百合のブームも起きている。1990年代の『美少女戦士セーラームーン』の同人漫画では「やおい漫画」の延長として女性同士の同性愛ものが多く登場していた[447]。1998年、少女小説誌「Cobalt」において現代のエス小説とでも言うべき「マリア様がみてる」が登場し人気となり、2003年より『マーガレット』で漫画化され(漫画:長沢智)、2004年にアニメ化された。2003年には「男子禁制」を謳う百合漫画誌『百合姉妹』(マガジン・マガジン)が登場し、2005年にはその実質的後継誌として『コミック百合姫』(一迅社)が誕生している。一方、百合要素のあるスポーツ物では1997年のアニメに「バトルアスリーテス大運動会」が存在していたが、少女漫画でも2004年に『ちゃお』でギャグ物の『スパーク!!ララナギはりけ?ん』(もりちかこ)が登場している。
また1990年代の少女漫画の夕方アニメ化ブームではそれが男性にも影響を与えており、少女漫画では2005年に『ChuChu』でアニメオタクの義兄をテーマとした『アニコン』(やぶうち優)が登場している。また、2000年代にはバラエティ番組「学校へ行こう!」の「みのりかわ乙女団」に登場した「乙女系男子」という言葉も流行し[448][449]、少女漫画では2006年に『別冊花とゆめ』で『オトメン(乙男)』(菅野文)が登場して[449]2009年にドラマ化され、同年に「オトメン」が流行語となった[450]。またメイド喫茶の流行と共に「萌え」が一般人へも広がって2005年に流行語となり[451]、少女漫画では少年にメイド服を着せた作品が登場した。2006年には『LaLa』でメイド喫茶などを舞台とした『会長はメイド様!』(藤原ヒロ)が(2010年にアニメ化)、2008年には『B's-LOG COMIC』で擬似家族物の『少年メイド』(乙橘)が登場し(2016年にアニメ化)、同2008年には『なかよし』でも萌え少年をテーマとした『萌えキュン!』(桃雪琴梨)が、2009年には『ちゃお』でも『メイドじゃないもん!』(いわおかめめ)が登場している。
またゲーム会社「エニックス」によりファンタジー物を中心とする少年漫画誌「月刊少年ガンガン」(1991年)及びその派生誌「月刊Gファンタジー」(1993年)が登場し[注 30]、1999年にはその派生として少女漫画誌『月刊ステンシル』が登場した。その後、2001年にエニックスお家騒動が起きるとエニックス社員の一部が独立して新会社「マッグガーデン」を立ち上げ、一部の連載漫画もマッグガーデンの新雑誌「月刊コミックブレイド」へと移籍されることとなった。少女漫画では『月刊ステンシル』に連載されていたヒーリング漫画『AQUA』(天野こずえ)が移籍されて『ARIA』となり、2005年にアニメ化されて人気となった。