小林清志
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また、マイクのポップガードは使用しない姿勢で、付いていた場合は退けるように注文していたという[49]

アニメのアフレコの際に画がほとんど入らないことに対しては「どの番組でもオンエアには間に合っているんだから、我々が声を入れる時に画を間に合わせられないっていうことはないはずなんですがね」と難色を示しており「世界に誇る日本のアニメは、『輸出すれば、海外の俳優が声を入れるんだから、(国内のアフレコは)この仕組みでいい』という感じかも知れませんが、それじゃあ『声なんてどうでもいい』と言われてるみたいでね。この状況を少し考えたほうがいいんじゃないかと思いますね」と苦言を呈している[38]

役作りに関しては、「どんな役でもリアリティーがないとおもしろくない」と述べ、「下手に作ってやると、嘘になり、自分が納得できない声になっちゃう。自分の感性で(役柄を)捉え、リアリティーを大事にしている」と発言している[19]。また、演じる際は「声のチューニング」を大切にしており、「台詞をどんな声の調子、コードで演じればいいか一番気になります。音楽に例えれば、ハ長調でいくのかイ短調がいいのかが初めに決まれば、後は自然と軽快な演奏になっていくといった具合かな」と述べている[50]

「声優」という肩書で呼ばれることには抵抗があり、文書などの職業欄には「俳優」と書くと公言している。その理由について「舞台の芝居ばかりやっていたから、『生でやっている俳優』という意識が強いんだと思います」と語っている[38]

テレビへの顔出し出演について、ナレーション業が多くなってから[注釈 2]は「実物が出てきて見ている人に印象づけるより、顔を隠したほうがいい」との考えから断る傾向がある[38]。バラエティ番組『大胆MAP』の声優特集では、上記の理由から電話で声のみ出演、宣材写真にもNGを出したため、代わりにほっしゃん。が描いた似顔絵が公開された。50年来の付き合いで銭形警部役だった納谷悟朗が死去した際には「戦友だから出ないわけにもいかない」との理由で、2013年3月12日放送分の『ZIP!』にて顔出しのインタビューに答えた[38]
吹き替え

ジェームズ・コバーンの吹き替えは、「(コバーンと)口が似ている」という理由で起用されてから、約40年にわたりほとんどの作品で担当した[51]。最初にコバーンを吹き替えた作品は『荒野の七人』であった[20]。小林は、コバーンの吹き替えを「初めての持ち役」としている[52]ほか「自然にできる役」として次元大介(後述)と共に挙げており[53]、コバーンが亡くなった際には「これからと思っていたのに…。まるで肉親が亡くなったような、落ち着かない妙な気持ちです」とコメントしている[51]。自身が吹き替えた印象深いコバーン出演作には、『荒野の七人』と『電撃フリント』を挙げている[52]

リー・マーヴィンの吹き替えは『捜査ファイルX』以降多くの作品で担当した。本人によれば声を出すのが一番難しいらしく、「彼は低い声だけでなく、張る声が多い。だから、(声を当てるときは)こちらも低いだけじゃなく、張りが必要になる」ため、非常に苦労したと語っている[37]

トミー・リー・ジョーンズの吹き替えは、菅生隆之に次いで多く担当。寺田貴信によるとジョーンズ来日のニュースが載ったスポーツ紙を持ち、逸話を語ると同時に「とても良い俳優さんだ」と話しており、大変気に入っていたという[54]。2013年には「印象に残る俳優」を訊かれるとすぐに顔が浮かぶとしており[38]、初担当した『JFK』を印象深い作品と述べたこともある[55]。前述の菅生には冗談を交えつつ「気取った声を出してちゃダメだよ」等のアドバイスも送っていたといい、その後も小林自身はジョーンズの再演を希望していたが、2013年の『マラヴィータ』が最後の担当となった[37]
次元大介

アニメ『ルパン三世』シリーズにおいては、メインキャラクター5人のうち小林のみが1969年パイロット版から2021年までの50年以上、一貫して次元大介役として出演[注釈 3][35]。数多くの作品に出演する中でも、特に「小林清志といえば次元大介」と言われ、自他共に認める代表的キャラクターであった[56][57]

2019年に原作者のモンキー・パンチが死去して以降は、アニメ『ルパン三世』の製作に最も長く携わる人物となっていた[56]
起用

モンキー・パンチによると、元々次元のイメージは映画『荒野の七人』に出演したジェームズ・コバーンであり[58]、そのイメージからコバーンの吹き替えを持ち役としていた小林が次元役に決定したということである[59]。そのため、他のメインキャラクターと異なり次元役の候補者は、小林のほかにいなかったという[48]

小林は原作について「以前からチラチラ読んだことがあった」と述べており、「まさか、自分が関わるとは……。それでも二枚目というより、洒脱(しゃだつ)でダンディーな次元は、やりがいのある面白い役だとそそられました」と起用された当時を回想している[60]
エピソード


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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