山路和弘
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同作の試写会では「どちらかと言えばステイサム映画のようなタイトルですが、彼(クロウ)らしい世界観で深いところに持っていかれる映画でした」と述べると同時に「恥ずかしい話、最後は嗚咽するほど泣いてしまいました」と明かし、「本当に心に残る作品で、図らずも号泣してしまいました」と同作を絶賛した[45]
クリストフ・ヴァルツ

クリストフ・ヴァルツは『イングロリアス・バスターズ』のハンス・ランダ役で初めて担当し、『007 シリーズ』の第24作目である『007 スペクター』のエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド役を担当してからは大半の作品で声を当てている[50]

山路はヴァルツをイングロリアス・バスターズで初めて見たとき「口から生まれてきたようなこんなヤツが出て来たのか」と第一印象を感動したと述べている[51]

山路のヴァルツは業界内でも評価が高く[52]、『ターザン:REBORN』の音響監督を担当した羽田野千賀子は山路のヴァルツを「山路さんはアテている感じがしない。画面に映っている人物がそのまま喋ってるように聞こえる。理想の吹替だ。」と絶賛している[53]。山路自身も吹き替えをさせて貰えて嬉しい役者にヴァルツの名前を挙げている[54]

ヴァルツの特徴として「プレナレーションがないんですよ、普通なら入りの挙動があるものだけどパッと芝居に入ってしまうので声を合わせづらいがやり出すと気持ちよくなってくる」、「突然ヘンな表情を入れることで観客に?と思わせる。引っかからせる芝居が上手い」[55]、「猫のように目の奥がコロコロ変わる」と述べている[56]

基本的に軽快な人で重い映画の中にポツポツと軽さを出すと分析して、ヴァルツ節の真骨頂として『おとなのけんか』を挙げている[57]。 また、「ヴァルツ自身の演技も大変上手い」とリスペクトしていることから、ヴァルツを演じることは難しいものの、吹き替えを通じて彼らに教わっている感覚があると語っている[58]
ウィレム・デフォー

ルル・オン・ザ・ブリッジ』で初めて担当し、『スパイダーマン シリーズ』のノーマン・オズボーン(グリーン・ゴブリン)役を担当して以降、多くの作品を吹き替えているウィレム・デフォー[59][60][61]を山路は気に入っており、『プラトーン』(テレビ東京版、初回放送2003年9月25日『木曜洋画劇場』)ではディレクターの向山宏志による当初のキャスティング案は、バーンズ(トム・ベレンジャー)=森田順平、エリアス(デフォー)=山路であったが、キャラクターの善悪の強調を狙ったプロデューサーが逆の配役にしたという。バーンズ役となった山路はデフォーに入れ込んでいたためにこの出来事を心残りに思っており、それを知った久保も「非常に申し訳ない」と後悔の念を述べている[62][63][64]。また、この件以降は「その役者自身を研究しても仕方がない」と割り切るようになったと語り、「その画面を観て、そのときそのときで変わっている役者の演技を見る」というスタンスに変わっていったという[22]

山路によるデフォーの吹き替えは同業者間でも評価が高く、『ライトハウス』で吹き替えた際に共演した櫻井孝宏は「山路さんの表現が素晴らしすぎて何度も溜め息を漏らしてしまいました」と語っており、次第にデフォーが日本語を話しているようにしか思えなくなり、櫻井自身も幻覚を見ているような気分を味わったという[65][66]

過去のスパイダーマン映画に登場したヴィランたちが当時の俳優によって再登場することが話題となった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にも続投。「もっとも、この人は歳よりは老けて見えるタイプだった。先日とある映画で老獪な爺さんを演じるのを見て、拍手を送っていたのだが、正直その老い方にも驚いた。ところが今作…見事に若返っている!この得体の知れない怪優とは、まだまだ長い付き合いになりそうだ」とデフォーの演技に感嘆している様子を見せた[67][68]
その他の担当俳優・備考

ショーン・ペンは『Uターン』で初担当。ペンの吹き替えでも同業者間で高い評価を得ており、『LIFE!』がザ・シネマで新録吹替が制作された際には、殆どの声優陣が一新された中で、旧録版における山路のペンはシンクロ度が高かったことから唯一の続投となった[69]

シュリ』のイ・ジャンギルの吹き替えを担当して以降、20年近く吹き替えているソン・ガンホに関して、『大統領の理髪師』で吹き替えた際に「加速度的に素晴らしい役者になっていた。“腐った魚の眼”ができる役者になっていた」と絶賛している[70]

持ち役の一人であるヴァンサン・カッセルについては、『ジェイソン・ボーン』で吹き替えた際に「彼の声を吹き替えるようになって、もう随分経つが…変わらない。匂い立つような、あの声あの顔。私より一回り歳下の色っぽいこの男は、今一番いい時なのかも知れない。派手ではないが、生々しいアクションもいい」と評している[71]

野沢那智の没後、アル・パチーノの吹き替えを引き継いでいる。『ゴッドファーザー』シリーズは1・2作目のみの担当であり、『ゴッドファーザー PART III』は担当していない。このことについては「もう何年かしたら、野沢さんに手を合わせながら、(3作目を)ぜひやらせていただきたいですね。でも、やっぱり野沢さんはまるで私とは違う、永遠に超えられない大先輩。そんな感じであの方を見ています」と語っている[72]

自身が吹き替えを担当する中でも苦手な俳優にケヴィン・ベーコンを挙げており、ベーコンの吹き替えの仕事が入ると、一瞬だけ憂鬱な気分に陥ると語っている[42]

2012年の映画『レ・ミゼラブル』は自身が長年吹き替えを務めているヒュー・ジャックマンラッセル・クロウが出演していることから、「どっちの役が来るんだろう」と当時楽しみにしていたというが、全編が歌唱シーンであったために吹替版が作られず、オファーも一切無く残念に思ったことを明かしている[32]
人物

趣味は料理。特技としてダンストランペット演奏があり[73]、俳優仲間たちと趣味でトランペット同好会を開いている[74]

自身が好きな俳優として、三國連太郎の名前を挙げている[18]

自身が初めて立ち上げた芝居は怪談であり、“毎夏怪談上演”を理想とするほどの怪談好きでもある[75][76]

山路は、自身の声質を「機械っぽい声」と称しており、『破壊魔定光』のポンコツ役を演じた時にインタビューでコメントしている[77]。また、感情の起伏の少ない役柄はトーンが同じことからストレスが溜まることもあったと語るが、一方でポンコツがおかしくなるシーンは演じていて楽しかったと語っている[77]

同年代の声優である井上和彦大塚芳忠とも親交が深い[78][79]

また、自身のブログで、『ドキドキ!プリキュア』で演じているキャラクターのベールが「似てるかもしれない」と言及している[80]


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