小豆島
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特にオリーブは国内栽培の発祥地として広く知られる[2]。また、小説『二十四の瞳』の作者壺井栄の故郷としても知られ[注釈 3]、小豆島をロケ地として、同小説はこれまで2回映画化された。
地理

姫路淡路島四国家島諸島小豆島明石海峡播磨灘大阪湾鳴門海峡紀伊水道
ランドサット7号 (Landsat 7) が撮影した小豆島周辺海域。
※表示環境によっては文字がずれることがあります。
地形図オリーブ林と内海湾

小豆島は、香川県の県庁所在地高松市の約20km北東沖に位置し、同県最大の島である[3]。正確には二つの島で、両島間にはギネスブック認定の世界で最も幅の狭い土渕海峡(最狭幅は9.93メートル)があるが古くから橋で陸続きであり、慣例的に一つの地域として扱われている。特に区別する際には小さい方の島(海峡を挟んで西側の島)を前島(まえじま)と呼ぶこともある。

瀬戸内海では淡路島に次いで2番目の面積で、日本の島においては19番目の大きさである。横に向いたが西を見ているような特徴的な形で海岸線は変化に富み、多数の半島入江がある。南側には池田湾、内海湾がある。温暖な瀬戸内海式気候を活かし、オリーブミカンスモモなどの栽培が行われている。

本州島四国島から橋梁、トンネルなどでつながっていない非架橋の島としては、瀬戸内海で最多の人口を有する島である。また、2023年時点では空路が存在しないため、船でしか渡れない離島としては日本国内で最多の人口を有する島である。一日に発着するフェリーの本数は日本有数である。

2013年6月23日までは面積100km2以上の非架橋有人島(北方4島を除く)としては、(沖縄県の離島振興も含め)離島振興法などのいずれの振興法も指定を受けていない日本で唯一の例だった。同年6月24日から国土交通省よりの離島振興法の指定を受けた。離島振興法を活用することにより、2023年までの人口減少率を10%以内に抑えることを目指している[4]

島の中心部には、瀬戸内海の島で一番高い山である星ヶ城(ほしがじょう、817m)があり、瀬戸大橋大鳴門橋明石海峡大橋を同時に見渡せる。

面積153.30km2(国土地理院のデータによる)

海岸線の長さ126km

寒霞渓を始めとする渓谷・自然が瀬戸内海国立公園に指定されている。

この島の生物相は、「天然の博物館」と呼ばれるほど生物の種類に富んでいる前島 (岡山県)も参照)。島内には江戸時代、による農業被害を防ぐためしし垣が島内を一周するように120キロメートルにわたり築かれた。島内の猪は明治初期に発生した豚熱でほぼ絶滅したが、近年は農作物が荒らされるようになり、2019年度には2039頭が捕獲された[5]

海底地形の理由から電力の開通以来、2016年4月の電力自由化の前は全域が中国電力の供給区域となっていた。

小豆島で話される方言讃岐弁に分類され、東讃の言葉に近いとされるが、東讃では代表的な讃岐弁「?やけん・やきん(=?だから)」を用いないなど異なる面も多い。かつての地理的な影響から上方の方言・中国方言等の語彙等も多く見られる。小豆島の島内でも地域により言葉が若干異なり、アクセントに関しても旧池田町付近は高松式、旧内海町北部は観音寺式、南部は本島式、土庄町は土庄式と差異がある。なお「しょうどしま」は、香川県主部も含め「しょ」にアクセントを置いて発音されるように聞こえる。
歴史

小豆島について文献に見える最古の記録は『古事記』の国産みの段で、伊邪那岐命伊邪那美命のまぐわいにより「小豆島」(あずきしま)、亦の名を「大野手比売」(おおぬでひめ、おおぬてひめ、大鐸姫、阿豆枳島神社の祭神)が生まれたと記述されている。「おおぬでひめ」の「鐸」は銅鐸のことで、実際に三五郎池の西側から銅鐸が出土している。

小豆島は古代から吉備国児島郡に属し、吉備国が分割された後も備前国に属すなど、中世までは本州側の行政区画に組み込まれていた。平安時代初期からは皇室御料地となるが、1347年(貞和3年)にはそれまで南朝に呼応して島を支配していた飽浦信胤細川師氏に攻められて倒されて以後、島は細川氏領となり皇室領は解体された。またこの細川氏は讃岐国守護であり、この時から政治的な支配者という側面では本州側の手を離れ、四国側に移っている[6]

実質的にはこの時(1347年(貞和3年))から小豆島は讃岐国へと所属が変わっているが、書簡などに見られる名称に讃岐国あるいは讃州という呼称は定着せず、依然として備前国という呼称が用いられていた。このような状態は江戸時代の1689年(元禄2年)の文書まで見られたが、以降、宝永年間からはようやく讃岐国あるいは讃州という呼称が定着し、備前国という表示は行われなくなった[7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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