舞台から役者として活動し始めた山路だが、声優として活動するのは、34歳?35歳くらいからだったと述べている[21]。30年以上前に、あるテレビ局のプロデューサーが山路の芝居を見に来ており、山路の演技力を気に入り声をかけられたのがキッカケだという[21]。
初めて演じた吹き替えの役柄は悪役で、「演じていて凄く楽しかった」と述べている[21]。元々舞台でも悪役が多かったが、「舞台でも悪役を演じるのは好きだが、その感覚は声優も一緒だと感じたところが面白かった」と語っている[21]。
それ以降、ジェイソン・ステイサムをはじめ、ヒュー・ジャックマンやラッセル・クロウ、ウィレム・デフォー、クリストフ・ヴァルツ、ショーン・ペン、ソン・ガンホ、キム・ユンソク、ヴァンサン・カッセル、ケヴィン・ベーコン、ゲイリー・オールドマン、ベニチオ・デル・トロ、アル・パチーノ[注 1]など多数の俳優の吹き替えを持ち役とする声優としても知られる[21]。
吹き替えの重要性について、山路は「最近はアクション映画が多くなっている。芝居が重なり合って、(画面の)手前で芝居をしているのに、奥でも何かが行われている。字幕では絶対に追い切れない今だからこそ、余計に我々がしているこの吹き替えの仕事が必要なのかなと思います」と述べている[23]。
山路の演技は声優業界の間でも高い人気と評価を得ており、関智一、津田健次郎などから尊敬する人物として挙げられている[24][25]。 先輩である家弓家正から「アテレコというのは錯覚だからね。まるでそんなことを喋ってるかのように見せる錯覚を起こす仕事なんだ」と言われた言葉を意識しており外国映画のアテレコは視聴者が「この外人さん、日本語うまいわねぇ」と言ってくれる感覚まで持っていくのが理想だと述べている[26]。 こと外国映画のアテレコに置いては「役者の本物の肉体が画としてはっきり見えているので言葉の意味や声だけですべてを表現するべきではない」と言うのが持論で予習も作品を繰り返し観て、元の役者の演技に注視して画を感覚的に体に入れるしかなく台本を読み込み内容を掴んで役の人なりや背景を入れることから初めるのは良い方法とは思えず、むしろ吹替の場合はサブテキストは邪魔で自分の場合は演劇の現場にも役の背景を作っていかないかもしれないと語ったこともある[27]。 また、吹替デビューした際に音響監督の山田悦司から「山路君、そんなに作らなくていいよ。向こうがあれだけ芝居を作ってるんだから君は普通に人間として喋ってくれればよい」と言われたこともあり事前にリハーサルで台本から自分の完璧な像を作って行くのはあまり意味のないことだと思うようになったとも語ったことがある[28]。 さり気なく息を吐くのと深くため息を付くのでは聞き手が全然違う感情を抱くように『息には表情がある』とのことから注意深く観察するのは吹替える俳優の呼吸と口元であり役者の呼吸に合わせていくと自然と同化していくと語った[29]。 悪役を演じる際の楽しさについて山路は、「悪役として出てきただけで観客の嫌がる匂いというか、空気を感じたときが自分たち役者としてはそれがたまらない蜜の味になり、悪役には観客がどこまで嫌がってくれるだろうかと追求する楽しさがある」と語った[21]。
仕事に対する姿勢
吹替えについて
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