富岳_(スーパーコンピュータ)
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また、物理現象をシミュレートするHPCG(High Performance Conjugate Gradient)、人工知能計算のベンチマークHPL-AI、ビッグデーター解析のGraph500においても1位となり4冠を達成[25][26]。その後、2020年11月、2021年6月及び11月の時点でも4部門で首位を維持し続け、4期連続の4冠を達成した[27]

この他、消費電力当たりの性能ランキングGreen500では2020年6月の時点で9位[28]

その一方で、利用者アンケートでは「期待した実行性能が得られた」と回答したのは6割以上で、「富岳」以外のスーパーコンピュータ(Oakbridge-CX、TSUBAME3.0など)の8割以上と比べると低い結果となっている[29]。近年、ベンチマーク性能と実際のアプリケーションの性能との乖離が指摘されている[30]
価格性能比について

2018年、「富岳」の構築費用は1300億円(国費 1100億円、民間投資 200億円)と報道された[31]

また、構築費用とは別に「富岳」の運用に必要な経費は、毎年150億円以上[32][33]が計上されている。しかし、2022年においては光熱費の急激な上昇により、運用費の不足が予測されたため、全計算ノードの約1/3を約4カ月間停止している[34]

ニューヨーク・タイムズ紙は米国で計画中の「富岳」の性能を超えるエクサ級のスパコンのコストは最大でも6億ドルであるのに対して、10億ドルを超える「富岳」のコストを高額な支出と表現した[35]

なお、時期・用途・構成などは異なるが、当時の他の主なスーパーコンピュータ(計画中を含む)との性能・費用などの単純比較は下表の通り。

性能・費用比較表システム名運用開始年運用終了年性能
LINPACK
PFLOPS)費用
(億円)消費電力
MW)TOP500順位ベンダーCPU・GPUOS
El Capitan(開発中)2023(予定)-2000(理論値ピーク性能、予定)643

(6億ドル)40未満(予定)-HPEAMDEPYC(Zen 4)、Radeon InstinctLinux
Aurora2023-1012557

(5億ドル)以上[36]38.7[37]2023年11月- 2位HPE,IntelXeon CPU Max、Data Center GPU MAXLinux(SUSE)
LUMI[38]20212027(予定)379.7

174

(1億6000万ドル)7.12022年6月-2023年6月 3位HPE,AMDAMD第3世代 EPYC , AMD Instinct 250XLinux

(Cray OS)
Frontier2022-120664322.82022年6月- 1位HPE,AMDAMD第3世代 EPYC , AMD Instinct 250XLinux

(Cray OS)
富岳2020-4421300[39]29.9[40]2020年6月 - 2021年11月 1位富士通A64FX(ARM)Linux(RedHat)
Summit2018-148350

(3億2500万ドル)[41]10.1[40]2020年6月 - 2021年11月 2位

2018年6月 - 2019年11月 1位IBMPOWER9, Tesla V100Linux(RedHat)
Sierra2018-947.4 [40]2020年6月 - 2021年11月 3位

2018年11月 - 2019年11月 2位
神威・太湖之光2016-93300

(約18億元)[42]15.4[40]2020年6月 - 2021年11月 4位

2016年6月 - 2017年11月 1位NRCPCSunway SW26010Linux(Raise)
20112019101120[43]12.7[44]2011年6月 - 2011年11月 1位富士通SPARC 64Linux

歴史

2018年(平成30年)

11月22日の
総合科学技術・イノベーション会議でポスト「京」開発の中間評価が公表され、妥当と評価[45]


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