屍姫
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もっとも、それは周囲に対するいたわりや人情に満ちた上での態度であり、聖職者としてもきっちりとした死生観を持っている。マキナに対しても、光言宗としての理でなく、一人の人間として接するなど、包容力のある大人としての態度を見せ、その信頼関係は極めて強い。自らの霊的障害を省みずカウンターアタックで「棺」を破壊し、「七星」雷輪(アニメでは赤紗)との戦いに辛うじて勝利したものの、「棺」を破壊されたため本腰を入れてきた赤紗と死面(アニメでは赤紗と「七星」湖惑)の策にかかり、瀕死の重傷を負う。死を覚悟した彼は大切な人々とマキナを守るため、オーリにマキナとの契約を譲渡し息を引き取る。それは最後まで「家族」を想ってきた彼にとっては苦しい決断だったが、それでも死に際して彼らを見つめる顔は穏やかなものを保っていた。彼の死によって、いかに多くの者に涙を流させたかが彼の影響の大きさを偲ばれようものである。
花神 旺里(かがみ おうり)[注 5]
声 - 羽染達也[2]小林由美子(少年時代) / 梶裕貴

年齢:16歳

誕生日:7月7日

身体:167センチメートル・52キログラム O型 Rh-

身分:依海高校1年生。マキナの契約僧

好きなモノ:甘味(特にあんこ)、牛乳ネコ

嫌いなモノ:刺激の強い香辛料、クール系、ミント系の食べ物

特技:必ずハズレを引くこと
幼少のころに景世に拾われ、景世の『世空寺』の隣にある児童福祉施設『大麟館』で育てられた少年。寮を出てからは肉体労働系のバイトをしつつ、近隣の古いアパートで一人暮らしをしている。不器用で、何かと貧乏くじを引く日常を送っているが、反面誠実で責任感が強く、誰からも好かれる人柄の持ち主。本人も自覚して諦めるほど極端に運が悪く、自販機でおしるこを買おうとしたらなぜかホットのコーラが出てきたりとあり得ない事態に遭遇することも多い。拾われた当時は、親の存在や道具の使い方が記憶になく、感情を「知らなかった」などその出生は謎に包まれている。しかし、飼っていた猫の死と、景世の思いやりを切っ掛けに初めて涙を流し、以後は人間らしい感情を表すようになった。普通の人間は全て眠ってしまう誘眠香が効かないなど常人とは違う「何か」を持ち、黒猫や「大群」いわく「死を呼ぶ不吉(前述)」。実は「奇縁」なる数奇な運命の持ち主で、前述の運の悪さや「大群」等から向けられる興味はそこに起因するらしい。予測不明で、持ち主の心持しだいで自在に変化するという星の下に生まれた彼は「七星」にも、マキナと共々に「敵」と布告された。「物事の本質を見る」七星・北斗の目には「ねこ」と映り、黒猫にも「元々お前の体は俺たちの物」と言われるなど、その過去には猫と強いつながりがあるようである。16歳の誕生日に、不用意な行動を取ったため死面の罠にかかり、操られての上のこととは言え、景世を刺してしまう。正気を取り戻した後、瀕死の景世から契約譲渡され、新たにマキナの契約僧となった。デリカシーのなさに呆れることはあっても、景世のことは本心では慕っており、目の前で大切な人を失う無力感を知り、それを自分にも他人にも味わわせないことを決意。光言宗に入信し、マキナと共に戦う。契約僧としては新米中の新米なため「座壇」はおろか法具の扱い方まで手探り状態の危なっかしい彼であるが、多くの人々に支えられ、日々努力を重ねる。また、『結縁灌頂』を行った際に、途中で樒の葉が飛散し全て曼荼羅に落ちるという結果となり、例外上の特例として仏尊ではなく『光明真言』と結縁している。守護となる『光明真言』には、最初は加護による恩恵も専用の法具も存在せず、「未来への可能性が広がった」だけである。自他共に認めるあんこ党で、あんころもちに至っては放っておくといつまでも食べており、時々チョコシェイクをかけて食べるほどの好物らしい。さらに、自宅には尊敬するアンコ職人オスマン・アンコンのポスターまで貼っている。実は、屍と化した母親から生まれた存在であり、それゆえに「黒猫」という形の屍に近い能力を持つ「屍の子」(アニメでは歪質が、原作では貞比呂がその言葉を語った)。本性を露わにした黒猫に何度も心が折られそうになるが、最終的に黒猫の正体である11人の赤ん坊と和解したことで、自力で「影」を操ることができるようになった。その後、マキナたちと一緒に黒白との最終決戦に挑み、絶対的な差を見せられながらも勝利を収める。そして、30分のインターバルを経てのマキナと北斗の最期の戦いを見届け、勝利したマキナの最期を見届けた。だが、黒白との戦いで限界をはるかに超える呪いをその身に受けた影響で、自身の寿命が致命的なまでに縮小してしまい、本編終了時には自身の寿命がわずかであることを実感していた。アニメでは、歪質の策謀によって黒猫と同化してしまい屍としての本能が開花。本能に従い子供達を喰らおうとするが、オーリの人としての心とオーリの心情を察した黒猫によってすんでのところで止まり、マキナによって人としての姿と心を取り戻す。屍である歪質と自分は同じかもしれないと認めるも、それでも生者として生きると決意し、彼を打ち滅ぼした。
黒猫
声 - 堀江由衣

未練:母親
人の言葉を語る不思議な黒猫。他の人間には見えず、その姿と声はオーリにしか見えないし、聞こえない。ただし、神生真世はその存在を感じ取っており、また「七星」忌逆と対面した際には、その存在を看破された上で、頭を叩き潰されている。黒猫もまた、オーリを「死を呼ぶ不吉」と呼び、彼を屍との戦いの場に導き、時には助言をする。当初は普通の黒猫の姿だったが、人語を語るようになってからは右目が人の口のようになった。自らのことは「俺達」「僕等」などと呼び、その人数は「11人」であると発言している。教主ミラムの表現を借りると、「実体化した未練として存在する混成意識の集合体」ということになる。姿の見えない時も、常にオーリの側にいて見守っているようであり、必要に応じて姿を現す。霊気が尽きて屍にとらわれたオーリの身体を借りて屍と戦う。彼が「表」に出ている時は髪が黒く染まり猫のように逆立ち、その他瞳や仕草も猫のようになる。「11人」の子供の影を操り、屍の影に触れさせた部分の動きを一時的に封じる「死の錯覚」を使う。「死の錯覚」を応用することで、致死性の攻撃を事前に感知できる。ただし、その性質ゆえに直接命の危険には結び付かない行動は予測できない。その正体は、死して屍と化した旺里の母が「未練」という本能のままに連れ去ってきた末に衰弱死した11人の赤ん坊の怨念体。最初はある程度の協力をしていたが、すべては自分たちを死に追いやった女性の子供の旺里に復讐するために動いていて、次第に本性を露わにして言葉巧みに旺里の心を壊そうと目論んでくる。しかし、決着をつけるためにマキナと一緒に4歳まで住んでいた自分の生まれた団地の一室に戻って来た旺里は、ようやく黒猫の本当の目的を知ってすべてを理解しそのころの記憶を思い出したが、11人の赤ん坊の大半の憎しみと怨みをその身に受けた上にこの子らに謝罪したことや、赤ん坊たちもまた、4歳になった旺里が屍と化した母から壮絶な虐待を受ける姿を死ぬ時を迎えるまで目の当たりにしていたのを思い出したことで徐々に怨みや憎しみが消えていき和解に至る。そして、自分たちの力をすべて旺里に託して成仏して逝った。
アニメでの設定
アニメでは旺里が飼っていた猫が死んだ後から姿を現すようになった描写がされている。また、マキナにも一応感知はできるが、普通の猫との差は気付いていない。その正体は「オーリの母が殺した子供たちの精神の集合体」であり、歪質により旺里と一体化し体中に眼(黒猫の眼と同じ形)と鋭い歯が並んだ口があるという醜悪な黒い巨体に変貌するが、旺里の意思を汲み歪質と戦い消滅する。
荒神莉花(あらがみ りか)
声 - 千葉紗子

年齢:23歳

誕生日:4月3日

身体:171センチメートル・55キログラム O型

好きなモノ:掃除

嫌いなモノ:毛虫、汚れているところ

特技:料理(免許を持っている)
偉家十聖の1つ「荒神」の出身で、高峰の副官を務める女性。物腰が丁寧というよりも堅く、自分より僧階の低い景世にも敬語で話すなど、生真面目な様が見て取れる性格。若くして権僧正という高位に上ったことを、実家「荒神」の力と卑下することもその表れである。一方、結構感激屋で涙もろいところがある。彼女は幼いころから、多くの契約僧を輩出してきた「荒神」の一員として様々な修行をさせられ、自由のない生活を送ってきた。そんな中、小学5年生の時に出会った早季が唯一の友達だった。しかし、早季に対して何をすることも出来ず死なせてしまったと、自責する彼女は早季を屍姫として、再会することを決意する。元々、長髪であったが事故で髪の毛が短くなり、彼女はそれから髪を伸ばすことを止め、10年の修行の後、冷凍保存していた早季の死体を屍姫としたのである。彼女を屍との戦いに駆り立てる理由は十聖としての責務だけでなく、親友である早季と共に在るためでもある。
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