小学校
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小学校の通学距離については、おおよそ4km以内を目安と政令で定められている[7]

高度経済成長期の小学校は、児童の人数も多く、一定のエリアにほぼ必ず存在する公的施設として、地域家庭との密接な関係を基にした社会の基本的なインフラとしての役割を果たしていた。その内容として校庭や学校施設の積極的な地域への開放などが進められてきた。また、1960年代から1980年代にかけての、高度経済成長期から安定成長期の頃には小学校独特の文化があり、下記のような1969年放映の「ジャンケンケンちゃん」のオープニングの歌詞にその文化を示すものが列挙されている。

ランドセル - 半ズボン - 名札 - 通学帽 - 通学班 - 緑のおばさん - 給食 - 体操着 - 鼓笛

しかし、バブル崩壊後(特に2000年以降)では、社会から学校を守る、あるいは社会と学校の間の距離感を適切にコントロールすることに保護者や社会の関心が移らなければならない状況にあり、また、上記にあるような半ズボン名札通学帽緑のおばさんなどの高度経済成長期の小学校の文化も次第に衰退した。その背景には、2001年大阪教育大附属池田小事件以降、学校への侵入や登下校に際して児童が犯罪に巻き込まれる例が目立つことや、広い意味でのプライバシーの意識の高まりなどが挙げられる。
学習活動中心の小学校

明治時代の初期、義務教育制度が始まったころには、日本の小学校は学習活動を中心としていた。しかし、学校の機能が増加するにつれ在籍者生活安全についても考慮されるようになったと考えられている。
各国の小学校
アメリカ

アメリカではElementary schoolと呼ばれ、6-10歳までの5年課程であり、義務教育である。小学校教育の初めの1?2年ぐらいまでのことを児童期教育(early childhood education)と呼ぶこともある。毎年約370万人の児童が小学校に入学している。初等教育は、幼稚園が義務教育であり小学校が6年まで設置されている学区では7年間、幼稚園が義務教育ではなく6年生から中学校に進む学区では5年間、飛び級が許されている場合にはさらに短くなる。9年生から高等学校に進む学区では中学2年生(8年生)までを初等教育とする場合もある。このように教育制度は州よって異なる。
イギリス

イギリスではPrimary Schoolは5-11歳までの6年課程であり、義務教育である[8]。State School(公立学校)とPublic School(私立学校)がある。学期は3学期制で9月から始まり翌年の7月に終わる。イギリスでは1学年に決められた教科書はなく、Key Stage(キーステージ)と言われる2.3学年ごとにまとめられたカリキュラムを個人のレベルに合わせて進めていく教育方針をとっている。
オランダ

オランダにおいてはBasisschoolと呼ばれ、4-12歳までの課程である。Basisschoolで行われグレード(学年)は8段階あり、小中一貫教育と見ることができる。義務教育の間は国からの補助があり、公立も私立も無償である。学期制はなく、8月1日に始まり7月31日に終わる。
スペイン

スペインにおいては6?12歳までの6年課程で義務教育である。コレヒオ・ポブリコ(公立学校)、コレヒオ・プリバード(私立学校)、コレヒオ・コンセルタード(準私立学校(準私立学校とは州政府からの補助金と各家庭が負担する費用で運営されている小学校のこと))の3種類に分類される。学期は3学期制で9月初旬から始まり翌年の6月下旬に終了する。
フランス

フランスにおいてはエコール・プリメール(ecole primaire)と呼ばれ、6-11歳までの5年課程であり、義務教育である[9]。新学期は9月から始まり翌年の7月に終了する。授業は週に5日で、毎週水曜日は午前中のみの半日授業である。成績優秀者には飛び級制度、一定レベルに至らない場合は留年制度もある。教科書は購入する必要はなく、貸し出し制である。市や学校が使用する教科書を決めるのではなく各クラスの担任に決定権がある。決まった時間割はなく担任の先生が1日の予定を決定する。
ドイツ

ドイツにおいては基礎学校(Grundschule)と呼ばれており、6-10歳までの4年課程であり、義務教育である[10]。原則として入校試験などはない。修了後は卒業という形式は行われず、上部学校の5年生として「編入」という形式で学業を継続するということになる。
イタリア

イタリアにおいては正式名称をScuola primaria(スクオーラ・プリマーリア)一般的にScuola elementare(スクオーラ・エレメンターレ)と呼ばれており、6-11歳までの5年課程で、義務教育である。公立小学校の生徒数は2009年3月20日の共和国大統領令で1クラス最小15人?最大26人(下限・上限に10%の増減可)と定められている。早生まれの子どもは親の判断で翌年に入学を伸ばすことができる。クラス替えと担任の交代はなく5年間同じ生徒たちと学ぶ。
ポーランド

ポーランドにおいては小中学校(szko?a podstawowa、シコワ・ポドゥスタヴォーヴァ)が存在し、7-15歳までの8年課程であり、義務教育である。2017年の教育改革で7歳の児童は小学校と中学校を一体化した小中学校に入学する。ランチタイムがなく休み時間にそれぞれが好きなタイミングで昼食をとることができる。6段階評価の成績で複数の教科で最低評価(評価1)がついてしまうと留年することがある。
ノルウェー

ノルウェーにおいてはBarneskoleという7年間の6-13歳の課程が存在し、義務教育である。学期は2学期制で8月中旬から新学期が始まり6月中旬に終了する。テストは家庭内で実施され親や家族と結果を共有する。成績通知表はなく、教員による助言が記される。
ロシア連邦

ロシア連邦においては6?10歳の4年課程で義務教育である。飛び級はなく入学から4年間通してクラス替えはない。教育省に定められたカリキュラムを行うことを義務付けられており学校ごとの独自性はない。
台湾

台湾においては国民小学が存在する。かつての国民学校から改組された。学期は2学期制で上学期と下学期に分かれ上学期は8月1日?1月31日、下学期は2月1日?6月30日というふうになっている。公立小学校の学費は無料である。

科目は、中国語(国語)、英語、数学、社会、自然生命科学、保健体育、美術、音楽、コンピュータ、生活科、弾性(学校独自の自由科目)、総合科[11]
中国(本土)

中国本土においては“小学”と呼ばれる。かつては初級小学(4年)、高級小学(2年)、完全小学(5年)の3種類に分かれていたが、現在は6‐12歳の6年制であり、義務教育である。
韓国「大韓民国の教育」も参照

韓国では初等学校と呼ばれる、6-12歳の6年制の義務教育である。全国5384校の初等学校のほとんどが公立である。日本統治時代に、韓国という国は消滅しており、2度とそのようなことがないように韓国人としての誇りや韓国文化が教育上で重視されているといわれている。初等学校ではすべての教科書が国定教科書であり、他の国とは違う。
発展途上国の小学校の環境

主に開発途上国などにおいても、学校はあくまで学習活動をする場であり、生活指導や安全指導が行うことは少ないといわれている。事件事故で学校の責任が問われないともいわれている。日本の小学校を象徴しているような文化も、多くは存在しないといわれている。
関連施設

飼育小屋
- 小学校などでカイウサキ、ニワトリ、チャボなどの学校飼育動物(英語版)を飼育する小屋。日本の学校において、いつから学校飼育動物が飼われるようになったかは不明であるが、1907年に教育学者の棚橋源太郎は、滋賀県の小学校でなく学校園を視察した際に、教育目的でニワトリを飼育していると記述している[12]。1908年の松田良蔵の記録では、東京高等師範学校附属小学校で数年前からウサギを飼育していたとされる[12]。文部科学省では、小学校学習指導要領において、動物飼育に関する規定の規定がある。ただし、平成19年度(2007年)の調査では79%の小学校で学校飼育動物が飼われていたが、令和4年度(2022年)の調査では21%に低下しており、教師の負担などが指摘されている[13]

プール ‐ プール授業は昭和30年代に子どもの水難事故が続発したことから普及した。教育者への負担、維持費などの課題が指摘されている[14]

脚注[脚注の使い方]
注釈^ このため公立大学法人の附属学校である都留文科大学附属小学校は都留市が設置者になっている。
^ 過去に29歳で編入学した例があったが、法的にはこういった例は想定外であった。「児童」の呼称から判断すると、20歳以上の人の在学はイレギュラーなものと考えられる。
^ ただし、教育施設でないものが「小学校」の名称を使っている例として、私立さくらんぼ小学校のような事例がある。
^ 大学の教育組織単位として呼称される「学部」とは異なる。
^ 高校の場合はその他にも「早稲田大学の附属高校」が「高等学院」と名乗ったり、高等専修学校の一部が「高等学園」と名乗るなど、幾つかのバリエーションが確認されている。


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