なおその整備に先駆け、2010年3月からは地デジ難視対策衛星放送(BSセーフティーネット/標準画質放送)が本放送を開始し、小笠原村はその対象地域に含まれることとなった。それに伴って同年6月30日、旧来の衛星回線によるアナログテレビ放送の送信が終了した。ただし父島・母島の両テレビ中継局は、NHK-BSの2波、およびBSセーフティーネット放送の対象外であったTOKYO MXの計3波を送出する地上アナログテレビ中継局として存続した。
2011年5月18日、小笠原村ケーブルテレビによる在京各局の地上デジタル放送(ハイビジョン画質)の試験放送が開始され、村はBSセーフティーネット放送の対象地域から外れた。同年7月24日には地上アナログテレビ放送終了日をもって父島・母島両中継局も廃局となり、後述の通りラジオ中継局として転用された。
以上の経緯により、現在小笠原諸島内では地上デジタルテレビ放送の電波を送信する中継局はない。 局名父島母島 2013年3月31日、父島・母島それぞれにNHKラジオ第1・第2・FM放送の3波すべての中継局が設置された。これは2011年までアナログテレビ放送を送信していた中継局を転用したものである。外国波による混信対策のため、中波のNHKラジオ第1・第2も含めFM波での送信である。他のラジオ局の中継局は設置されていない。 なおインターネット環境があれば、インターネットラジオ「radiko」および「NHKネットラジオ らじる★らじる」は23区・多摩地域と同様のサービスが利用できる。 小笠原諸島には長らくラジオ中継局が存在しなかったため、超短波(FM)放送は異常伝播時以外は全く聴くことができず、中波放送(AM)も一部地域を除き電離層に反射して届く夜間に限り聴くことが出来る程度であった。日中に直接受信で聴取可能だった放送は短波放送(ラジオたんぱ=現・ラジオNIKKEIや、NHKワールド・ラジオ日本の国外向け日本語放送[注釈 7]など)に限られ、1990年代以降は放送衛星によるCSラジオ・BSデジタルラジオ[注釈 8]が加わったものの、在京ラジオ各局の安定的な聴取は2010年のradiko試験運用開始(ただし村内の高速インターネット回線整備は2011年)、および2013年のNHKラジオ中継局設置まで待たなければならなかった。 父島と母島にそれぞれ村営診療所があり医師と歯科医師がそれぞれ常駐している。問診のみならず、一般的な血液検査機器(自動血球計算器、自動生化学測定器など)および、超音波画像診断装置、上部消化管内視鏡、単純X線撮影装置、X線透視装置、ヘリカルスキャンCT装置が両島に配備されている。これは特に母島診療所においてこの規模の離島としては国内に類を見ない設備[73]である。これを補完するために専門医による診療は定期的巡回診療の際に行われる。 診療所で対応困難な急病人が発生した場合は村役場からの連絡を受け、東京都知事が海上自衛隊に出動要請を行って海上自衛隊機で搬送することになる(後述)。 本土から小笠原諸島へは非常にアクセスしにくいため、島内で急を要する重病が発生した場合は自衛隊や海上保安庁による搬送が行われる。海上自衛隊硫黄島航空基地所在の救難ヘリコプターにより一旦硫黄島へ向かい、硫黄島から自衛隊や海上保安庁の航空機によって本土に搬送される方法、または海上自衛隊岩国基地所在の第31航空群第71航空隊が海上自衛隊厚木基地に常時1機待機させている救難飛行艇で本土へ搬送する方法があったが、現在は厚木への前進待機が中止されている為、全て硫黄島経由で搬送されている。以前は小笠原のヘリポートに夜間照明が設置されていなかったため「夜間に発病すると手遅れ」とも言われていた[52]が、現在は夜間でも搬送ができる。 父島と母島以外の島行の公共交通機関又はそれに準ずる一般客向け輸送機関は存在しない。また、父島や母島へ行く場合も交通手段はおがさわら丸、ははじま丸のみ。
ラジオ
NHK東京
FM79.6MHz79.6MHz
NHK東京
第182.6MHz82.6MHz
NHK東京
第284.6MHz84.6MHz
医療
急患搬送
交通父島・二見港(奥におがさわら丸が接岸中)おがさわら丸(父島二見港)ははじま丸(母島沖港)共勝丸(東京港月島ふ頭)待機中の小笠原村営バス
父島へのアクセス
小笠原海運「おがさわら丸」
東京港(竹芝桟橋)と父島(二見港)を結ぶ貨客船(所要時間24時間、おおむね観光シーズンは3日に1便、オフシーズンは6日に1便就航)。片道運賃は等級によって異なり、2万2570円 - 5万6490円、夏期 2万5100円 - 6万2790円)。2016年(平成28年)7月、新造船である 3代目おがさわら丸の就航により所要時間が約1時間30分短縮された。
テクノスーパーライナー (TSL)「SUPER LINER OGASAWARA」(最高時速約70km、総トン数1万4500トン、乗客数740人)が2006年春以降に就航する計画があり、実現できれば所要時間は約17時間に短縮される見込みだった。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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