山陽本線
[Wikipedia|▼Menu]
かつては東京京阪神関西)と中国地方九州を結ぶ長距離旅客列車が運行されていたが、山陽新幹線の開業後は長距離旅客輸送の役割を同新幹線に譲り、並行する山陽本線の旅客輸送は地域輸送中心の体制に移行している。全線を走行する定期旅客列車は現在、存在せず、倉敷駅 - 門司駅間には特急列車は走行していない。一方、日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車は全区間で運行されており、ほとんどの貨物列車が東海道本線と直通運転している。

神戸駅 - 姫路駅間には、直通している東海道本線の大阪駅 - 神戸駅間とともに「JR神戸線」の愛称がつけられている[注釈 2]。大阪駅 - 姫路駅間は阪神間および兵庫県南部(播磨地域)の都市間を結ぶ主要路線であるJR神戸線として一体的な運行がなされ、12両編成の新快速が高速・高頻度運転を行なっている。JR神戸線区間は基本的に姫路駅以西とは大きく運行形態が異なる。また、神戸駅 - 相生駅間と和田岬線が旅客営業規則の定める「大阪近郊区間」、神戸駅 - 西明石駅間が「電車特定区間」に含まれる。神戸駅 - 西明石駅間は、東海道本線(琵琶湖線)の草津駅滋賀県草津市)から続く複々線となっており、草津駅 - 西明石駅間の複々線の距離は120.9 kmと日本最長である。複々線区間では主に新快速特急・貨物列車が列車線を、快速列車と普通電車が電車線を走行する。

中国地方の広島エリアの区間にある「瀬野八」と呼ばれる瀬野駅 - 八本松駅間は、22.6の勾配と半径300mの急曲線が散在しているため、スピードアップの大きな障害となっている(沿線風景の三原駅 - 広島駅間も参照)。

神戸駅 - 下関駅間と和田岬線のJR西日本区間全線がIC乗車カードICOCA」の利用エリア[6][7]、下関駅 - 門司駅間がJR九州のIC乗車カード「SUGOCA」の利用エリア(福岡・佐賀・熊本・大分エリア)となっている。ただし、ICOCA定期券を除いてICOCAエリアとSUGOCAエリアとをIC乗車カードでまたがって利用することはできない。

ラインカラーは、JR神戸線区間にはJR西日本のコーポレートカラーである「青」が設定されており、姫路駅以西には特に設定されていなかった[8]が、公式サイトの近畿エリア路線図には、姫路駅 - 上郡駅間もJR神戸線と同じ青で表現されていた[9]岡山支社では「緑」、広島支社では「青」が、それぞれ自支社独自のラインカラーに設定されていたが[注釈 3]、2014年度から路線記号の導入に合わせて広島支社エリアでもJR西日本としての公式なラインカラーが設定されることになり、ラインカラーと路線記号として、神戸駅 - 上郡駅間に青(■) A 、白市駅(後に糸崎駅まで延長) - 広島駅間に緑(■) G 、広島駅 - 岩国駅間に赤(■) R がそれぞれ設定された[10][11]。このうち、海田市駅 - 広島駅間は呉線の列車が乗り入れるため、重複して黄(■) Y が、広島駅 - 横川駅間は可部線の列車が乗り入れるため、重複して青(■) B が付与されている。

2016年3月26日からは岡山支社エリアでもラインカラーと路線記号として、三石駅 - 岡山駅間(既存の「A」区間との境界は上郡駅)に黄緑(■) S 、岡山駅 - 福山駅間に橙(■) W 、福山駅 - 糸崎駅間に空色(■) X がそれぞれ設定された[12][13]。 このうち、東岡山駅 - 岡山駅間は赤穂線の列車が乗り入れるため、重複して赤(■) N が、岡山駅 - 倉敷駅間は伯備線の列車が乗り入れるため、重複して緑(■) V が付与されている。

なお、このダイヤ改正後に更新された公式サイトの全域路線図[14]や、岡山支社管内で運賃表を路線記号入りに更新した駅や、2017年3月に案内表示の更新が開始された糸崎駅では、既存の「G」区間についても三原駅 - 白市駅間が包含され、三原駅 - 広島駅間(「X」区間との境界は糸崎駅)を設定範囲としており、「R」区間は広島地区導入段階から南岩国駅も含まれている[11]。ただし、これらの三原駅 - 入野駅の各駅構内の旅客案内では白市駅 - 岩国駅の各駅とは異なり、路線記号のアルファベットを抜いたカラーのみのシンボルを用いている。

岩国駅 - 下関駅間については2018年8月現在で路線記号導入の予定はない一方で、公式サイトの広島エリアの路線図[15]では2016年度の時点で岩国以東の延長の形で赤で表現されていたが、2017年3月の可部線の延伸に合わせて路線記号制定前に使用していた青(■)による案内に戻された[16]。この時点では当該区間の駅構内の旅客案内で赤と青が混在(いずれの場合もアルファベット無し)していたが、2018年3月のダイヤ改正までには青に統一されたほか、岩国駅については新駅舎供用と同時に区間のカラーを区別するようになった。

JR九州区間においても2018年9月からラインカラー・駅ナンバリングが設定されており[17]、鹿児島本線(吉塚 - 門司港間)と共通のラインカラー赤(■)、路線記号JAを使うが、ナンバリングは鹿児島本線と独立して設定してあり、小倉駅をJA51として下関駅へ向けて増加する。

支社および鉄道部の管轄は以下のように分かれている。

神戸駅 - 上郡駅間、兵庫駅 - 和田岬駅間 …JR西日本近畿統括本部

上郡駅(構内除く)- 下関駅間 …JR西日本中国統括本部

下関駅(構内除く)- 門司駅間 …JR九州本社鉄道事業本部

路線データ

管轄・路線距離(
営業キロ):全長537.1 km(支線を除いた神戸駅 - 門司駅間は534.4 km)

西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者

神戸駅 - 下関駅間 528.1 km[1]

兵庫駅 - 和田岬駅間 2.7 km[1]和田岬線


九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者)

下関駅 - 門司駅間 6.3 km[4]


日本貨物鉄道第二種鉄道事業者

神戸駅 - 北九州貨物ターミナル駅間 (534.4 km)[2]



軌間:1067mm

規格

神戸駅 - 下関駅間 甲線

兵庫駅 - 和田岬駅間 不明

下関駅 - 門司駅間 甲線


駅数:131(起終点駅含む)

旅客駅:127

JR西日本:126

JR九州:1(下関駅を除く)

山陽本線所属の旅客駅に限定した場合、東海道本線所属の神戸駅と鹿児島本線所属の門司駅[18] が除外され、125駅となる[注釈 4]



貨物駅:4(旅客併設駅除く)


複線区間:

複々線:

神戸駅 - 西明石駅間 22.8 km

海田市駅 - 広島駅間 6.4 km


複線:

西明石駅 - 海田市駅間 275.5 km

広島駅 - 門司駅間 229.7 km(下関駅 - 門司駅間は単線並列


単線:兵庫駅 - 和田岬駅間


電化区間:全線(直流1500V、門司駅構内のみ交流20,000V・60 Hz)

閉塞方式:自動閉塞式[5]

保安装置

神戸駅 - 上郡駅間:ATS-P(拠点P方式)およびATS-SW

白市駅 - 岩国駅間:D-TAS及びATS-SW

上郡駅 - 白市駅間、岩国駅 - 下関駅間、兵庫駅 - 和田岬駅間:ATS-SW

下関駅 - 門司駅間:ATS-SK


最高速度:

神戸駅 - 姫路駅間 130 km/h(西明石駅 - 兵庫駅間の電車線は120km/h)

姫路駅 - 下関駅間 120 km/h

下関駅 - 門司駅間 95km/h[19]

兵庫駅 - 和田岬駅間 85 km/h


運転指令所

神戸駅 - 上郡駅間 近畿総合指令所大阪指令所


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:339 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef