審判員_(野球)
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主な宣告用語やジェスチャー
プレイ
をまっすぐ伸ばし、人差し指を投手方向に向けて「プレイ」と宣告する(「プレイボール」とは宣告しない)。数年前までは右腕をまっすぐ頭上へ伸ばし、手のひらを投手方向へ向けて「プレイ」と宣告していた(宣告できるのは球審のみ)。試合開始のみならず、タイムやボールデッドからの再開の場合にも宣告する。
タイム
両手を「ハ」の字に開いて「タイム」と宣告する。この際、両より上げる。ボールデッド全般に使う。
ストライク
右手を握り、右腕を右斜め前約45度力強く上げて「ストライクワン」「ストライクツー」「ストライクスリー」と宣告する。特に、見逃し三振の場合は、右拳を強く振るなどのひときわ大きな動作で「ストライクスリー」と宣告することがある。ただし、打者が投球を空振りした場合は、ストライクのジェスチャーは軽く行う。
ファウルチップ
宣告はしないが右手で左手を軽くこする。その際、打撃妨害のジェスチャーと見間違われないよう注意する。
ボール
構えた状態で「ボール・ワン(またはツー、スリー)」と宣告する。その際、を動かしてはならない。
フォアボール
「ボール・フォー」と宣告するだけでジェスチャーは特に行わない。かつては、ボールを宣告するとともに左手人差し指で軽く一塁を指差すジェスチャーを行っていたが、このジェスチャーは廃止された(一塁塁審へのハーフスイング判断要求と間違えられるおそれがあるため)。
ヒット・バイ・ピッチ
タイムと同じジェスチャーで「ヒット・バイ・ピッチ」と宣告する。
ファウルボール
タイムと同じジェスチャー。
フェア
フェアの打球に対しては発声せず、フェア地域側の腕を水平に伸ばして人差し指でフェア地域を指す。かつては、フェア地域側の腕を水平に伸ばして「フェア」と宣告していたが「フェア」と「ファウルボール」は同じ "F" 音で始まり区別がつきにくいので、現在は発声しない。
アウト
右手を握り、腕をまっすぐ頭上に上げて「アウト」もしくは「ヒズ・アウト(He's out)」と宣告する。野手がフライやライナーを捕球した場合には、アウトと同じジェスチャーで「キャッチ」もしくは「ザッツ・ア・キャッチ(That's a catch)」と宣告する。プロ野球の審判員では、走者が本塁で捕手に触球された場合やクロスプレイなど、際どいタイミングで走者をアウトと判断した場合、右手の拳を勢いよく振りおろすなどのひときわ大きな動作で「アウト」または「ヒズ・アウト」と宣告することもある。
セーフ
両腕を水平に伸ばして「セーフ」と宣告する。ただし、走者が触球されずにセーフだった場合は、「ノータッグ」と宣告するのが望ましい。アウトサイドプロテクターを用いている球審の場合、左手はアウトサイドプロテクターを抱えているので、その場合、右手のみで「セーフ」のジェスチャーをしてもよい。
走塁妨害(オブストラクション)
ただちにボールデッドとする場合はタイムと同じジェスチャーで、ただちにボールデッドとしない場合は走塁妨害をした野手を指差して、「走塁妨害」または「オブストラクション」と宣告する。
守備妨害(インターフェア)
妨害をした走者、または打者走者を右手で指差し「守備妨害」または「インターフェア」と宣告する。
打撃妨害(インターフェア)
妨害を行った捕手に対して左手人差し指で「打撃妨害」または「インターフェア」と宣告する。プレイが続いた場合、プレイが一段落した後、改めて「タイム」を宣告して試合を止め、「打撃妨害」または「インターフェア」と宣告する。この際、公式記録員に対しても、右手で左手甲を叩きながら「打撃妨害」と知らせる。なお、球審が打撃妨害を認めた時点で、右手で左手甲を叩きながら「打撃妨害」と判定・ジェスチャーをしても構わない。
ボーク
投球時のボークは球審は宣告のみでジェスチャーは行わないが、塁審は投手を右手人差し指で指差しながら「ザッツ・ア・ボーク」と宣告する。送球時のボークは球審・塁審とも投手を右手人差し指で指差しながら「ザッツ・ア・ボーク」と宣告する。
ホームラン
右腕を頭上に上げ、人差し指だけを出してゆっくり大きく右腕を回す。
インフィールドフライ
人差し指でボールを指さし、「インフィールドフライ」と宣告する。ただしベースライン付近にあがった内野飛球の場合は、「インフィールドフライ・イフ・フェア」と宣告する。
ランスコア
主に球審が宣告する。走者が本塁に到達した場合、本塁を指差し「ランスコア」と宣告する。特に第3アウト成立とどちらが先かが重要となるタイムプレイなど、得点が成立していることを明示する場合は、引き続き公式記録員に対して「1点」と人差し指を立てて行う。
ノースコア
主に球審が宣告する。しばしばタイムプレイ時に見られる。走者が本塁に到達したのが第3アウト成立後であった場合、得点は認められないので、頭上で両手をクロスさせ、「ノースコア」、または「無得点」と公式記録員に対して行う。
ノーゲームタイゲームコールドゲーム
バックネット方向に向かい、右腕を頭上に上げ手のひらを開いて、「ノーゲーム」、「タイゲーム」、「コールドゲーム」と宣告する(宣告できるのは球審のみ)。
ゲーム
アマチュア野球のみの手順。球審のみが宣告する。両チームが本塁を挟んで整列した後、両チームの得点と勝者判定を述べたのち、右腕を頭上に上げ手のひらを開いて「ゲーム」と宣告する(「ゲームセット」とは宣告しない)。
退場
危険球を投じた投手に対して腕を斜め上にあげて、場外を人差し指で指すジェスチャーを行う。プロ野球やメジャーリーグの審判員では、選手および監督あるいはコーチの侮辱行為または暴力行為などに激昂した場合は、勢いよく身を躍らせたり片足を動かすなどのひときわ大きな動作で退場宣告を行うこともある。

公認野球規則あるいはOfficial Baseball Rules では審判員が宣告しなくてはならない項目が定められているが、そのジェスチャーは定められていない。統括団体によってはその団体主催の試合に限定してジェスチャーを規定している場合もある。
審判員のフォーメーション

審判が6人いる場合は判定担当地域がほぼ決まっているが、4人以下の場合は状況によって変わる。

例:4人制で走者無し、センター後方への飛球の場合

球審:三塁へ向かう。

一塁塁審:打者走者の一塁触塁を確認後、必要があれば本塁へ向かう。

二塁塁審:打球を追って外野へ向かう。

三塁塁審:二塁へ向かう。

まれに分担がうまくいかず二人の審判が別々の裁定を行ってしまうこともみられる。

アメリカメジャーリーグのレギュラーシーズンにおいては4人制が採用されており、オールスターゲームプレーオフワールドシリーズにおいてのみ6人制となっている。マイナーリーグでは基本的に4人制が採られることはなく、3Aは3人制(まれに4人制有)、2A・1A及びアマチュアは2人制となっている。

前述の通り、日本ではプロ・アマとも4人制が基本である。ただし、オールスターゲーム日本シリーズ、および各リーグのプレーオフ (2007年からはクライマックスシリーズ) では外野審判を配置し6人制とすることになっている。かつてはセントラル・リーグが1989年まで、パシフィック・リーグが1995年まで、それぞれ公式戦全試合で外野審判を置いていた。プロ野球の二軍は3人制(まれに4人制あり)が採られる。社会人の硬式野球においては、都市対抗野球本選と日本選手権本選で2004年まで全試合外審が配置されていたが、2005年より廃止された。アマチュアでは3人制や2人制を敷いているところもある。

日没や濃霧などの理由で視界が悪くなってきた場合、試合途中から6人審判制に切り替える場合もある。

1961年4月27日・大阪スタヂアム南海 vs 近鉄戦では、外野のが深いため7回から控え審判員をセンターに配置し、7人制審判で行われた。

アマチュア野球では日没のため照明を点灯することになったときに配置される。

甲子園球場での春・夏の高校野球全国大会では、球場内の照明灯6基全てが点灯した時点で、外野審判2人を追加して6人制となる。

神奈川県の高校野球予選は、照明点灯時はもちろん、外野席を開放した試合でも外野審判を配置する。

夏の予選決勝戦のみ外審を置く都道府県もある(広島県、長野県、栃木県、長崎県)。


単独審判制

単独審判制の場合、審判員は球審のみである。球審は判定を行うにあたって最適な位置を占める。基本的には無走者の場合は本塁後方、走者がある場合には投手の後方に立つ。
2人審判制

本塁上に球審を配置するほか、塁審を1名配置する。塁審は、無走者の場合は一塁におけるプレイを判定する。走者がある場合には投手の後方に立ち、球審とともに各塁の判定を行い、打球、送球の状況に応じてフォーメーションを対応させる。
3人審判制

本塁上に球審を、一塁と三塁に塁審を配置する。フォーメーションは原則として以下のとおりであるが、走者や、打球、送球の状況に応じて対応させる。

(1)無走者の場合一塁塁審は一塁の後方、三塁塁審は三塁の後方に立つ。

(2)走者一塁、一・二塁、一・三塁、満塁の場合一塁塁審は一塁から3m程度後方に、三塁塁審は二塁から約5m離れた内野内(投手の後方)に立つ。

(3)走者三塁の場合一塁塁審は一塁の後方、三塁塁審は三塁後方に立つ。

(4)走者二塁、二・三塁の場合一塁塁審は二塁から約5m離れた内野内(投手の後方)に立ち、一塁及び二塁の判定を受け持つ。三塁塁審は三塁から3m程度後方に立つ。


(1)および(3)の場合


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