尊称
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年齢や立場による使い分けを省くため。
っち
ちゃんの短縮系と考えられる。
氏(し)
肩書きを別にして紹介する時に使用し、一般的に話し言葉ではあまり使われず、書き言葉または報告や報道といった改まった場面で用いる。主として男性に多用されたが現在では女性に対して用いることも多い。また、古風には「うじ」とも読むが(用法は同じ)、通常ではほぼ使われない。
女史(じょし)
社会的な地位が高い女性に対して用いる女性用の敬称だったが、現在では死語となっており、場合によって揶揄的にのみ用いられる。しかし、稀に書籍(特に和訳されたもの)において本来の意味で用いられる場合がある。この事は「共同通信社」出版の1997年版『記者ハンドブック』から「差別語、不快用語の項目の5」にて「性別を理由にした社会的、制度的な差別につながらないよう注意する」と差別用語に追加されている「性差別語」に含まれており[8]、マスメディアにおける表記ガイドラインにおいて、「女史」は使用せずに「氏」「さん」を用いるようにと示されている[8]
刀自(とじ)
年配の女性に敬意を込めて用いる。「刀自」単独でも名前に付けても用いられる。
君(くん)
名前の後ろに付けるのは、「さん」や「ちゃん」と同様である。同輩か目下に対して用いる事が多いが、仲の良い先輩に対して使われることもある。
男性に対して使われることが多いが、上司が部下を呼ぶ場合など、女性に対しても使われる。また、親しみのある者に対して用いる事もある。元々は吉田松陰松下村塾で身分の差なく対等な立場で議論ができるように統一した敬称として使い始めたのが始まり。参議院では参議院先例録により「議員は、議場または委員会議室においては互いに敬称として『君』を用いる」となっている。また、衆議院でも衆議院要覧には「議員は、互いに敬称を用いなければならない」とだけあるが、参議院に倣って「君」付けをしている。慶應義塾では「先生」は創立者・福澤諭吉ただ一人である、という考え方に基づき、慶應義塾の文書や掲示などで、教職員を「〇〇君」と表記する[9]ジャニーズ事務所ではタレントのことを“クン”を付けて呼ぶという慣習がある。
嬢(じょう)
未婚女性に対して用いる。君を男子だけに用いる場合、女子には嬢が用いられることがある。稀に既婚女性に対して使う事もある。
たん、タン
萌えの対象とする人物(主に少女)に使う事が多い。インターネット以外で使われる事は少ない。「ちゃん」の幼児語。この場合、インターネット以外でもよく使われる。
やん
関西地方での男女に用いる。(例、おちょやん。パーやん(藤子不二雄マンガキャラ「パーマン」の仲間)。
きゅん、キュン
「くん」と同じであるが、「たん」と同じく
萌えの対象とする人物(主に少年)にしばしば用いられる。インターネット以外で使われる事は稀である。
(きょう)
日本では平安時代以降、江戸時代までの公卿に対する敬称(岩倉卿など)。また、華族制度があった時代における華族への敬称。現在では外国で爵位などを有する者に対して、とりわけイギリスにおけるLordの訳語として使われることが多い。

Lord Lytton→リットン卿(公爵以外の貴族。爵位名にLordが付く)

Lord William Bentinck→ウィリアム・ベンティンク卿(公爵・侯爵の長男以外の男子。姓名または名にLordが付く)

(こう)
貴族や(古代の)大臣に対し使う。近世以降では、「忠犬ハチ公」のような愛称的な用例もある。近衛文麿西園寺公望を「近衛公」「西園寺公」と呼ぶのは公爵の略で、侯爵に対して「某侯」、伯爵には「某伯」、子爵には「某子」、男爵には「某男」と、爵位に対応して同様の言い方があった[10]
夫人(ふじん)
既婚女性に対して用いる。夫の社会的地位が高い場合に用いられることが多い。
御中(おんちゅう)
文書の宛先などで、相手が企業や官公庁、学校などの団体などの場合に用いる。「中」(ちゅう)は人間の集団。氏子中、島津家中など。
尊(そん)
仏教で信仰対象に対して用いられる。特にブッダを指示するものとしては「
世尊」があり、例えば教団の創始者であるゴータマ・シッダールタは「シャカ(釈迦)族の聖者たる仏」を意味する「釈迦牟尼世尊」をさらに縮めて釈尊と呼ばれる。「尊」は阿弥陀三尊、不動尊、地蔵尊などと釈尊以外の仏菩薩にも用いられ、修行者の上首高僧を尊者と呼ぶこともある。これら「尊」の字は、経典を漢訳する際に中国の道教における神々の位格の一つ「尊」に擬したものである。日本では、古代から神や貴人の尊称である「ミコト」には古くから「命」の文字を当てていたが、奈良時代以降「ミコト」の中でも特上のものには「尊」の字をあててそれ以外の「命」と区別するようになった。しかし『古事記』は古い用法を採用してわざわざ「命」の字に統一していたことが江戸国学で指摘されて以降、ミコトを「尊」の字で表わすことを疎んで『古事記』の用法に従う事例が増えてくると、尊と命の区別が曖昧となって現在に至っている。この「ミコト」に「尊」の字を当てることも道教の用語からの流用である。
その他
将棋囲碁柔道剣道など段級位制が存在する競技にあっては、その競技者の氏名に、段数を付けて呼ぶことがある。(ウィキペ四段など)また、その競技において称号やタイトルまたはそれに準ずるものがある場合も同様に氏名の前後にその称号をつけて呼ぶことがある。(ウィキペ竜王 ウィキペ永世七冠など) 
代名詞型
君(きみ)
二人称代名詞。
親称も参照。男性が恋人やである女性に対して用いる呼称であり、独立して用いられる。同輩同士での会話のほかに、上司などが部下に、年長者が年少者に、女性が男性の年少者に用いる。男性の年少者に対しては「キミ」と片仮名で表記することもある。
貴方、貴男、貴女(あなた)
女性が恋人やである男性に対して用いる呼称であり、独立して用いられる。顧客や不特定多数の個人に対する呼称で独立して用いられる。「貴男」は男性にだけ、「貴女」は女性にだけ用いられる。
卿(けい)
君主が臣下を呼ぶ際の二人称[11]。戦前、天皇が次期内閣総理大臣に発する組閣の大命で「清浦内閣総辞職につき卿に内閣組織を命ず時局重大の際折角尽力せよ[12]」などと用いられた。
貴官(きかん)
警察官消防吏員軍人その他官吏に対して使う。
貴職(きしょく)
何らかの職業にある者に対して使う。
その他
お父上、ご尊父(ごそんぷ)、お母上、ご母堂(ごぼどう)、ご一同様、お嬢様、ご子息(ごしそく)、奥様、ご主人
接尾詞型かつ代名詞型
各位(かくい)
複数の人の各々に対する敬称。相手が複数である場合に、相手の後ろに付けて用いる(例:道府県警察本部長各位(この場合は警視総監だけが別扱いで「殿」がつく)、広報担当者各位、報道関係者各位)。文脈によっては対象者を省略し単に「各位」のみで使う場合も多い。あくまでも複数の人の各々に対する敬称なので、使用には注意が必要である。個人を特定可能な場合には列記したり、各々ではなく団体宛ての場合には「御中」を利用するなどの考慮も必要である。「各位殿」「各位様」という表現は、二重敬称にあたるため用いない。
主上(しゅじょう)・聖上(せいじょう)
皇帝・天子に対して呼びかける語。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる。
主上(おかみ)・聖上(おかみ)
天皇に対して呼びかける語。またはそれ自体が独立した呼称として用いられる。使われていたのは
昭和天皇在位中まで。21世紀初頭の現在では宮内庁、それも内廷関係者以外ではあまり用いられない。一般人が天皇のことを「主上」「聖上」といった場合は「みかど」や「お内裏様」等と同じで、格別失礼にあたるわけではない。
令息(れいそく)・令嬢(れいじょう)
貴人の息子・娘。他人の子を敬っていう語。
同志(どうし)
思想を同じくする人に対し使う。英語ではComrade。主に共産党などの左翼の政党や政治団体の活動家、またソ連のコムソモール団員の間で(ロシア語ではタヴァーリッシ(товарищ))。ドイツ語の表現としては、一般的にはカメラート(Kamerad。主にナチスで用いられた)、左翼系ではゲノッセ(Genosse)がある。前者は僚友や戦友、後者は利害を共にする仲間というニュアンスを持つ。かつての社会主義国家、改革開放前の中国では「同志」は一般的な呼びかけとしても機能していた(現在でも、政府公文書等において用いられることがある)。北朝鮮では目上の人に対してのみこのように呼び(?? トンジと発音)、同格または目下の人には同務(トンム ??)[13]と使い分ける。会話では接尾辞として使われることが通例だが、特に文章上は「同志○○」などとする場合がある。
貴下(きか)
同輩以下の者(主に男性)に対する敬称。通常は書き言葉の書面上(手紙など)で用いる[注釈 2]
先生(せんせい) / 大先生(だいせんせい)
幼稚園高等学校等の教諭保育所保育士大学教授などの教育者、医師弁護士公認会計士などの専門職牧師などの宗教的教職者、その他、議員作家芸術家漫画家将棋棋士囲碁棋士、キャリアの長い大物芸能人、講演会の講師に対しての呼びかけ語である一方、氏名の後ろにつける場合もある。
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