩波文庫的」というレーベルで似た装丁の文庫版が出版された。
ISBNコード使い回し問題

岩波文庫のISBNコードは、上記の著者別分類番号の6ケタをそのまま転用しているものが基本であるが、古典文学の注釈者や外国作品の翻訳者が異なるもの(つまり、同一の校訂者や翻訳者による改訂・改訳の領域を超えているもの)であっても、岩波文庫では同じ著者別番号を使用するとともに、ISBNコードを使い回すことがあった。

たとえば、佐佐木信綱 編の新訂『新訓 万葉集』上巻のISBN‐10は「.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-00-300051-X」である。「新日本古典文学大系」を文庫版にした『万葉集(一)』(佐竹昭広山田英雄工藤力男大谷雅夫、山崎福之 編)のISBN‐13は「ISBN 978-4-00-300051-9」である。
ISBN‐10の「ISBN 4-00-300051-X」をISBN‐13に変換すると「ISBN 978-4-00-300051-9」になるので、ISBNコードは同じものを使っているということになる。両者とも『黄5-1』という分類番号が与えられ、表紙には『30-005-1』と横書きで、背表紙には『黄五?一』と縦書きで表示されている。

そこで、大学図書館の検索システムなどでは、国立情報学研究所が付与したNII書誌IDNCID)(これは非常に粒度が細かい番号付けを行っている)を用いて、前者の新訂『新訓 万葉集』上巻にはNCID BN02932172を、前者の新訂『新訓 万葉集』上巻〈特装版、1997年刊〉にはNCID BA30109498を、後者の『万葉集(一)』にはNCID BB11320467を、(新訂ではない)改訂再版『新訓 萬葉集』にはNCID BN01004385を割り当てるなどして区別している。


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