内陸部は年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。内陸北部や高原地帯は湿潤大陸性気候に属し、寒さが非常に厳しい。特に藪川は冬季に-30°C近くまで冷え込むこともある本州最寒地として有名である。沿岸部は海洋性気候で夏は冷涼である。
県内全域が豪雪地帯に指定されているものの、降雪量には地域差が大きい。西和賀町と八幡平市旧松尾村は降雪量がかなり多く、特別豪雪地帯に指定されている。奥羽山脈沿いは、降雪量が多く雪質も良いため、いくつかのスキー場でスキーやスノーボードの国際大会や国内大会が開かれることもある。一方、沿岸部に位置する宮古市、大船渡市などは降雪量が少ない。
太平洋側の盆地である北上盆地は、冬季の西高東低の気圧配置になると奥羽山脈が「壁」の役割をはたして晴天になることが多い。そのため、放射冷却によって早朝の最低気温が低くなる。北上盆地に位置する盛岡市は、より北に位置する札幌市や青森市などの都道府県庁所在地よりも最低気温を下回ることが多く、都道府県庁所在地で最寒都市である日が多い。実際、北上盆地の各都市(盛岡市、花巻市、北上市、奥州市)は今でも厳冬期に気温が-15°C前後まで下がることは珍しくない。しかし、冬季の深夜・早朝は市街地と郊外の気温差が非常に大きく、盛岡、北上、一関を中心にヒートアイランド現象が顕著に見られる。
北上盆地の夏は、フェーン現象の影響で、南にある仙台市よりも最高気温が高いことがしばしばあるが、沿岸部は仙台市と同様の気候となることが多い。
岩手県内各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
)平年値