岩手県
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さらに、近年は国際リニアコライダーを軸とした国際学術研究都市構想を表明している[25]

貯蓄率が極めて高いことで知られる。地方の県としては珍しく、県内に3行の地方銀行第二地銀を含む)を持ち、保有する金融資産は4兆円以上に達する。県民の貯蓄率は39%で、東北地方平均の25%、全国平均の16.5%を大きく上回り、東北では宮城県に次いで2位、全国でも9位の高率を保つ[26]

岩手県内の市町村の域内総生産(単位: 100万円)市町村名[27]広域振興圏名[27]2014年度[27]2015年度[27]2016年度[27]2017年度[27]
盛岡市県央1,075,0771,082,4271,053,2211,052,324
八幡平市91,82385,64586,71187,377
滝沢市126,355130,206120,435121,066
雫石町54,95554,74551,29751,915
葛巻町21,31323,43720,03020,370
岩手町41,79639,94938,19537,285
紫波町84,93084,70582,99784,123
矢巾町120,279137,131124,796148,397
花巻市県南337,090333,772330,650317,143
北上市376,158378,560372,329401,422
遠野市100,755109,40396,021106,452
一関市380,553388,498375,927377,680
奥州市364,164384,323398,170403,685
西和賀町20,62421,81418,58718,957
金ケ崎町112,03284,74883,732138,070
平泉町22,18824,12124,55823,046
宮古市沿岸241,241263,401265,017252,145
大船渡市207,410207,908179,184170,532
陸前高田市93,15484,99381,40066,234
釜石市193,596201,952172,929188,599
住田町18,11217,98520,51021,913
大槌町46,67943,69541,98944,200
山田町59,29270,52572,72461,777
岩泉町41,77841,69235,85839,650
田野畑村17,63121,67015,96117,829
久慈市県北133,387134,011128,151128,956
二戸市103,241101,549100,69599,599
普代村11,05212,78514,74516,134
軽米町28,30928,67627,40827,458
野田村21,35524,32120,57720,827
九戸村19,05819,75220,03620,852
洋野町44,30746,46542,30647,057
一戸町37,80838,04837,78438,162

産業
農林水産業

2006年(平成18年)農林水産統計によると、農業産出額は2,544億円。食料自給率は106%であり[28]北海道青森県秋田県山形県などとともに、自給率100%を超える数少ない県の一つである。広大な面積と、山岳に囲まれた地形のため、地域によって気候が大きく異なる所があり、特性に応じてさまざまな形態の農業が営まれている。コメの品種は「ひとめぼれ」などが多かったが、2000年代以降県内の気候に適した2品種「銀河のしずく」と「金色の風」を相次いで投入した。米以外の穀物では花巻市を中心に雑穀の生産が有名。畜産も盛んでありブランド牛肉である前沢牛のほか、青森県との境に近い北部を中心にブロイラーの生産が盛んであり、九州南部に次ぐ大産地となっている。かつての北上山地では焼畑農業が盛んであったため[29]、これが後述のアカマツの多さなどほかの産業にも影響を与えていると見られている。

林業では幹が通直で高品質なアカマツが有名で県の木としても指定されている。特に北上山地や三陸沿岸北部のアカマツは品質が高く南部赤松と呼ばれ、秋田のスギや青森のヒバと並ぶ北東北のブランド木材である。アカマツが多いことからアカマツと共生するマツタケの出荷も多く、2010年代以降は長野県と並ぶ2大産地の一つとなっている[30]。一方でアカマツの致死性の伝染病であるマツ材線虫病(松くい虫)の北限地域であり徐々に被害が拡大していることから影響が懸念されている。住宅構造の変化により梁や柱を見せなくなったことや伝染病の流行により高級アカマツ材の市場が減少していることなどから、尾根沿いにはアカマツではなくカラマツを植えることも増えてきている。全国的に高級木材として知られるヒノキは天然分布せず、寒冷地であり漏脂病という致命的な病気のリスクが高いことから沿岸南部を除いて植栽されることもない。アカマツ以外にはミズナラを中心としたブナ科広葉樹による木炭の生産でも知られ、木炭では特に黒炭の生産量が全国一である。こちらもナラ枯れと呼ばれるミズナラに致死性の伝染病が県内でも確認されている。県北部の二戸市(旧:浄法寺町)ではウルシの栽培が盛んで樹液を精製したの国内最大の産地となっている。県が木質バイオマス事業などの自然エネルギー活用に熱心なこともあって、生産高188億円(2005年(平成17年))と、全国5位の数字を出している。

農林関係の国の研究機関が立地していることでも知られ、農林水産省管轄の東北農業研究センター森林総合研究所東北支所はいずれも盛岡市郊外にある。

水産業では、三陸海岸周辺が、黒潮による豊かな漁場として知られている。リアス式海岸の岩礁は、ワカメ海苔といった海藻類の養殖にも適しており、ワカメとあわびの養殖で、生産高全国1位の規模を持つ。カキ(牡蛎)ホヤの養殖も盛ん。珍しいものでは陸前高田市広田湾におけるエゾイシカゲガイ養殖が知られる。流通量が少なく高値で取引される。
商工業

製造品出荷額は2兆1000億円で、東北地方では福島県(全国順位19位)、宮城県(同24位)、山形県(同28位)に次いで4位(同31位)である。

長らく主要な産業新日本製鐵(現:日本製鉄釜石製鉄所釜石市)、太平洋セメント大船渡工場(大船渡市)ほどしかなく、政府の救済策を求めたこともあったが、1982年(昭和57年)に東北新幹線大宮・盛岡間が開業すると、企業誘致が徐々に進展した[18]1993年(平成5年)に関東自動車工業金ケ崎町)(現・トヨタ自動車東日本岩手工場)が進出して以来、製造業は大きく進展し、県民所得は全国40番台後半から、30番台まで向上した。このほか、県南には富士通塩野義製薬東芝などの工場が立地する。

特に、2008年(平成20年)2月に決定された東芝フラッシュメモリ工場の北上市への建設は、波及効果を合わせると1兆円程度の経済効果があるとされ、県は法人事業税減免や低利融資などを通じて、これを後押しするとしている。東芝が「行政からの融資措置だけでなく、質の高い人材の確保が容易なことが決め手になった」とし、「金のかからない新しい産業誘致モデル」として注目された[31][32]。工場新設に当たって、北上市はこれまでに蓄積した企業誘致と合わせて、法人市民税固定資産税の大きな増収が見込まれることから、国から地方交付税の交付を受けない「不交付団体」への昇格を果たすことになった。岩手県では、かつて製鉄業が隆盛を極めていた時代に釜石市が不交付団体となっていた前例があり、「それに次ぐ快挙」(2008年(平成20年)2月・岩手県知事定例記者会見)と評された。

自動車産業に関しては、トヨタ自動車が、東北地方を新たな生産拠点とする意向を示しており[24]、すでに金ケ崎町に立地する自動車工場も、現行より10万台増の25万台生産規模まで拡大されることが決まっている。自動車関連産業の集積を進めるため、岩手県は、トヨタ自動車東日本が進出している宮城県や山形県、福島県などと連携して、今後も誘致活動を展開していくとしている。
県内に拠点を誘致した主な製造業

この節の加筆が望まれています。

盛岡市


美和ロック

八幡平市


アステラス東海(旧東北山之内製薬)

岩手郡雫石町


小岩井乳業

セイコーインスツル

花巻市


リコー


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