山万ユーカリが丘線
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この方式は日本車輌などが開発した「VONA」と呼ばれるもので、ユーカリが丘線開業以前には千葉県習志野市にあった谷津遊園アトラクションとして設置されていた。

ユーカリが丘駅 - 公園駅の区間は両方向に運転される単線、公園駅 - 女子大駅 - 公園駅の区間は片方向にのみ運転される環状線になっており[注釈 1]、ユーカリが丘駅を出発した列車は公園駅から環状線を反時計回り環状運転して、公園駅から再びユーカリが丘駅に戻る。全行程の所要時間は14分[3]。逆方向に運転される列車はない。ユーカリが丘駅に戻る際には車両の向きが出発時とは前後逆となり、そのまま折り返し運転が行われる。

全線でワンマン運転(都市型ワンマン方式)を行っている。当初は車内放送が自動ではなく、次駅放送は運転士が行っていたが、後に女性の音声による自動案内放送が行われるようになった。2022年(令和4年)12月ごろからは別の女性声優による放送に更新され、同時に英語放送も導入された。
路線データ

路線距離(
営業キロ):4.1 km

車両基地内線:0.2 km

案内軌条:中央案内式

分岐装置:水平回転式

数:6駅(ユーカリが丘駅・地区センター駅・公園駅はそれぞれ1駅として計上)

ホーム有効長:35 m、標準幅員2 m以上

複線区間:なし(全線単線

電気方式:直流750 V

最高速度:50 km/h[2]

最大勾配:45

最小曲線半径:40 m

閉塞方式:特殊自動閉塞式[7]

運賃

運賃は均一制となっており、2021年(令和3年)9月時点で大人200円・小児100円[8]定期乗車券回数乗車券もある(いずれも全線有効)[8]。乗車券は自動券売機と窓口で販売されている。PASMOSuicaなどのIC乗車券は使用できず[8]、2009年(平成21年)に行われた国土交通省による業務監査においても、「(ICカード式乗車券を)導入する予定はない」と回答している[9]

一日乗車券は500円で販売されており、ユーカリが丘駅のみで購入できる[8](公式ホームページにも記述されているが、駅ではその旨の案内を行っていない)。二日乗車券も存在するが、特定日のみの販売となっており、2017年(平成29年)5月時点で発売実績がない。

例年7月下旬に公園駅付近で開催される「ユーカリ祭り」期間中の16時から21時までは無料運行となっていたが、2017年(平成29年)より有料運行となった。
安全性

当路線は1982年昭和57年)の開業以来2014年(平成26年)時点で人身事故などの運行障害の発生が皆無であり、無事故運転を継続している。山万は運転業務の功績が優秀と認められる「鉄道等の運転無事故事業者」として10期連続10回(当路線の一期は3年)の国土交通省関東運輸局長表彰を受けている。2014年(平成26年)には10期連続表彰を記念し、記念硬券乗車券を発売した[10][11]。また山万は2013年(平成25年)10月、多年にわたり鉄道輸送統計調査の趣旨を理解し正確かつ迅速な報告に努め、国土交通業務に貢献した功績により「第20回「鉄道の日」鉄道関係功労者大臣表彰(鉄道輸送統計調査関係(事業者)部門)」国土交通大臣表彰を受けた[12][13]
車両

山万1000形
基本情報
運用者山万
製造所
日本車輌製造
製造年1980 年(第1編成、第2編成)
1982 年(第3編成)
製造数3 編成
運用開始1982 年
主要諸元
編成3 両固定編成
軌間1,800 mm
電気方式直流 750 V 剛体複線式
最高運転速度50 km/h[2]
起動加速度3.5 km/h/s[14]
減速度(常用)4.2 km/h/s[14]
減速度(非常)5.3 km/h/s[14]
編成定員205 人
車両定員先頭車 65 人(24 席)
中間車 75 人(28 席)
車両重量先頭車:10.0 t・中間車9.7 t [14]
編成重量29.7 t
車体長先頭車 8,850 mm
中間車 8,000 mm
車体幅2,500 mm
車体高3,300 mm
床面高さ1,100 mm
車体アルミニウム合金
主電動機直流直巻電動機
東洋電機製造製 TDK8830-A[14]
主電動機出力150 kW
歯車比6.142
編成出力300 kW
制御方式電動カム軸式抵抗制御
制御装置東洋電機製造製 ES779-A-M形主制御器[14]
制動装置発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ[14]
保安装置ATS(2周波車上速度照査方式)
列車検知装置
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1000形
1100形-1300形-1200形で組成される3両編成3本が在籍する。中間車はモーターのない付随車である。主制御器、主電動機、車内電源用の電動発電機(5 kVA)などの主要電機品は東洋電機製造が担当している[14]。ユーカリが丘にちなんで、ユーカリを主食とするコアラから「こあら号」の愛称があり[3]、編成ごとに「こあら1号」「こあら2号」「こあら3号」と名付けられている。冷房装置は搭載されていない。鉄道事業部の部長によれば、「開業当時は現在ほど冷房が普及していなかった」という[注釈 2]。輸送規模に合わせて小型の特殊車両を採用したため、現在も技術・コストの両面で搭載は難しい[15]2018年(平成30年)から車内でクーラーボックスに入った紙おしぼり、2021年(令和3年)からはうちわのサービスも開始された[16][17]。「こあら号」の愛称と前面のコアラのマークは開業10周年の1992年(平成4年)から付けられた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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