尾道
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その際に住銀は神戸と尾道に初の支店を設けており、現在も三井住友銀行尾道支店として存続している[12]。その他にも、明治42年(1909年)には別子銅山の煙害被害者と住友本店との初めての正式交渉いわゆる“千光寺会談”が行われ、翌年賠償契約を締結している[87][110]。大正2年(1913年)、住友肥料製造所(現住友化学)が新居浜で開業した際には、尾道が荷揚げ・荷捌きの港となった[87]。なお令和2年(2020年)竣工の尾道市役所庁舎の設計は日建設計であり、その前身は住友本店臨時建築部になる[106]拡大
Clip 昭和4年(1929年)尾道都市計画区域図。当時の市域になる。

映像外部リンク
昭和初期の映像 - RCCテレビ60年特別配信『ひろしま 戦前の風景』
第1回尾道みなと祭 - 昭和10年(1935年)
千光寺公園の花見 -昭和10年(1935年)ころ
千光寺公園ドライブ - 昭和12年(1937年)ころ
桜と尾道鉄道 - 昭和12年(1937年)ころ
日本泳法(古式泳法) - 昭和13年(1938年)
夏の鞆・福山・尾道 - 昭和15年(1940年)ころ


尾道駅前から東方向を撮影。左の道が後に国道2号として整備される。右の道は土堂渡し場へ向かう道。住銀や尾道酢の広告が見える。

昭和5年(1930年)頃、千光寺山から東方向を望む。

昭和7年(1932年)頃、浄土寺山から西方向を望む。
昭和22年(1947年)米軍撮影。市街地の中で縦長に伸びる町屋がいくつかあるが、これは江戸時代の町割[34]。対岸側は日立造船でドックが見える。中央やや左が向島ドック。左下、沿岸の方形の広い土地は塩田である。そこから上の対岸に尾道駅がある。駅の左端から上に伸びる太い道に尾道鉄道が通っていた。

近世での尾道の特産はそのまま近代・現代にも受け継がれた。例えば塩は専売制となり大蔵省専売局尾道専売支局が置かれた以降も製造していた。尾道酢は、大正時代には満州・台湾・朝鮮にまで輸出されており、昭和30年代には広島銀行頭取橋本龍一とキユーピー役員廿日出要之進の偶然の出会いからキユーピーマヨネーズの原料酢に使われていた[10]

近代から現代にかけて、この地域の産業の中心となったのは向島・因島での造船業である[2]。これらの島では中世では村上水軍の勢力下で、近世では商人用の廻船として船製造が行われており、近代になり木造船から鉄造船に移行すると、島で育まれた造船技術と尾道において中世から受け継がれていった鍛冶の技とが結びつき飛躍的に発展した[111]。因島では明治29年(1896年)土生船渠合資会社が、向島では明治39年(1906年)松場鉄工所、瀬戸田では大正4年(1916年)山陽造船が最初に起業し、以降日立造船系(現ジャパン マリンユナイテッド)・尾道造船系・内海造船系の3つに集約されている[111]日露戦争第一次世界大戦第2次世界大戦朝鮮戦争と戦争による特需活況と戦後の不況、その後も好況不況を繰り返したなかで成長していった[111]

この造船に活気だつ島へ尾道からの交通手段として渡船が最大で12箇所まで増えていくことになるが、現代に入り広域交通が整備される中で規模が縮小されていった[94]

昭和2年(1927年)西隣三原の糸崎港とあわせ尾道糸崎港として第2種重要港湾に指定され、昭和13年(1938年)尾道中央桟橋・西御所物揚場などが整備された[3][21]。更に昭和28年(1953年)尾道糸崎港は重要港湾に指定された[3][21]

そして、戦後の広域道路網整備は昭和43年(1968年)尾道大橋開通から始まり、平成27年(2015年)に山陽自動車道西瀬戸自動車道中国横断自動車道が結ばれた。昭和63年(1988年)山陽新幹線新尾道駅が開業、駅前再開発に合わせ平成11年(1999年)尾道駅が平成12年(2000年)尾道糸崎港が再整備された。

尾道ポートターミナル

しまなみ交流館テアトロシェルネ

まちづくりの取り組み 千光寺公園から望む尾道と向島。 向島から対岸北側の千光寺山を望む。

現在尾道市全体で見ると、少子高齢化がすすみ空き家が発生している[1]。市街地でも同様で、特に斜面地では災害対策やバリアフリー問題など生活環境に問題がある[1]。一方で尾道は数年ごとにブームが起こる観光都市でもある[112]。都市開発による急激な変化を望まないものもいる。尾道市主導の開発の幾つかは市民の抗議により頓挫しており、平成に入り2度高層マンション計画が上がったが、1度目は署名活動を展開した市民団体が用地を買い取り現在はMOU尾道市立大学美術館となり、2度目は市民の抗議活動を受けて市が用地を買い取り公園になった[1][113][114]


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