山寺宏一
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山寺は役作りをする上で当初、顔写真を見た際には「身体がデカいしマッチョなのにかわいい顔をしているので、もう少し声は高めかな」と思いつつも、その太い地声を聞いてギャップに驚き、マッチョな雰囲気を出すことを心がけたといい、動きや口調からヒップホップストリート系の「音楽畑の人」という印象を持ち、次世代の役者だと感じたという[17]。また、過去に顔マネをしていたことから自分の中で勝手な親しみを覚えていたといい「吹き替えを複数回やると、練習の時点でものすごく作品を見てその人の芝居を研究するので他人とは思えなくなって親近感が勝手に湧く」と話した[84]。元来よりウィルの吹き替え声優として名が通っていた山寺だが、2019年公開の『アラジン』でウィル演ずるジーニーを吹き替えた際には、原作のアニメ版のジーニーを山寺が演じていることで「完璧なキャスティング」「山寺しかいない」というファンの声が殺到するなど大きな反響を起こし[85]、世間一般における「ウィル・スミスの吹き替えといえば山寺宏一」との認知がより一層高まったとされている[44]。同作で吹き替えた際には、来日したウィルと初対面し感激したとのこと[68]。対談を行う中、山寺は「自分が吹き替えをしていることをどう思うか?」と質問し、ウィルは「僕はあなたの吹き替えが聞きたいよ」と答え、ウィル本人の要望で生アテレコを披露。本人から「まず誰かが演じ作り上げたものをあなたは違う言語でやらなきゃいけないんだよね。それは本当に難しいことだよ、本当にすごい」と絶賛され、2人はハイタッチした。お墨付きを貰った山寺もまた、「今後も機会があればウィルと同じ作品に携わりたい」と話した。この様子はNTVの「news every.」、「Oha!4 NEWS LIVE」にてそれぞれ6月5日(水)、6月11日(火) に放映[86][87]。後に「憧れのスーパースターの1人。お会いして、ますますファンになりました。演技もさることながら、その人柄の良さに凄く感動しました」と語った[88][89]。一番好きなウィル・スミス出演作には「僕が声を演じさせていただきましたし、ウィル自身もこれまでの集大成だと仰っていたので」と『アラジン』を挙げている。また、直接会ってからは次第にウィルを他人とは思えなくなっていたことを明かしている[89]。ウィルを吹き替える上で注意しているポイントについて問われた際には「本人が何を演じたいのか、どう演じてるいるか」をしっかり汲み取るように注意しつつ、ウィルの魅力の一つである太い地声を意識して、彼のイメージや体格に見合う様になるべく普段の自分の声より少し太めの響きのある声に仕立て上げ、あざとくない程度に演じることに気を付けていると話した。ただし、これはどの俳優を演じる時でも一緒で、ウィル・スミスだからということで特別には考えているわけではないという[89]。その後、ウィル本人とも交流が生まれ、『ジェミニマン』のジャパンプレミアカーペットイベントにおいてウィルと再び対面。両者は互いに親友であると認め合っており、「ウィル」「コウイチ」と呼び合う仲となった。ウィルは「僕も(山寺の吹き替えを観て)ああやって演技しておけばよかったと思うことがあるよ」と打ち明け、山寺を喜ばせる一幕もあった[61]。劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』において敵キャラクターであるミゲルを演じることが発表された際には、キャラクターの容姿やこれまでの山寺の実績も相まって「実質ウィル・スミス」などとネット上で話題を集めた[90]。『フォーカス』では予告編のナレーションを担当した[91]

クリス・タッカーについては「体はゴツいですが声は高い」と述べ、「声を張っているときはいいんですけど、シリアスなシーンもそれでやらなければならないので、声質をキープするのが大変でした。不自然に聞こえないようにしつつ、喜怒哀楽をすべて表さなきゃならない」と吹き替える上での難しさについて語った[75]。また、「ラッシュアワー」シリーズでは、石丸博也ジャッキー・チェンと絶妙な掛け合いを披露。山寺は本シリーズにおける石丸のジャッキーとの共演は大変光栄な出来事であったといい「(石丸のジャッキーは)FIXの中のFIXですからね!」と石丸の功績を讃えている。山寺は自身初のアニメレギュラー(「ボスコアドベンチャー」)で既に石丸と共演していたことや、石丸の吹き替えたジャッキー・チェンの映画を幼少期から聞いていたこともあり、「こうやってご一緒させていただけるとは思っていなかったので、すごく嬉しかった」と話している[75]

テレビ朝日の『日曜洋画劇場』をはじめとした地上波の洋画番組の中で日本語吹き替え版制作が盛んに行われていた時代にはジャン=クロード・ヴァン・ダムの出演作品のテレビ放送版の吹き替えを専属で担当した[92]。このキャスティングはテレビ東京の『木曜洋画劇場』でも踏襲され、『ノック・オフ』、『レジョネア 戦場の狼たち』、『ヴァン・ダム IN コヨーテ』、『レプリカント』など数多くの作品で吹き替えを担当。洋画劇場の終焉により、テレビ局独自の吹き替え制作が少なくなった2010年代には山寺はヴァン・ダムを担当する機会は少なくなったものの、2012年の『エクスペンダブルズ2』では、ささきいさおシルヴェスター・スタローンをはじめスターたちの吹き替えがファンに馴染み深いフィックス(専属)声優陣でキャスティングされた中で、山寺も久々にヴァン・ダムの吹き替えを担当した。なお、劇場公開版およびソフト収録版の吹き替えで山寺がヴァン・ダムを務めたのは本作が初めてとなった[93]。ヴァン・ダムが一人二役で兄弟を演じた『ダブル・インパクト』のテレビ朝日(『日曜洋画劇場』)放送版では山寺がヴァン・ダム本人同様に一人二役で兄弟を吹き替えており、iTunes Storeではこちらの吹替が配信されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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