リー・マーヴィンの吹き替えは『捜査ファイルX』以降多くの作品で担当した。本人によれば声を出すのが一番難しいらしく、「彼は低い声だけでなく、張る声が多い。だから、(声を当てるときは)こちらも低いだけじゃなく、張りが必要になる」ため、非常に苦労したと語っている[37]。
トミー・リー・ジョーンズの吹き替えは、菅生隆之に次いで多く担当。寺田貴信によるとジョーンズ来日のニュースが載ったスポーツ紙を持ち、逸話を語ると同時に「とても良い俳優さんだ」と話しており、大変気に入っていたという[54]。2013年には「印象に残る俳優」を訊かれるとすぐに顔が浮かぶとしており[38]、初担当した『JFK』を印象深い作品と述べたこともある[55]。前述の菅生には冗談を交えつつ「気取った声を出してちゃダメだよ」等のアドバイスも送っていたといい、その後も小林自身はジョーンズの再演を希望していたが、2013年の『マラヴィータ』が最後の担当となった[37]。 アニメ『ルパン三世』シリーズにおいては、メインキャラクター5人のうち小林のみが1969年のパイロット版から2021年までの50年以上、一貫して次元大介役として出演[注釈 3][35]。数多くの作品に出演する中でも、特に「小林清志といえば次元大介」と言われ、自他共に認める代表的キャラクターであった[56][57]。 2019年に原作者のモンキー・パンチが死去して以降は、アニメ『ルパン三世』の製作に最も長く携わる人物となっていた[56]。 モンキー・パンチによると、元々次元のイメージは映画『荒野の七人』に出演したジェームズ・コバーンであり[58]、そのイメージからコバーンの吹き替えを持ち役としていた小林が次元役に決定したということである[59]。そのため、他のメインキャラクターと異なり次元役の候補者は、小林のほかにいなかったという[48]。 小林は原作について「以前からチラチラ読んだことがあった」と述べており、「まさか、自分が関わるとは……。それでも二枚目というより、洒脱(しゃだつ)でダンディーな次元は、やりがいのある面白い役だとそそられました」と起用された当時を回想している[60]。 小林は『ルパン三世』について「こんな人気作になるとは思わなかったね。昔は色々な仕事のうちの一つぐらいに思っていた」と振り返っており[19]、2014年時点では今後について「制作の人の判断」としつつも、「できる限りやらせてもらいたい」「ダメになったら俺からやめるよ」と発言していた[61]。また、「ルパンの伝統を託されたと思って、歌舞伎の十八番のようにいつまでも演じ続けたい。昔のルパンが持っていた魅力を残していきたいね」とも発言していた[53]。なお、2011年にメインキャストの交代があった際は、次元も交代となる予定が「どうしても適任者が見つからない」という理由で続投となっている[62]。 小林のコメントによると、次元の声は完全に地声であり、今まで演じてきた役の中で、最も無理をせずに自分にとって楽なトーンでしゃべれる役だという。意識していなくても他人から「次元ですね」と言われることもあるといい、これに関しては「役者冥利に尽きる、ありがたい話だ」と喜びを表している[19]。また、「次元は自分の集大成であり代名詞的な存在」とも語り[63]、インタビューではよく「自分の分身」だと語っていた[56][60]。 次元を演じ始めた当初については「次元の持つ『鋭さ』を出すのが難しかった」といい、「葛藤を通り過ぎると自分のものになったというか、自分が次元に近づいていった」と述べている[64]。また、次元を演じる際は「おこがましい話」としつつも「俺がしゃべれば次元だ」「俺が演じる次元が次元大介なんだ」という自負やプライドを持ちながら取り組んでいたという[60][65]。 1990年代からは、別作品でも次元を意識した役を務めることが多く、1999年には「そういう(次元大介調で、という)注文が多いんだよね」と語っていた[66]。また、バラエティ番組のナレーションでは次元がナレーションをしているように捉えられる演出がされることもあった。
次元大介
起用
エピソード
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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