山路和弘
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不思議ですね」と複雑な心境を明かしている[31]

末長く吹き替えをしていきたい役者であると同時に、一時期ステイサムが「007をやりたい」とコメントしていた件についても触れており、「彼は007のイメージに合っていると思うし、ぼくも吹き替えをしてみたいです」とステイサム本人と共にジェームズ・ボンドの吹き替えにも意欲的な姿勢を見せた[31]

2023年以降はアニメにおいてステイサムを意識したパロディキャラクターにも山路が起用されることがあったほか[39]、他のキャラクターを演じる現場でも「ステイサムでやってください」と言われるようになり[33]、『オペレーション・フォーチュン』日本公開時には同作に絡めたコメントを出しつつも、ステイサムをテーマにしたインターネット・ミームにも触れるなど更にステイサムとの関わりが深くなっている[40]

また、今後『エクスペンダブルズ』シリーズなどで後述するヒュー・ジャックマンラッセル・クロウウィレム・デフォーといった自身が長年声を演じてきた俳優陣がステイサムと共演する可能性について問われた際には、自身の持ち役を代わりに演じる声優には多少の嫉妬を抱きつつも、ステイサムの吹き替えを優先する意向であることを明かしている[32]
ヒュー・ジャックマン

ヒュー・ジャックマンの吹き替えを『ソードフィッシュ』(ソフト版)から長きに渡り担当している。

山路はジャックマンの演技について「ソン・ガンホもそうですが、役者さんとしてどんどん深みが増している。いい役者になったなということをしみじみと感じますね」と語っており、年齢を重ねたヒューの顔についても「(ヒュー・ジャックマンって)シワがあるじゃないですか。あれがクリント・イーストウッドの若い時に似ていて。この人の顔をどんどん良くしているようで、僕は好きなんですよね」とも語っている[41]

山路本人もお気に入りとして挙げている作品『LOGAN/ローガン』では、ジャックマン本人が本編にアフレコをしている動画をSNSに発信した際には衝撃を受けたといい、「なんと言うか、“すみません!”という感じでしたね(笑)。“本人があんなに一生懸命やっているのだから、声を当てているオレも今以上に頑張らなきゃいけないな”と思いましたよ。彼のプロ根性には頭が下がりました」と胸の内を明かしている[42]

ジャックマンと山路の声質は異なるものの、山路自身はほとんど違和感は感じていないといい、演じること自体はあまり難しくないとしつつも「ただ、呼吸の仕方とか、センテンスを区切るタイミングについては、自由自在なところがある」と述べ、あまり気にしても仕方がないと割り切っているとのこと[42]

また、『The Son/息子』の日本公開時には長年ヒューの吹き替えを務めた声優として山路によるコメントも寄せられた[43][注 2]

上述の通り、ステイサムやジャックマンといった山路の担当俳優が一つの映画作品で共演するケースが今後あった場合について問われた際には、山路の意向としてはステイサム最優先としつつも、その際山路に代わってジャックマンを演じることになる俳優には「悔しいまなざしを向けると思う」と語るなど、ジャックマンに対しても愛着を見せている[32]
ラッセル・クロウ

『ラフ・マジック』以降、20年以上に渡りラッセル・クロウの吹き替えを担当しており、「クロウの日本語吹替え声優でおなじみの山路和弘」と評されるほどに定着している[44]。なお、2024年には実際にクロウ本人とも交流があることも明かしている[45]

山路はクロウの魅力について「この人の魅力はとにかく“眼差し”です。多くを語らなくても、すべてを語っているような気がして、しかも作品によって眼差しが変わる。そこがすごいところだなと思っています」と分析しており、「最近は目つきに憂いが増してきている。いい歳の取り方をしているなと思いますし、目にすべての経験が宿っているような、そんな表情に見えてきます」とクロウの演技を称賛している[45]

吹き替えをしてきた中でも印象的な作品にクロウがアカデミー賞主演男優賞を獲得した代表作『グラディエーター』を即座に挙げており[45]、同作で主人公・マクシムスを演じたクロウの吹き替えをした際には、「役に入り込んでしまった」と話しており、特に印象深いシーンに家族を殺されてしまったときの衝撃に狂乱するシーンを、苦労したシーンに闘技場で自分の名前を名乗るシーンを挙げ、「長い名前だったので苦労した思い出があります」と照れ笑いを浮かべながら語り、クロウがアカデミー賞を獲った際は山路も喜びを感じたという[45]。クロウのような重量感のある俳優は、普段の自分とはかなりかけ離れていると感じていることから、普段以上に役に入り込んだ部分もあったという。またクロウの演じ分けについても感心しており、俳優が全力で演技をしている姿を見ると、自身もやり甲斐を感じると述べた[46]

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』公開時はクロウについて「そのまま地でやる人」であると述べ、「そこがクロウの名優たる所以だと思う」とコメントしている。また本作ではクロウを演じるのは久しぶりだったことから、「ちょっとアクション系の、どっちかっていうとおっちゃん系の役のときに(オファーが)来る」と自身にオファーが来る役には傾向があるとも述べた[47]

声優が素顔や裏話を披露するスターチャンネルの番組「VOICE IN FOCUS」にクロウの吹き替えを持ち役とする役者として出演し、クロウへの思い入れや『シンデレラマン』で吹き替えを務めた際の出来事について語ったこともある[48]

また、『ポーカー・フェイス/裏切りのカード』の日本公開が決定した際には、クロウの吹替声優として山路が試写会に登壇することとなった[49]。同作の試写会では「どちらかと言えばステイサム映画のようなタイトルですが、彼(クロウ)らしい世界観で深いところに持っていかれる映画でした」と述べると同時に「恥ずかしい話、最後は嗚咽するほど泣いてしまいました」と明かし、「本当に心に残る作品で、図らずも号泣してしまいました」と同作を絶賛した[45]
クリストフ・ヴァルツ

クリストフ・ヴァルツは『イングロリアス・バスターズ』のハンス・ランダ役で初めて担当し、『007 シリーズ』の第24作目である『007 スペクター』のエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド役を担当してからは大半の作品で声を当てている[50]

山路はヴァルツをイングロリアス・バスターズで初めて見たとき「口から生まれてきたようなこんなヤツが出て来たのか」と第一印象を感動したと述べている[51]

山路のヴァルツは業界内でも評価が高く[52]、『ターザン:REBORN』の音響監督を担当した羽田野千賀子は山路のヴァルツを「山路さんはアテている感じがしない。画面に映っている人物がそのまま喋ってるように聞こえる。理想の吹替だ。」と絶賛している[53]。山路自身も吹き替えをさせて貰えて嬉しい役者にヴァルツの名前を挙げている[54]

ヴァルツの特徴として「プレナレーションがないんですよ、普通なら入りの挙動があるものだけどパッと芝居に入ってしまうので声を合わせづらいがやり出すと気持ちよくなってくる」、「突然ヘンな表情を入れることで観客に?と思わせる。引っかからせる芝居が上手い」[55]、「猫のように目の奥がコロコロ変わる」と述べている[56]

基本的に軽快な人で重い映画の中にポツポツと軽さを出すと分析して、ヴァルツ節の真骨頂として『おとなのけんか』を挙げている[57]。 また、「ヴァルツ自身の演技も大変上手い」とリスペクトしていることから、ヴァルツを演じることは難しいものの、吹き替えを通じて彼らに教わっている感覚があると語っている[58]
ウィレム・デフォー

ルル・オン・ザ・ブリッジ』で初めて担当し、『スパイダーマン シリーズ』のノーマン・オズボーン(グリーン・ゴブリン)役を担当して以降、多くの作品を吹き替えているウィレム・デフォー[59][60][61]を山路は気に入っており、『プラトーン』(テレビ東京版、初回放送2003年9月25日『木曜洋画劇場』)ではディレクターの向山宏志による当初のキャスティング案は、バーンズ(トム・ベレンジャー)=森田順平、エリアス(デフォー)=山路であったが、キャラクターの善悪の強調を狙ったプロデューサーが逆の配役にしたという。


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