対反乱作戦では通常の戦闘ではなく、不正規戦に対応することが求められる。それには以下の特徴がある。
反乱勢力は爆弾テロ、暗殺、拷問などの手段を用いる。
反乱勢力は概ね地元住民であり、一般人との識別が極めて困難である。
反乱勢力は長期戦に持ち込むことで対反乱作戦が国民に支持されなくなるのを待っている。
反乱勢力は政治的・経済的・社会的な不満やイデオロギーを持ち、結束している。
反乱勢力は新兵募集、補給、情報収集等の活動の為に一般人の中で協力者を持っている。
要領
民事作戦詳細は「民事作戦」を参照
現在の政府と対ゲリラ作戦に対する国民的な支持を維持増加させることが対反乱作戦には欠かせない。医療サービスの無償提供、インフラストラクチャー施設の整備、都市計画の支援、経済援助などは民心を獲得する上で有効性が見られる活動である。 反政府勢力はその武力を背景に脅迫、プロパガンダ、暴行などを行う場合があり、一般住民をそれらから守ることも対反乱作戦では重要な任務である。しばしば治安維持が機能している保護地区(治安区)が設定され、そこに住民を住まわせてゲリラの影響下・支配下に入らないようにし、必要ならば彼らに自衛のための武力を持たせることが行われる。 対ゲリラ作戦は対反乱作戦で最も軍事的な作戦であり、反政府勢力を直接的に撃滅するための作戦である。この際には地元警察と連携を保つこと、地元住民に被害を出さないことなどに注意を要する。 アメリカ軍は、イラク戦争後の占領時期において、在地武装勢力の攻撃に悩まされ、当地の治安悪化及び駐留期間の長期化を招いた[1]。この事態は、対反乱作戦の軽視が招いたと評されたが、2006年に統合参謀本部は教本としてFM3-24 Counterinsurgencyを制定し、対反乱作戦への認識を強めた[3]。2007年に対反乱作戦に通じたデヴィッド・ペトレイアスが駐留アメリカ軍司令官として赴任し、効果的な対反乱作戦の実施を開始すると、兵力の増派もあって、イラクにおける治安回復が進んだ[1]。ただし、対反乱作戦に適応した兵力整備は、正規戦への対応と異なるものであることから、対反乱作戦への適応・強化については軍内でも批判がある[1]。
保護プログラム
対ゲリラ作戦詳細は「対ゲリラ作戦」を参照
アメリカ軍
脚注^ a b c d e f g h 米国流の戦争方法と対反乱(COIN)作戦―イラク戦争後の米陸軍ドクトリンをめぐる論争とその背景―,福田毅,国会図書館 リファレンス,平成21年11月号,P77-101
^ a b ⇒U.S. Government Counterinsurgency Guide. Bureau of Political-Military Affairs, Department of State. (2009). ⇒http://www.state.gov/documents/organization/119629.pdf 2015年11月28日閲覧。
^ 対反乱作戦研究の問題点と今後の動向について,矢野哲也,防衛研究所紀要 第14巻第1号,2011年12月
関連項目
特殊作戦
ゲリラ
テロリズム
心理戦
COIN機
外部リンク
⇒Joint Publication 3-24 'Counterinsurgency' 統合参謀本部
典拠管理データベース
国立図書館
フランス
BnF data
⇒イスラエル
アメリカ
チェコ
その他
公文書館(アメリカ)