尊称
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君主が臣下を呼ぶ際の二人称[11]。戦前、天皇が次期内閣総理大臣に発する組閣の大命で「清浦内閣総辞職につき卿に内閣組織を命ず時局重大の際折角尽力せよ[12]」などと用いられた。
貴官(きかん)
警察官消防吏員軍人その他官吏に対して使う。
貴職(きしょく)
何らかの職業にある者に対して使う。
その他
お父上、ご尊父(ごそんぷ)、お母上、ご母堂(ごぼどう)、ご一同様、お嬢様、ご子息(ごしそく)、奥様、ご主人
接尾詞型かつ代名詞型
各位(かくい)
複数の人の各々に対する敬称。相手が複数である場合に、相手の後ろに付けて用いる(例:道府県警察本部長各位(この場合は警視総監だけが別扱いで「殿」がつく)、広報担当者各位、報道関係者各位)。文脈によっては対象者を省略し単に「各位」のみで使う場合も多い。あくまでも複数の人の各々に対する敬称なので、使用には注意が必要である。個人を特定可能な場合には列記したり、各々ではなく団体宛ての場合には「御中」を利用するなどの考慮も必要である。「各位殿」「各位様」という表現は、二重敬称にあたるため用いない。
主上(しゅじょう)・聖上(せいじょう)
皇帝・天子に対して呼びかける語。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる。
主上(おかみ)・聖上(おかみ)
天皇に対して呼びかける語。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる。使われていたのは
昭和天皇在位中まで。21世紀初頭の現在では宮内庁、それも内廷関係者以外ではあまり用いられない。一般人が天皇のことを「主上」「聖上」といった場合は「みかど」や「お内裏様」等と同じで、格別失礼にあたるわけではない。
令息(れいそく)・令嬢(れいじょう)
貴人の息子・娘。他人の子を敬っていう語。
同志(どうし)
思想を同じくする人に対し使う。英語ではComrade。主に共産党などの左翼の政党や政治団体の活動家、またソ連のコムソモール団員の間で(ロシア語ではタヴァーリッシ(товарищ))。ドイツ語の表現としては、一般的にはカメラート(Kamerad。主にナチスで用いられた)、左翼系ではゲノッセ(Genosse)がある。前者は僚友や戦友、後者は利害を共にする仲間というニュアンスを持つ。かつての社会主義国家、改革開放前の中国では「同志」は一般的な呼びかけとしても機能していた(現在でも、政府公文書等において用いられることがある)。北朝鮮では目上の人に対してのみこのように呼び(?? トンジと発音)、同格または目下の人には同務(トンム ??)[13]と使い分ける。会話では接尾辞として使われることが通例だが、特に文章上は「同志○○」などとする場合がある。
貴下(きか)
同輩以下の者(主に男性)に対する敬称。通常は書き言葉の書面上(手紙など)で用いる[注釈 2]
先生(せんせい) / 大先生(だいせんせい)
幼稚園高等学校等の教諭保育所保育士大学教授などの教育者、医師弁護士公認会計士などの専門職牧師などの宗教的教職者、その他、議員作家芸術家漫画家将棋棋士囲碁棋士、キャリアの長い大物芸能人、講演会の講師に対しての呼びかけ語である一方、氏名の後ろにつける場合もある。これらの職業に該当する者は、年齢に関係なく先生と呼び合う。また、時代劇では用心棒に対しても使われる。なお、医師への手紙では「先生」の後に「侍史(じし)」や「机下(きか)」をつけ「○○先生侍史(机下)」とすることが多い。「侍史」「机下」に「御」を冠するのは誤り[14]。現代中国語では「先生」は日本語の「さん」に近く、かなりニュアンスが違うので注意が必要である。
先輩(せんぱい)
組織において主に先に入った人、又は何らかの活動において自分より経験の長い人を指す言葉だが、学生や若者は敬称として用いる場合もある。韓国では日本と同じく「先輩」、中国や台湾では「学長」或いは「前輩」、北朝鮮は「同志」を用いる。
「下」の付く敬称

身分の低い者が王族皇族など極めて高い地位の者に直接話しかけることは失礼に当たるとされたことから、高貴な人のいる一定の場所のそばにいる取次ぎの人に間接的に呼びかけることで敬意を表す敬称が発生した。本来の正格漢文の用法では、二人称であって三人称として使うことはありえず、特定の地位を表わす言葉や称号の下につけることもなく「○下」の二文字だけの単独で用いる言葉であって、皇帝陛下・関白殿下・将軍閣下のような用法は三人称にも転用するようになってから生じた変則的なもの(端的にいえば誤り)である。
陛下(へいか)
字義は「階段の下」。皇帝天皇皇后太皇太后皇太后上皇上皇后、王(国王女王)、王妃、太王太后、王太后の敬称。該当項参照。日本では天皇のみの敬称だったが、皇室典範制定後、后位(皇后・太皇太后・皇太后)の敬称としても採用された。
殿下(でんか)
字義は「宮殿・殿堂の下」。皇太子以下、皇族親王内親王親王妃女王王妃)・王族王子王女)や皇帝に臣従する国王に対する敬称。該当項参照。訳語としては、欧州大陸の貴族やその親族に対する敬称としても用いられる。日本では本来、天皇以外の皇族(皇后など)と三公以上の公卿に対して用いられる言葉であった。
邸下(ていか)



閤下(こうか)/閣下(かっか)
字義は「高殿の下」。身分や地位の高い人を敬って、その役職名の下に付けていう敬称。貴族、大統領首相大使などの高位の官職、軍の高官などに用いられ、またはそれ自体が独立した呼称として用いられる(例:大統領閣下、首相閣下、参謀総長閣下)。もともと勅任官(府県知事・省庁次官局長等)以上の者に用いた。現在では主に外交儀礼として大臣や(他国の)将軍などの官名・職名につけられる。また、訳語としては、イギリスなどの貴族の爵位に付して用いることがある。閣下の敬称をつける際に、相手が博士学位を有している場合は、官名、名前の下に博士閣下と呼称することもある(例:?大統領●●博士閣下)。軍では公式の規定だと将官までが「閣下」で佐官から「殿」だが、公式の場ではない一般ではその規定にこだわらず下士官を「閣下」とよんでも差し支えない。
猊下(げいか)
字義は「猊座(仏ないし高僧の座る座)の下」。猊とは
獅子(Lion)の別表記である。仏陀の説法を師子吼(ししく。師子は獅子に同じ)、説法の座を師子座という。また?猊(さんげい)はの子(竜生九子)の内の獅子に似た一匹で、を好むため寺院香炉の装飾の意匠にされ、転じて獅子座を「?座」「猊座」とも言う。すなわち、猊下とは「師子座の下(=の側近の方)にまで申し上げます」の義。?下(さんか)。首座の聖職者の敬称。主としてダライ・ラマ法王などの一宗派の最高権威者に対して用いられる。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる(例:法王猊下、不老閣猊下)。キリスト教では教皇総主教など、仏教では教主、門主門跡、管長などに対して用いる(例えばダライ・ラマ猊下、浄土門主猊下。ローマ教皇の場合には聖下を使う場合がある。このときは「His Holiness」が対応する)。日本では日蓮正宗のみが例外的に「上人猊下」の呼称を用いる。
臺下/台下(だいか)
字義は「高楼の下」。高位の聖職者その他の貴人の敬称。仏教では、宗派によって宗派の代表者に用いる場合もあれば、各大本山(支部)クラスの住職(
大僧正、権大教正)に対して用いる場合もある。キリスト教では枢機卿主教大司教に用いる。日本政府はローマ教皇に対して用いている。
座下(ざか)
字義は「座席の下」。
正教会における、総主教以外の主教府主教大主教・主教)に対する敬称。
聖下(せいか)
正教会総主教カトリック教会教皇に対して用いる訳語。他の「○下」を真似て作られた言葉で漢文の伝統を踏まえていない新造語。英語の"His Holiness"に対応。ただし、英語ではHis Holinessであっても、ダライ・ラマ法王は猊下とされ、ローマ教皇は猊下や台下とされることがある。日本政府は、モスクワ総主教について聖下を用いたことがあるが、教皇に対しては台下を使用している。キリスト教における最高位の聖職者に対する敬称。
机下(きか)
字義は「机の下」。医師弁護士など、俗に先生と呼ばれるような社会的立場にある/資格を有する者に対する敬称。


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