山車
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なお3ケ所の主神の見た目から、放生津の「足なし」、二上山の「手なし」、石動山の「口なし」と云われてきた。
山車

山車には、曳き山、舁き山などが含まれ、読みの意味から考えると山(置き山)なども含まれる。最も一般的なものは車輪の付いた曳き山で、その他にはかき棒のついた舁き山などがある。呼称は冒頭であげたようなものがあるが、同じものでも地域によって呼称が異なっていたり、異なったものに同じ呼称が用いられていることもあり、非常に複雑である。

山車は風流として練りだされたものが増え、全国各地で様々なものが存在する。依り代としての役割が薄れたものが多いが、稚児人形が乗っていたり、依り代として用いられるものが装飾に施されているなどの名残がある。
構造

台車の形状は地域や地区によって、車輪が台車の内についているものや外についているもの、車輪が木製のものや金属製のもの、車輪の大きさ、台車本体の木材の組み方などの違いがあり、数多くの種類がある。
車輪

車輪の数としては四輪が一般的であり、外車(大八車)様式の輻車(やぐるま〔スポーク式〕)や板車と、内車様式のものがある。外車様式のものには、車輪に漆や彫金などが施されているものがあり、補助の車輪がついているものもある。滋賀県大津市大津祭での曳山や三重県北部の石取祭に使われる山車が三輪であり、静岡県森町から磐田市にかけての遠州中東部で引き回される二輪屋台浜崎祇園山笠のように六輪あるもの、富山県魚津市たてもん祭りのように車輪はなくそり状になっているものもある。また、それに伴って運行方法、運行形態も異なるものになっている。小城祇園においては、旧来は車輪がついていない山の下に丸太を次々に敷き挽いて運行するという珍しいものだったが、現在は普通に車輪のついた曳き山となっている。
動力・移動手段

多くの場合、山車は人力で運行される。まれにトラックなどで曳かれたり山車そのものに動力を積む地方があるがこれは特殊な例である。
曳き山(ひきやま)
日本最大級の青柏祭のでか山

曳き山の山車の中には非常に凝ったからくりを持つものもあり、また大きさも普通の神輿サイズからその10倍以上の大きさ(重量で数トン程度)のものまで様々である。中でも、石川県七尾市の青柏祭の曳山(でか山)は重量約20トンであり、日本最大とされる。大きな物が生まれた理由として、引くという形式から巨大なものが運行可能であるということ、依り代としてより目立つ背の高いものが用いられた名残、氏子同士の風流としての競い合いの結果などがあげられる。
二輪屋台

曳き山の中でも2つの車輪で引かれる屋台を指す。有名な祭りとしては村上祭り遠州横須賀三熊野神社大祭掛川祭りなどがある。
花車

紙花など花飾りを施された曳き物全般を指す。また、大船渡市の式年大祭では、お花と呼ばれる紙を張り、金〇〇万両 〇〇〇〇殿、金〇〇万両 〇〇汽船殿などで、飾り付ける。これらは全て、神社の再建時の資金、公民館の資金に使われる。
舁き山
愛媛県 西条祭りの舁き山車。重量およそ800kg。

全国では珍しい形式であり、重量も数100kgから重くて1、2t前後のものが主流である。神輿と混同されがちだが、あくまで氏子のお供としての性格上、分類上は山車である。代表的な物としては博多祇園山笠などが有名である。
電線との干渉

明治時代に入り、電話電力が使われるようになると、街中に張られる電線が山車と干渉するようになってきた。電線だけであれば浜崎でのように「電線上げ」と言う器具を使って電線の高さを変える、あるいは電線類地中化のような対応策も可能であるが、路面電車などの架線は高さが決まっており、高さを変えることでの解決は困難であった。結果、神田祭のように山車が消滅する、博多祇園山笠のように舁き山と飾り山が分化するなど祭りに変化を及ぼしたところ、渋川山車祭りや弘前ねぷたなどのように山車の高さを可変にするなどの工夫もある一方、秩父夜祭高岡御車山祭のように一時的に架線を外して山車を通す形で旧来の祭りを守っている地域も存在する[6]
重要有形民俗文化財に指定された山車

現在も日本全国で行われている祭礼(行事)のうち、以下の5件の祭礼にて曳き出されている山車計66基が重要有形民俗文化財に指定されている[7]

これらを曳き出す祭礼はいずれも重要無形民俗文化財の指定並びに、ユネスコ無形文化遺産に登録されている(同指定を受けている祭礼については後節も参照)。なお、以下には山車と呼称しないものも含む。

日立風流物 山車1基 - 1959年(昭和34年)5月6日指定(茨城県)

高岡御車山祭 山車7基 - 1960年(昭和35年)6月9日指定(富山県)

高山祭 屋台23基 - 1960年(昭和35年)6月9日指定(岐阜県)

秩父夜祭 屋台6基 - 1962年(昭和37年)5月23日指定(埼玉県)

祇園祭 山鉾29基 - 1962年(昭和37年)5月23日指定(京都府)

山車祭り
山車が使用される主な祭行事一覧

※太字は日本三大曳山祭後節も参照)、なお以下には山車と呼称しない祭も含む。
北海道

北海道神宮例大祭 - 石狩振興局

姥神大神宮渡御祭 - 檜山振興局

根崎神社例大祭 - 渡島総合振興局

真駒内神社例大祭 - 檜山振興局

上ノ國八幡宮渡御祭 - 檜山振興局

乙部八幡神社例大祭 - 檜山振興局

八雲山車行列 - 渡島総合振興局

斜里しれとこねぶた - オホーツク総合振興局

沼田町夜高あんどん祭り - 空知総合振興局

東北地方

青森ねぶた - 青森県

弘前ねぷた - 青森県

五所川原立佞武多 - 青森県

黒石ねぷた - 青森県

田名部まつり - 青森県

川内八幡宮例大祭 - 青森県

佐井の山車行事 - 青森県

脇野沢八幡宮例大祭 - 青森県

大畑祭 - 青森県

風間浦の山車行事 - 青森県

鰺ヶ沢白八幡宮大祭 - 青森県

奥戸の山車行事 - 青森県

大間の山車行事 - 青森県

八戸三社大祭 - 青森県

三戸まつり - 青森県

角館のお祭り - 秋田県

土崎神明社祭の曳山行事 - 秋田県

花輪ばやし - 秋田県

盛岡秋まつり - 岩手県

花巻まつり - 岩手県

一戸まつり - 岩手県

二戸まつり - 岩手県

日高火防祭 - 岩手県

盛町五年祭 - 岩手県

くりこま山車まつり - 宮城県

新庄まつり - 山形県

福島稲荷神社例大祭 - 福島県

二本松提灯祭り - 福島県

会津田島祇園祭 - 福島県

関東地方

常陸國總社宮大祭 - 茨城県

潮来祇園祭礼 - 茨城県

日立風流物 - 茨城県

常陸大津の御船祭 - 茨城県

鹿沼秋まつり - 栃木県

とちぎ秋まつり - 栃木県


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