将太の寿司
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『全国大会編』最終話で和解した笹木との関係も北海道に進出する東京のチェーン寿司店の手口を「汚い」と評する彼に対し「お前が言うな」と的確なツッコミを入れており、『全国大会編』までの険悪な関係は感じられない。『2』では40歳の落ち着いた中年。顔に多少皺はあるがかつての面影を残している。巴寿司2代目として将太朗を巴寿司のツケ場に入れて育てていたが、佐治を伝って鳳寿司へ修業に行かせた。また、佐治ともども日本寿司協会の会長職を要請されたが固辞している。20年以上の寿司職人人生で未だに「これだ!」と思う寿司が握れていないとの事で、更なる高みを目指している。マガジンSPECIAL版では、陸上競技に打ち込む恋愛感情に鈍感な東京に住む高校2年生だったが、父親が倒れ家計を支えるために高校3年目前で中退し、鳳寿司で働き1年が経過した19歳。追い回しで手一杯の日々を送っていたが、好意を伝えられずに別れた藤原美智子との再会により寿司作りに奮起する。一人称は「オレ」。ドラマ版では、北陽高校卒業後に小樽から上京して寿司の世界に入るという設定であり、多少やんちゃな性格で血の気が多い部分があり、鳳寿司に入ってから親方が病気で倒れたり笹寿司の嫌がらせが始まった為に佐治からは一方的に敵視されていた。「日本一!」を決め台詞に持つ。
小畑慎吾(シンコ / おばた しんご)
鳳寿司の追い回しかつ雑用係で、将太よりは半年ぶん先輩。将太にとっては苦しい修業の中、苦心を分かち合える盟友である。鳳寿司では「コハダになっていない」という意味合いで、名前をもじって「シンコ」と呼ばれている(なお作中でシンコを下魚とみなすシーンがあるが、実際には高級寿司ダネ)[注 1]山口県の農家出身。追い回しとしての仕事には手抜きがなく誠実だが、精神的に脆い面があり、将太に対する劣等感や失敗を佐治に咎められたことを気に病んで逃亡したり、お客に出すためのウニの管理を誤り上得意客を失うという失態を晒し、(親方にクビを告げられた場合は)店を辞めようとした。将太の説得により鳳寿司に復帰した後は職人になるため一層の努力をしている。その仕事ぶりと心意気は征五郎に「上得意のお客様を失うよりも慎吾を失うことのほうが遥かに辛い」と言わしめるほどで『全国大会編』ではその成果を見せ、コンクールにも出場。1回戦で溶けたウニを使うというハンデの中で溝口の柏手を出させる寿司を作り、満点トップ通過するも2回戦で敗退した。連載の最終回ではその仕事が実を結んで、ツケ場に立った。『2』では第一線の寿司職人として鳳寿司のツケ場に立っており、若手のホープとして期待されている。20年が経過して「GENESIS(ジェネシス)」に敵愾心を持つほどの意地っぱりになった。ドラマ版では半人前扱いされて辛い思いをするシーンが増えた一方、必死の努力の末に笹切りを作る包丁技術を披露した。
吾子飛男(あこ とびお)
将太の後に入ってきた鳳寿司の追い回し。素行不良で高校を中退し、母親からの要望で鳳寿司に入ってきた。甘やかされて育ったため[注 2]に当初は自分勝手でこらえ性がなく、ジャンクフードばかり食べていたため寿司の味が分からない、隠れて煙草を吸う、失敗に仕事中飲酒をするなど、問題の多い少年であったが、煙草は母親の命を掛けた説得[注 3]でやめた。その後も将太や先輩のフォローや叱咤によって職人として成長し、「天下の鳳寿司のパシリ」を自認するようになる。『全国大会編』では将太の助手を務めることが多い。タレントとして芽が出ずにやさぐれていた先輩・北岡を「叩いて香りを立てた紫蘇の実と歯ごたえがよくなるように切った刺身のツマ(大根)をシソの葉で巻いた」物を食べさせて「努力すれば普段は大したことなくても直に芽が出る」と立証させて立ち直らせるなど、将太や大政からも「いい刺身のツマになった」と褒められるほどになった。最終回では佐治の指導で雷を落とされながら、魚の捌き方の特訓中の様子が見受けられた。『2』ではツケ場に立っており、慎吾共々若手のホープとして期待を寄せられている。お調子者の性格は相変わらず。「GENESIS(ジェネシス)」の経営に同調して慎吾からタコ殴りにされた。
鳳征五郎(おおとり せいごろう)
当代の名人と言われた鳳寿司の親方。創業者ではなく婿入りして店を継いだ。話によって五代目だったり六代目だったりしている(創業70年で五代目または六代目であることから代替わりが多かったことが窺える)。征五郎本人も身体の衰えによって既に一線を退いており、将太がツケ場に立ってからはほとんど寿司を握らなくなる。ただし、その握りは今なお岩崎民次が褒め称えるほどのもの。将太が初めて作ったマグロ尽くしに感動し、自身の店への入門を勧めた。当時の鳳寿司は少々客入りが悪く、新しい従業員を雇う余裕はなかったため大政小政の反対を押し切ってのスカウトだった。その後は、厳しくも温かく将太を鍛える。温厚な性格で、将太に限らず鳳寿司の面々を厳しくも暖かく見守り、指導するが、初期には責任を取って店を辞めるという慎吾の頭を軽く拳で叩いたり、将太と佐治の勝負で大政に賭けを持ちかける小政を(ギャグシーンだが)タコ殴りにするシーンも見られた。鳳寿司の慰安旅行では、女湯を覗こうとした飛男に桶を投げ付けている。『全国大会編』にて右手の痺れから白魚の尾を折ったことで引退を決意し、大政小政の独立に合わせて店を畳む予定だったが、鳳寿司に戻った佐治を親方へ迎えたことにより安心して隠居生活を送る一方、岩崎民次の熱望によりその跡を継いで「全日本寿司協会会長」のとなり、その初仕事として佐治と将太の決勝戦の審判を務めた。『2』では全日本寿司協会会長を退任して隠居生活を送っている。現役時代に患った病は回復していないが足腰は問題ないらしく、妻と自由気ままに旅行をするなど今の生活を楽しんでいる。ドラマ版では厳しさが強くやや頑固なイメージがある。マガジンSPECIAL版では本編よりも厳つい顔つきの頑固職人で、一人称が「あし」だったり、将太に対してもよく手が出ていた。コンクールで優勝した大政に「政寿司」の暖簾を贈っている。
藤田政二(大政 / ふじた せいじ)
親方に次ぐ年長の職人。「大政(おおまさ)」または「政(まさ)」と呼ばれている。マガジンSPECIAL版での年齢は35歳。作中ではあまり料理の腕を振るうシーンは無いが、鳳寿司での「盛り込み」(いわゆる職人お任せの寿司の盛り合わせ)の制作が許されている職人は征五郎以外では彼だけであり、その腕は確か。体が大きく厳ついため怖く思われがちだが、普段の性格は温和そのもので、10年前に客が苦境から子供とともに死のうとしている事を見抜き、イクラ親子丼をサービスとして出し、鮭の親としての偉大さを語って自殺を止めたことがある。既婚で娘が1人いる。『全国大会編』の最終回にて「下北沢 鳳寿司」としての屋号を引き継ぎ下北沢で独立。前述のように温和な性格だが、一旦怒り出すと凄まじい剣幕で周囲を震え上がらせる。コンクールでは、観客席からたびたび将太を馬鹿にしていた「船津」と「渋田」に制裁を加え、会場の外まで殴り飛ばすという(ギャグ)シーンもある。『2』では娘・みのりの夫を婿に迎え二人で「下北沢 鳳寿司」を繁盛させている。マガジンSPECIAL版後半は彼の鮨大会出場がメインとなっている。また、片手一回だけで鮨を握る「小手返し一手」も実は習得しているが、鳳寿司入店直後に親方の前で披露したところ怒られ、「今度やったらクビだ」と釘を刺されているため将太の前でこっそり一度披露しただけ。ドラマ版では動物園とダジャレが好きな設定が追加されている。終盤で一度独立するも、資金提供者の独断により店を笹寿司のチェーンにされていたため店を辞め、再び鳳寿司に戻っている。
岡村秀政(小政 / おかむら ひでまさ)
大政と並んで鳳寿司を支える職人。「小政(こまさ)」または「秀(ひで)」と呼ばれる(ドラマでは「小政」は会話の中で一度登場しただけで、他は一貫して「秀」)。女好きで、将太と初対面の時に姉か妹がいるか尋ねて征五郎に窘められたり、キャバクラの話題を度々出している。また、将太と佐治の寿司勝負を賭けの対象にしようと大政に持ちかけたところを親方に見つかって(ギャグシーンで)タコ殴りにされた事もある。追い回し時代、自身が出場したコンクールの東京大会決勝ではかんぴょうを使った海苔巻きを締めに使って優勝した(世間のかんぴょうの扱いに絶望してかんぴょう作りを辞めると言っていた職人の心をも揺さぶった)。大政同様、その後の全国大会も優勝には至らなかったものの「いいところまで行った」という。鳳寿司内部での勝負(社員旅行の余興での寿司勝負、鳳寿司で新しく売り出す弁当勝負等)では大政と共に将太の閃きに感心する事もあるが、将太をはるかに超える腕前を持つことが魚の目利きや、将太がとても捌き切れないペースのツケ場での注文も冗談交じりに軽々とこなしてしまうシーンからもうかがえる。将太や慎吾に対し、時期尚早な仕事を任せ、失敗してしまうと強い口調で?りつけることもある。第1部終盤では、雅子に頼まれ、雅子の父の持ってきた高山信一郎との縁談(高山は財産目当てであった)を断るための方便で雅子と結婚を約束していると言ったところ、高山と寿司勝負をすることになる。
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