小隊
[Wikipedia|▼Menu]
NATO軍の歩兵小隊を表す兵科記号

小隊(しょうたい)とは、通用語としては、小人数の一隊をいう[1][2]。一方、軍事分野では、軍隊編制上の一単位であり、中隊より下位で分隊より上位の部隊を指す[1][3][2]

英語(事実上の国際共通語)では "platoon[4][5][6](en,wikt:en:. 1706年初出[7]日本語音写形:プラトゥーン、慣習音写形:プラトーン)[注 1]で、略語には "plat. [8]と "Pt" [要出典]がある。なお、日本語音写形の「プラトゥーン」および「プラトーン」は、外来語として全く通用しないものでもない[9][10]

軍事分野でいうところの「小隊」は、おおむね2 - 4個の分隊(陸上自衛隊普通科連隊においては)で編成され、兵科、装備、時代・任務内容などによって規模はさまざまであるが、おおむね10 - 50名程度の兵員を有する。下位に「分隊」を設ける場合には、30 - 50名程度となることが多い。指揮官には、下級将校または上級下士官が補職される。
起源

中世時代以前の部隊編成は百人隊長などおおむね100名程度を1名の指揮官が指揮する編成でその下には10名単位の分隊しかなく現代の小隊は存在しなかった。

小隊はもともと組織ではなく射撃単位だったが、このシステムは1618年にスウェーデンのグスタフ2世によって発明されたと言われている。[11] 1670年代のフランス陸軍では、大隊は18個小隊に分割され、3個の射撃単位に分割された。戦闘中の各小隊は交互に発砲と再装填を繰り返す。[12]このシステムは、イギリスオーストリアロシアオランダの軍隊でも使用された[13]
歩兵小隊ドイツ連邦軍陸軍小隊。1個隊は小隊長を含め50名で編成される。

小隊は、士官が指揮を執る最小の部隊である。これは、軍務の経験が浅い者が、隊長になって数十名の部下を指揮することを意味する。それもあって、歩兵が密集あるいは整列して戦った時代に、小隊の役割は小さかった。隊形の変更・前進・射撃などの命令を発するのは中隊長であり、個々の兵士を監督するのは下士官の仕事で、小隊と小隊長は中継点にすぎなかった。

ところが、隊形を崩した散兵戦術が有利とされると、中隊全員が1か所にまとまって戦闘に入る機会は減った。日本では既に日露戦争で小隊を射撃の指揮単位にしたが、戦後は小隊長の経験・能力不足を理由に中隊に引き上げた。しかし結局さらに徹底して細分せざるをえず、射撃の単位は数名レベルまで下りることになった[14]

小戦闘が増えた日中戦争では、小隊長にも複雑な戦術判断が求められるようになった。そのため、実戦経験に乏しい若年の小隊長が、勤務期間や召集期間の長い下士官や古参兵に侮られる場面が出てくるようになった。この種の問題と解決方法は各国とも同じで、小隊の最上位の下士官を小隊軍曹などとして小隊長の補佐に付け、実務上の指導的な役割を任せている。
飛行小隊

空軍においては、英語 "flight" の数ある語義の一つに「(アメリカ空軍の)飛行小隊」がある[15]。日本語でもこれを外来語として導入し、「フライト」と称する例がある。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:44 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef