小学校受験
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その他
個人または集団制作

巧緻性や指示を守ることが出来るか否かを検査するもので、「図画」「工作」などがある。画用紙クレヨンはさみのり粘土セロテープなどを使用する。
行動観察

協調性や社会性、基本的な生活習慣を検査するもので、「自由遊び」「共同制作」「食事(弁当、おやつ)」などがある。
子供だけで電車・
バス通学することが多いため、基本的なマナーも検査の対象となる。
運動

心身の健康状況や指示された行動を取ることが出来るか否かを検査するもので、跳び箱ボール平均台鉄棒マット等を使用したものや、模倣体操ゲーム等がある。
抽選

おもに国立小学校の入学者選抜において実施されるもの。学校により、入学考査前・入学考査後、あるいは両方で実施される。
出願人数が一定数を超えた場合のみ入学考査前の抽選を行う学校もある。
抽選を行う理由は、単純に出願者が大変多いために考査を行うことができる人数まで公平に絞り込むことと、公立校に通う子供とかけ離れた高成績の子供だけを入学者にすると学習指導要領の試験校として適切ではない(試験校に通う子供や家庭では成果が認められた内容でも、公立校に通う子では内容についていけず難しいケースが生じる)ことから平均性・ランダム性を持たせるためが多い
[15]

考査当日、保護者の前で担当者が抽選器を使用したり、中が見えないボックス等の中からカードを取り出すなどでくじを引いたりして、受験番号を元に当選者のみが次の段階に進む対象者となる。

近年はこの方式に対する批判の声が強まった所為か抽選制度を停止する学校が増加している。
書類審査

どの小学校でも基本的に行われる。願書に名前や住所などの基本事項のほか、両親の出身大学・職業・年収などを記入する学校や、子供や両親をよく知る者が書いた推薦書、両親の履歴書を同封させる学校もある。
一方で、単純に基本事項と志望動機ぐらいしか書くことがなく、必要なことはすべて面接で確認するという学校も少なくない。
どこを重要視するかは学校の方針によって様々である。
アンケート・作文

子供ではなく親が対象となる考査。
学校や学園の方針や考え方をどれだけ理解しているか、両親の考えが一致しているか等を確かめるため、特定のテーマに従ったアンケートや
作文を提出させることがある。
事前に「〇〇について」とテーマを指定して提出させる、考査当日に両親にそれぞれ用紙を渡してその場で書かせるなどがある。
特定の書籍を指定し、各自で購入して感想文を書かせる学校もあり、その場合の対象書籍は元学長・校長など関係深い人物の著書が選ばれることが多い。
推薦

子供のことをよく知る幼児教室や幼稚園・保育園教師の推薦による考査。
第一希望入試前提であり、この考査での合格者が辞退を行うと、学校と推薦者との信用問題となるので注意が必要である。
受験者の資格

小学校受験の場合、4月2日から翌年の4月1日までに出生した満6歳の児童すべてに受験資格がある。

宝仙学園小学校の推薦入試では事前に知能検査を行い、一定の数値以上の結果を提出することを義務付けている。[16]

宗教法人が母体となる学校でも、基本的に「学校が教育や運営の方針として掲げている宗教に理解があり、子供が宗教系行事に参加することも厭わないのであれば、別の宗教でも構わない」ということがほとんどである[17]
実例を挙げると、キリスト教主義学校だからといって、他宗教の家庭の入学が認められないということはほぼない。逆に他宗教だからといって、学校が日課としている朝の礼拝等を拒否することは認められない。他宗教でも構わないと言っても、カトリック系とプロテスタント系の学校を併願するようなことは、キリスト教主義でも派閥が全く違うことから「宗教の思想・信仰に理解がない」と思われかねないので注意が必要である。[18]
東京創価小学校関西創価小学校のように、宗教の強制はしていないものの、受験者やその保護者の大半が特定の宗教信者ばかりである学校も存在する。
一部の学校は例外で、天理小学校PL学園小学校のように入学や出願の条件に、本人や両親が宗教法人に入信している・子弟であることを謳っている。[19][20]

子どもが一人で安全に登下校できることが前提条件となることから、「学校まで公共交通機関で〇分以内に住んでいること」といった大まかなものから、「現住所が〇〇市××丁目であること」のような詳細なものまで、何らかの居住範囲の指定をしている学校が多い。
例年の傾向は参考書などで確認できるものの、その年の正確な情報は各学校の募集要項や説明会で確認する必要がある。
受験の時期

比較的同時期に行われる高校受験などと違い、地域や学校によって大きく異なる。
8月末?9月初頭に受験日があるところがあれば、遅いところでは12月?1月になってからというところもある。
二次募集や三次募集も含めれば、尚更期間は広くなる。

東京都の受験解禁日が例年11月1日であるため、この日が一次試験の学校が多数ある。

神奈川・埼玉・千葉などはそれより先だった9月?10月半ば解禁である。

関西(京都・大阪・奈良)あたりでは、学校によっては8月に考査が行われる。
試験対策

小学校受験を得意とする幼児教室や個人の教室に子供を通わせることが多い。
幼稚園などが受験対策を積極的に行っており、それだけで準備が済むこともある。

前述のとおり、小学校受験で出題される課題は問題解決力や生活力を問うものが多く、学ぶ内容は勉強というより習い事に近いものになる。
受験内容が形式を持たないように、教室のスタイル・教え方もばらばらである。
小学校受験の教室と、中学受験以上のいわゆる学習塾では決定的に違うところがあり、検討時には注意するべきである。
学習塾と違う点
新学期は秋

地域や教室にもよるが、小学校受験のピークが初秋?晩秋である関係上、新学期は11月に設定していることが多い。
合格実績の基準がない

各教室が発表している合格実績には統一的な基準は存在せず、業界標準的なものも存在しない。
全国の学習塾で組織され、学習塾が公開する合格実績の基準を作成している全国学習塾協会も、学習塾の定義を「小学生、中学生及び高校生を対象として」(第3条)としており、小学校受験をする幼児が通う教室は管轄外となっている。
[21]

公表している実績に以下のようなケースが含まれている可能性は否定できない。
教室によって在籍生徒として数える基準など根本的なところから異なるため、何が真実でどこから誇大広告なのかを見極めることは難しく、公表数字を信用するかどうかについては紳士協定同然と言っても過言ではない。


発表している合格者数で注意するべき点

ほとんどの場合、合格者は延べ人数である。一人が複数の学校に合格した場合はそれぞれの学校でカウントされる。実際に進学する人数ではなく、辞退者も含まれている。定員を超える人数を合格実績として発表している教室も存在する。

通常授業に参加しておらず、何度かテストや講習に参加しただけの人や、体操教室や絵画教室などのクラスだけを利用していた人を含んでいる可能性がある。

通常授業に参加しておらず、一定額の料金を支払ったり、Webサイトから登録したりすることで講習などの予約が有利になる制度を利用していただけの人(準会員、Web会員など)を含んでいる可能性がある。

一時期利用していたものの、受験をするずっと前に辞めている人を含んでいる可能性がある。

補欠合格者として発表されただけで、繰り上がっていない人を含んでいる可能性がある。

国立小学校の入試で、考査は合格したものの抽選で不合格となった方について、「教室としてできるところはやった。抽選は別問題」として実績に含んでいる可能性がある。

系列幼稚園からの内部進学者であり、考査を受けていない人を含んでいる可能性がある。

『この学校に合格率100%』という広告は、教室がその学校に出願するとわかっていた保護者に結果を尋ねたところ100%だっただけであって、教室が把握していない受験者の有無、不合格だったものの担当者の顔色を窺って「合格しました」と嘘を伝えたかどうかはわからない。各学校の出願名簿や合格者名簿は個人情報であり公開されないため、教室が正確に確認する術はない。


クーリングオフは基本的にできない

特定商取引に関する法律が定める特定継続的役務提供での学習塾の範囲は『学校教育の補習のための児童、生徒又は学生を対象とした学力の教授』としており、学校教育を学ぶものではない教室は該当しない。
このため、小学校受験に備える教室はクーリングオフの対象外である。[22]
ただし、法律上では認められなくても教室の独自判断で認めていることがある。
批判

小学校受験に対する批判もある。日本では文京区幼女殺人事件で小学校受験がクローズアップされた。
また1994年にドラマスウィート・ホームTBS系列)が放送された際、放送内容をめぐり実際に小学校受験を行った保護者から「ドラマの内容は小学校の受験内容と事実と異なる、保護者の誤解を与えるので内容の訂正とお受験という言葉を使用しないでほしい」と保護者の署名を集めた嘆願書がTBSに送られた。ドラマは内容を修正することなく放送されたが署名の中に元女優の三浦百恵の署名があったことが明らかとなった[23]

アメリカのワシントン・ポストは小学生受験に熱中する親を批判、子供たちは本当に有名小学校に入りたいのだろうかと批判。
日本はアメリカと違い飛び級制度がなくエリートコースに乗るためには有名高校・中学・小学校に入ることが義務つけられていると説明。そのうち日本のエリートは産まれる病院のベッドの段階ですべてが決まるようになるだろうと皮肉った[24]

受験を望むのはあくまでも親の意思である。


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