少女歌劇
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『ベルばら』ブーム後の宝塚人気の影響で、1975年頃より日本歌劇学校の志願倍率が増加に転じた[21]が、その後大幅に低下し、1970年代後半の入学者は定員を大幅に割り込み一桁となった[22]

1987年(昭和62年)以降は近鉄劇場にて年一度ミュージカルを定例化させ、大阪中心部での公演を再開。姉妹関係にあり東西で住み分けをはかっていたSKDがレビューを中止したことを受け、OSKは1992年(平成4年)以降は東京公演を復活させた。ミュージカルでは小説を原作にした話題作・佳作を発表していたが、不況の影響から2002年(平成14年)に親会社の近鉄が支援打ち切りと翌年の解散を通告した。

OSKは2003年(平成15年)には一時解散を余儀なくされたが、解散通告を受けたOSKの劇団員は存続活動を行った。その甲斐あって、翌2004年(平成16年)にNewOSK日本歌劇団として旗揚げ。かつての親会社だった松竹系列の劇場での本格的なレビュー公演や小中劇場での公演を継続している。しかしながら、その後も経営状況が改善した訳ではなく、NewOSKは2007年(平成19年)に民事再生手続きを行った。事業は別会社に譲渡されOSK日本歌劇団に名を戻し、その後株式会社として独立した。

OSKの一時解散に前後し、新たな劇団等が複数誕生した[23]。かつてOSKが公演を行っていた旅館である加賀屋はNewOSKへ残留しなかった元団員の一部を受け入れる形で、新たに専属劇団である雪月花歌劇団を新設した。またNewOSKへ残留しなかった元団員の一部は歌劇★ビジューを結成した。この他、元団員による、レビュー団体・教室等が開設されている。
現在

専用劇場を有し圧倒的な規模を誇る宝塚歌劇は、1980-90年代にかけチケットを2倍以上にまで値上げした[注釈 6]。それでも2000年前後までは劇場稼働率9割台を誇っていた[24]が、2010年前後にはチケットが完売することは稀になっており、集客力のあるスターの確保・育成とファン層の拡大が大きな課題となっていた。

2013年長崎県佐世保市テーマパークハウステンボス」のアトラクションとしてハウステンボス歌劇団が結成され、翌2014年からはハウステンボス歌劇学院が併設された。出演者・スタッフは宝塚・OSKの出身者が主体であり、音源にはOSKのものを使用する等、双方から強い影響を受けている。さらに2016年には、愛知県蒲郡市ラグーナテンボス(旧ラグーナ蒲郡)へ進出した[25]。海外公演、外国人観光客の誘致も視野に入れた活動を展開している[26]

また、地域活性化のためとして、堺少女歌劇団が2014年(平成26年)に、在校生を中心として結成された梅花歌劇団(劇団『この花』)が2016年(平成28年)にそれぞれ誕生した。いずれも、宝塚出身者がスタッフを務めている。

2017年(平成29年)、宝塚歌劇団は本拠地で年度119万人の動員に成功し、過去最高を更新した[27]。また、同年にはOSKが道頓堀角座にて、外国人観光客向けの日本物レビュー公演を開始。OSKにとって、大阪中心部における久方ぶりの長期定期公演となった。

2020年(令和2年)春、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、宝塚歌劇団及びOSK日本歌劇団は公演中止を余儀なくされ、また雪月花歌劇団も長期にわたる活動休止状態となった。ハウステンボス歌劇団は、テーマパーク以外の拠点として福岡市東区の新興開発エリアに「歌劇ザ・レビューシアター」を開業した。

2021年(令和3年)、熊本県で096k熊本歌劇団が旗揚げされた。母体は漫画を主体とした出版事業を手掛けるコアミックスであり、女性のみにより、男役を有するミュージカル公演を行っている。
主な団体

前述の三大少女歌劇の他にも、大正から昭和にかけて日本各地に大小さまざまな団体が多数存在したが、詳細が明らかになっていないものも多い。大正?昭和時代の団体に関する情報の多くは倉橋滋樹・辻則彦(2005)[28]によるものである。

以下に、現在および過去に活動している主な団体を列記する。
現在 活動している団体

五十音順)
恒常的に公演を行っている団体
OSK日本歌劇団
大阪府大阪市1923年(大正12年) - 。最初は松竹楽劇部、1934年(昭和9年)に大阪松竹少女歌劇団(OSSK)、戦後1947年(昭和22年)に大阪松竹歌劇団(OSK)、1967年(昭和42年)に日本歌劇団(NKD)、1970年(昭和45年)にOSK日本歌劇団に改名。1957年(昭和32年)以降は松竹から独立している。2003年(平成15年)の近鉄支援打ち切りに際し、一時的にNewOSK日本歌劇団を名乗っていた。約50名の団員がおり、松竹系列の松竹座南座新橋演舞場等での公演を中心とする他、小中劇場での公演を行い、年間を通じて活動。入団は独自の養成機関であるOSK日本歌劇団研修所(二年制)出身者に限られる。かつては学校組織として日本歌劇学校(二年制)を有した。1956年(昭和31年)から2003年(平成15年)まで、奈良県奈良市の近鉄あやめ池遊園地を本拠地とし、長期の定期公演を行い、日本歌劇学校も隣接していた。
096k熊本歌劇団
熊本県熊本市・同県阿蘇郡高森町:2021年(令和3年) - 。株式会社コアミックスにより旗揚げ。劇団統括は堀江信彦(コアミックス代表取締役)。本拠地の熊本は堀江の出身地である。漫画のキャラクターを女性のみによって演じる(=男役を有する)ことを特色として、漫画のあらたな魅力や可能性を表現する。劇団名は熊本県の市外局番096に歌劇団のkを合わせたもので「おくろっく」と読む。熊本市の桜の馬場 城彩苑内の施設熊本城ミュージアムわくわく座内ステージを本拠地劇場として定期公演を上演し、阿蘇郡高森町のアーティスト育成施設アーティストビレッジ阿蘇096区内に稽古場と寮を置く。


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