山路和弘
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元々舞台でも悪役が多かったが、「舞台でも悪役を演じるのは好きだが、その感覚は声優も一緒だと感じたところが面白かった」と語っている[21]

それ以降、ジェイソン・ステイサムをはじめ、ヒュー・ジャックマンラッセル・クロウウィレム・デフォークリストフ・ヴァルツショーン・ペンソン・ガンホキム・ユンソクヴァンサン・カッセルケヴィン・ベーコンゲイリー・オールドマンベニチオ・デル・トロアル・パチーノ[注 1]など多数の俳優の吹き替えを持ち役とする声優としても知られる[21]

吹き替えの重要性について、山路は「最近はアクション映画が多くなっている。芝居が重なり合って、(画面の)手前で芝居をしているのに、奥でも何かが行われている。字幕では絶対に追い切れない今だからこそ、余計に我々がしているこの吹き替えの仕事が必要なのかなと思います」と述べている[23]

山路の演技は声優業界の間でも高い人気と評価を得ており、関智一津田健次郎などから尊敬する人物として挙げられている[24][25]
仕事に対する姿勢
吹替えについて

先輩である家弓家正から「アテレコというのは錯覚だからね。まるでそんなことを喋ってるかのように見せる錯覚を起こす仕事なんだ」と言われた言葉を意識しており外国映画のアテレコは視聴者が「この外人さん、日本語うまいわねぇ」と言ってくれる感覚まで持っていくのが理想だと述べている[26]

こと外国映画のアテレコに置いては「役者の本物の肉体が画としてはっきり見えているので言葉の意味や声だけですべてを表現するべきではない」と言うのが持論で予習も作品を繰り返し観て、元の役者の演技に注視して画を感覚的に体に入れるしかなく台本を読み込み内容を掴んで役の人なりや背景を入れることから初めるのは良い方法とは思えず、むしろ吹替の場合はサブテキストは邪魔で自分の場合は演劇の現場にも役の背景を作っていかないかもしれないと語ったこともある[27]

また、吹替デビューした際に音響監督の山田悦司から「山路君、そんなに作らなくていいよ。向こうがあれだけ芝居を作ってるんだから君は普通に人間として喋ってくれればよい」と言われたこともあり事前にリハーサルで台本から自分の完璧な像を作って行くのはあまり意味のないことだと思うようになったとも語ったことがある[28]

さり気なく息を吐くのと深くため息を付くのでは聞き手が全然違う感情を抱くように『息には表情がある』とのことから注意深く観察するのは吹替える俳優の呼吸と口元であり役者の呼吸に合わせていくと自然と同化していくと語った[29]
悪役について

悪役を演じる際の楽しさについて山路は、「悪役として出てきただけで観客の嫌がる匂いというか、空気を感じたときが自分たち役者としてはそれがたまらない蜜の味になり、悪役には観客がどこまで嫌がってくれるだろうかと追求する楽しさがある」と語った[21]
担当俳優について
ジェイソン・ステイサム

山路は、アクション俳優であるジェイソン・ステイサムの吹き替えをステイサムのデビュー作である『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』以降20年近くほぼ全ての作品を担当し、専属(フィックス)となっており[21][30]、「ジェイソン・ステイサムの吹き替えでおなじみの山路和弘」と世間から認知されるほどに定着している[31]。「まるで本人が日本語でしゃべっているかのよう」と形容されることもある[32]

山路自身もステイサムを「大好きな俳優さんなので、毎回のように吹替を任せていただけることをうれしく思っています」と敬愛しており、ステイサムの魅力について、「こどもみたいな笑顔が好き」と述べている[33]。また山路とステイサムの地声は非常に似ており[34]、山路はステイサムの吹き替えをするにいたっては、「特に何も考えなくてもステイサムの吹き替えはやりやすい」とも語り、他にもステイサムについて山路は、「あの役者はいいねぇ。無駄な芝居をしない。獣のような動きと身体」とブログにてコメントしているほど非常に気に入っている[35]。「ステイサムが一番自分に近い声ですし、作ることなく、感情の動きにあわせて自然に演じることができる俳優なんです」とインタビューで語っている[36]。そのため、「ジェイソン・ステイサムは、僕と声質が似ているのか、唸り声を上げるシーンでは、その声を聞いた時に『あれ?今のは僕の声?それともステイサムの声?』と自分でもわからなくなる時がある」とも述べ、やりやすいことに加えて、役者としても好感を持っていることから「長らく演じさせてもらえて本当に良かったです」と特別な愛着を感じているという[37]。なお、自身のファッションスタイルについてもステイサムの影響を受けていることを明かしている[38]

山路は一番好きなステイサムの映画として、『アドレナリン』を挙げており[38]、同作について「大好きです」と述べると同時に「あれは最高。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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